2022年09月24日
新旧の美しい建築がたっぷり。札幌旅行で行きたいおすすめ名建築7選【北海道】
雄大な大地が生む豊かな食に、美しい景色など魅力あふれる北海道。なかでも都市と自然が上手く共存した「札幌」は、高い人気を誇るエリアです。そんな札幌には、明治時代以降の開拓の歴史を感じさせる建造物や、現代に世界的建築家の手によって生み出された作品など、じっくり巡って楽しみたい名建築がたくさん。この記事では、そんな数々の名建築をご紹介していきます。北海道の自然やグルメも楽しみつつ、名建築も巡ることであなただけの旅の思い出を作りませんか?
自然や歴史、グルメなど、たくさんの魅力が詰まった「札幌」。国内有数の人口を有する大都市でありながら、自然を間近に感じることができる稀有な街です。同時に北海道開拓の拠点となった場所でもあり、「札幌市時計台」や「北海道大学」「北海道庁旧本庁舎」のような近代を代表する建造物もたくさん。こうした建築や自然に触れられるスポットの数々は、ぜったいに外せない見どころですよね。
四季折々の自然と現代建築が織りなす絶景に浸ったり、歴史的な建物の中で開拓時代の人々の夢や志に思いを馳せてみたり…。札幌を訪れるときは、こんなふうに新旧の名建築をのんびりと巡るのがおすすめ。細部にまで凝らされた意匠をじっくりと堪能して、ここだけの空間美に酔いしれてください。建物が建てられた背景や建築家の思いに触れると、札幌の新たな魅力に気付かされるかもしれません♩
この記事では、あなたを札幌の名建築スポットへご案内。明治~昭和初期に建設された歴史ある名所から、自然と融合するアートのような建築、有名建築家が設計を手がけた名作まで、タイプの異なるおすすめスポットを集めました。今度の札幌旅行は「建築」をキーワードに、いつもとひと味違う楽しみ方をしてみませんか?
札幌駅から徒歩5分ほど。銀杏の木が立ち並ぶ北3条通の突き当たりに、「赤れんが庁舎」の愛称で知られる「北海道庁旧本庁舎」が建っています。明治21(1888)年から昭和43(1968)年まで、80年間に渡って北海道行政を担ってきたネオ・バロック様式の洋館は風格たっぷり。ライラック、ハマナスなどの花や紅葉、雪景色、イルミネーションなど、季節ごとの庭園の風景が心をやさしく癒してくれます。
華麗な外壁はおよそ250万個もの地元産レンガを使い、「フランス積み」という方法で積み上げられたものなんだそう。レンガの鮮やかな朱色が青空に映えて、見ているだけで元気をもらえそうです!中央にそびえる建物のシンボル「八角塔屋」の存在感は圧倒的。ドーマーの小窓の上には開拓使の象徴である赤い星印「五稜星」があしらわれていて、北海道の歴史を感じ取ることができます。
建物の内部は火災による焼失のあと、明治44(1911)年に再建されたもの。歴代長官・知事の執務室や北海道の歴史にまつわる資料などが展示されているので、思い思いに見学を楽しみましょ。クラシカルなアーチ型の扉や、覗き込むと像がゆがんで見える明治時代のガラスなど、そこかしこに見られるレトロなデザインにもご注目♡全体がノスタルジックな雰囲気に包まれていて、まるで開拓時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。
洋風建築の特徴でもあるデコラティブな階段は、この建物の美しさを凝縮したかのような空間。3連アーチの垂れ壁や、柱の上部に刻まれた彫刻、階段側面に彫り込まれたロゼッタなど、一つひとつの装飾を間近でじっくりと鑑賞したくなります。艶やかな赤い絨毯といっしょに撮影した写真はSNS映えも抜群!旅のメンバーで記念撮影をすれば、とっておきの一枚になること間違いなしですよ♪
北海道庁旧本庁舎の詳細情報
札幌駅から徒歩7分ほどの場所にある「北海道大学」。明治9(1876)年に「札幌農学校」として創立され、「少年よ、大志を抱け」の言葉で有名なクラーク博士が初代教頭を務めたことでも知られています。広大なキャンパスの中は、明治~昭和初期に建設された歴史的建造物の宝庫。昭和10(1935)年に主要部分が完成した「農学部本館」もそのひとつで、時計塔を中心に広がるスパニッシュ様式の建物が確固たる威厳をただよわせています。
重厚なエントランスがひと際目を引くこちらの建物は、昭和4(1929)年に建設された「北海道大学総合博物館」。もともとは理学部の校舎として使われていた建物で、鉄筋コンクリートの建築としては学内最古のものです。誰でも無料で入館できるので、「アインシュタイン・ドーム」と呼ばれる吹き抜けの白天井ドームや、ドーム3階に飾られた陶板製のレリーフなど、館内の見どころをじっくり見て回るのがおすすめ。生き物や鉱物の標本、恐竜の化石など、貴重な展示品も要チェックです◎
「札幌農学校第二農場」は、農学校の開校とほぼ同時に開設された「農黌園(のうこうえん)」が原型の演習農場。中心を担う「模範家畜房(モデルバーン)」は明治10(1877)年に建設されたもので、屋根を支える柱がない「風船構造」と呼ばれるデザインが特徴的です。赤い屋根と木材の素朴な風合いが可愛くて、何度もシャッターを切りたくなっちゃう!高床構造の穀物庫や道内最古のサイロも見て回れば、ヨーロッパの片田舎を旅しているような気分になりますよ♪
出典:www.instagram.com(@tammy____xx)
学内メインストリートの突き当たりにある「クラーク会館」も、ミッドセンチュリーのモダンな雰囲気がただよう名建築。北海道大学名誉教授の太田實氏が設計し、昭和34(1959)年に完成した建物は、現在も竣工時と変わらない姿を留めています。ロビーの壁面タイルや優美な曲線を描くパーテーションなど、内部のデザインも当時のまま。戦後モダニズムの世界観に浸りながら、館内の「クラーク食堂」でひと休みするのもおすすめですよ。
北海道大学の詳細情報
明治13(1880)年、明治天皇による北海道行幸の宿泊所として建築された「豊平館(ほうへいかん)」。中島公園駅から徒歩5分ほどの場所にある洋館は、旅館、西洋料理店、公会堂、結婚式場などと役割を変えながら、札幌の人々に親しまれてきた建物です。パステルブルーとホワイトで彩られた外観はとってもメルヘンチック♡この青色はウルトラマリンブルーと呼ばれ、かつてはラピスラズリ(瑠璃)から作られていた貴重な色なのだそうです。
豊平館の詳細情報
環状通東駅などからバスで25分ほどの場所にある「モエレ沼公園」は、札幌の壮大な自然と芸術が融合したユニークな公園。外周約3.7kmという広大な敷地の中にアートや遊具が点在していて、園内に造成された「モエレ山」に登ると、公園全体をひとつの作品として鑑賞することができます。世界的彫刻家であるイサム・ノグチ氏が設計を手がけ、昭和57(1982)年の着工から完成までに20年以上の歳月がかけられた超大作です。
公園のシンボル的存在である「ガラスのピラミッド」 は、建物の外壁がすべてガラスで構成された美しい作品。ガラスの表面に周囲の景色が映し出される仕組みになっていて、季節や天候によって見え方が大きく変化します。青々とした芝生やすっきりと晴れ渡った空、辺り一面の銀世界など…その時々の表情が楽しめるのが魅力。三角面や四角錐が組み合わさったフォルムも芸術的なので、まずはぐるっと外周を回って、外観のデザインを堪能してみてはいかがでしょうか?
館内に入ったら、1~2階が吹き抜けになっているアトリウムスペースへ。屋外に面したベンチでのんびり日向ぼっこしたり、壁面の幾何学模様を見上げながら大きく深呼吸したり…。建物の中にいながら、自分も自然の一部になったかのような開放感を味わうことができます。冬の積雪を貯蔵して夏の空調に使う雪冷房システムなど、建物に備わったサステナブルなアイデアにも注目してみてくださいね。
モエレ沼公園の詳細情報
モエレ沼公園
- 住所
- 北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
- アクセス
- 1) 地下鉄環状通東駅からバスで25分地下鉄環状通東駅より中央バス東69・79乗車、「モエレ公園東口」から徒歩10分 2) 札幌市街地から車で30分国道12号、国道275号、道道89号線(環状通)を経由し三角点通を中沼方面に進む
- 営業時間
- 7:00〜22:00
- 定休日
- 無休※ガラスのピラッミドは4/29〜11/3の毎月第1月曜日・11/4〜4/28の毎週月曜日及び年末年始
- 料金
- 無料
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180万㎡以上の広大な面積を誇る「真駒内滝野霊園」までは、真駒内駅から車やバスで20~25分ほど。「霊園」という名前のイメージとは違って敷地の約6割が緑豊かな公園や散策路で占められているので、自然を体感できる観光名所としても人気があります。なかでも、約15万株のラベンダーが咲き乱れる夏の絶景は有名。園内に鎮座する「モアイ像」や「ストーンヘンジ」のレプリカも、人気のSNS映えスポットです。
正門を抜けて園内に進むと、右手の小高い丘の上から大仏さまの頭がひょっこり飛び出しているのに気が付くはず。この何とも不思議な見た目の礼拝堂が、世界的建築家・安藤忠雄さんが設計を手がけた「頭大仏殿(あたまだいぶつでん)」です。この時点では大仏さまのお顔は見られないので、自分の頭の中でイメージを膨らませつつ入口へ向かいましょう。
天井のコンクリートがひだのように重なったトンネルを抜けていくと、水面に空の模様が写し取られた「水庭」に到着します。周りをゆっくりと歩きながら、水の浄化パワーで身と心を清めてくださいね。歩を進めるごとに慌ただしい日常から解放されて、非日常の世界に引き込まれていくような気分に。ここから見えるのは大仏さまの胴体部分で、やっぱり表情までは見ることができません。
水庭の先のアプローチを抜けていくと、その先には光に照らされた大仏像が…!13.5mという高さに圧倒されつつも、やっとお目にかかれた表情からはあったかいぬくもりが感じられて、見ているだけで心が安らいでいくのを感じます。手を合わせてお参りしたあとは、おみくじを引いたり、絵馬やメッセージ献灯で願いごとをしたりするのもおすすめ。厳かな雰囲気の中で、建築家の洗練された美意識を存分に味わってくださいね。
真駒内滝野霊園の詳細情報
出典:www.instagram.com(@milhi_kiki_coco_flower)
入口右手にある「洋間」は、センの木でできた大きなベイウィンドウが印象的な空間。展示されている資料を見ていると、建物が辿ってきた年月を肌で感じることができます。瀟洒なシャンデリアが吊り下げられている天井のメダリオンは、当時の職人さんの高い技術で造られた漆喰製。和のモチーフである桔梗の花があしらわれていて、美しい和洋折衷のデザインにうっとりしてしまいます。
出典:www.instagram.com(@beibaozu)
洋室と和室がドアを隔てて直接つながっていているという、ユニークな間取りにもご注目。洋風のドアを開けて障子や床の間を備えた「和室」に足を踏み入れると、ほっと心が落ち着くのを感じるはずです。縁側に腰掛けて庭園の緑をぼんやりと眺めながら、往時の人々がここから見ていた景色を想像してみてくださいね。
清華亭の詳細情報
西11丁目駅から徒歩5分ほど。札幌を象徴する観光名所「大通公園」の西端に位置するルネサンス様式の建物は、大正15(1926)年に建設された「札幌市資料館」です。もともとは「札幌控訴院(のちの札幌高等裁判所)」として建てられたものだと聞いて、その威厳あふれるたたずまいにも納得。四季折々の花が咲く庭園の風景も相まって、ヨーロッパの古城巡りに訪れているみたいです。
札幌市資料館の詳細情報
カップルにおすすめ♡定山渓のデート&観光スポット15選【北海道】
札幌で温泉を楽しみたいなら、迷わずここへ!札幌中心部から車で40分ほどで到着するのは、札幌の奥座敷として知られる「定山渓(じょうざんけい)」。ここは豊かな自然に恵まれた温泉地です。定山渓のお楽しみは良質な温泉以外にもたくさん♩「定山渓散策路」や「豊平峡ダム」で自然の美しさを楽しんだり、「定山源泉公園」で足湯と温泉たまご作りをしたり。また、四季折々に開催されるイベントも見逃せません。もちろん温泉グルメもいっぱいです◎今回はそんな定山渓へ訪れるカップルにおすすめのスポットをご紹介します。
▲札幌からアクセス良好♪温泉好きなら定山渓がおすすめ♡
北海道の政治・文化・経済の中心であり、道内屈指の観光地としても知られる「札幌」。その魅力をより深く味わってみたいあなたには、市内にある数々の名建築を巡る旅がおすすめです。開拓時代の歴史的建造物や現代アートのような建築作品など、うっとりしてしまうような魅力的な見どころがたくさん。慌ただしい毎日からは少し距離を置いて、建築が創り出す美空間で非日常のひとときに酔いしれてください◎