ご当地カレーの決定版！？全国の「ダムカレー」をチェックしよう【東日本編】

ダムカレーとは、その名の通り「ダム」を表現したカレーのこと。ご飯をダムに見立て、せき止められてできたダム湖がカレールーというわけです。ルーツは黒部ダムの近くの食堂で出されていたカレーと、東京でダムマニアの方が開発したカレーとの2つがあり、全国で見られるダムカレーは大抵このどちらかのジャンルに分類されます。2009年ごろから徐々に広まっていき、今では全国各地の多くのダムにちなんだダムカレーが見られるようになりました。

今回は、この「ダムカレー」を徹底的にチェックしてみたいと思います。2016年は水不足も心配される関東のダムですが、カレーはいつでもなみなみと入っていますよ！

北海道からは、小樽市民の水がめとして街を支える「朝里ダム」のダムカレー。朝里ダムは比較的新しいダムで、海からわずか5キロのところにかかるダムなので、ダムの上から海を眺めることができるという珍しい場所です。ダムカレーは、小樽のスープカレー専門店が提供する本格的なスパイシーカレー！自分でダム湖にカレーを注ぐという「参加型ダムカレー」は、楽しめること間違いなし。

鳴子ダムは宮城県の北部、大崎市にあるダムです。アーチ式と呼ばれる形状はダムとしては馴染みのある形状。そのダムを模した「鳴子ダムカレー」は、川渡温泉にある、「キッチンなの花」で楽しむことができます。お店自体は温泉街のおかみさん達が集まって運営しているレストラン＆カフェで、鳴子の地の食材を中心にしたメニューが楽しめますが、ダムカレーも目玉商品。サラダやカレーの具に入ったたっぷりのお野菜が優しい味わいですよ。

福島県の南会津にある、只見川にかかるのが「田子倉ダム」です。ここは水力発電用のダムでその大きさは日本でもトップクラス。上流や下流にもさらにダムがあり、ダムが好きな人にはたまらないスポット！ここで味わえるダムカレーは20種類のスパイスと糀がポイントの深い味わいのカレーです。ここではぜひ大盛りのダムカレーを楽しんでみてください。上流に田子倉ダム、さらに下流に只見ダムと2重のダムカレーが出てきますよ！

福島県の大滝根川にかかる「三春ダム」は、桜の名所であることから、ダム湖が「さくら湖」と名付けられています。そのさくら湖をイメージしたカレーが「さくら湖ダムカレー」。名前の通りの桜色の器で、味わいもマイルドなカレーです。スパイシーなカレーが好きな人にはちょっとものたりいかもしれませんが、雰囲気をよく表している可愛らしいカレーだと思いますよ。

栃木県の鬼怒川上流域は、「鬼怒川上流ダム群」と呼ばれる幾つかのダムが存在します。いずれも治水対策や、首都圏の水がめとして重要な役割を果たしているダム。そんなご当地のダムカレーは、普通盛りならアーチ式の「川治ダムカレー」、大盛りを頼むと重力コンクリート式の「湯西川ダムカレー」と、二つの種類が楽しめます。どちらもスパイスがよく効いたちょっと辛めのカレーで、具材は日光の野菜をたくさん入れた野菜がたっぷりでヘルシーなのが売り！

群馬県の利根川上流域も首都圏の重要な水瓶です。流域にはタイプの異なる5つのダムが点在し、ご当地ではあちこちのお店でダムカレーが楽しめますよ。水上町で見られるダムカレーはアーチ型の矢木沢ダムをモチーフにしたもの、重力コンクリート式の藤原ダムをモチーフにしたものと、ロックフィル式の奈良俣ダムをモチーフにしたものの3つのタイプがあり、お店によっても異なります。ロックフィルダムカレーはご飯の量が大盛り！

八ッ場ダムといえば、まだ未完成のダムとして知られていますが、ダムカレーはすでに存在しています。ここのダムカレーは、一般的なものとは違い、ダムの部分がご飯ではなく陶器で仕切られています。カレーの味は家庭的でマイルドな中辛。そしてこのカレーの器がお土産やさんなどで購入できるのも面白いポイント。お家に帰ってオリジナルの八ッ場ダムカレーを楽しむことができますよ！

埼玉県の秩父市にある浦山ダムは、首都圏の水瓶の一つとして機能する大切なダム。その浦山ダムのダムカレーは、ちょっと面白い、ハムカツのカツカレー。分厚いハムのジューシーな食感と、どっしり重力式ご飯のダム、そしてさらっとしているカレーとの組み合わせはクセになる味です。福神漬けがルーの淵に添えられているのは、ダム湖名物の桜を模しているのでしょう。ここのダム湖は桜の名所で、名前も「さくら湖」。春に訪れてみたい場所ですね。

小河内ダム、と言ってもあまりピンとこないかもしれませんが、ここのダム湖が奥多摩湖です。奥多摩湖は水道用貯水池としては日本最大規模の大きさなのだそう。そんな小河内ダムのダムカレーは、山並みの樹林や奥多摩湖に浮かぶ船、浮橋、堤体の上の監視塔などを忠実に再現した、観賞価値の高いダムカレーです。1日20食限定とのことなので、休日などは早めに訪れるのがいいでしょう。

東京は本所にある割烹のお店です。こちらのお店こそ、ダムカレー発祥の一翼を担う重要なお店！どこのダム、というご当地には特化しておらず、純粋にダムの形状と特性を再現した、カレーではなく「ダム」を楽しむメニュー。

楽しめるカレーは美しいアーチ型をはじめとして、重力コンクリート式、アース式、ロックフィル式とさまざま。どれもどのようにダム（ご飯）が、水（カレー）をせき止めるのかがよく分かります。ちなみに、カレーのお味は1種類なので、カレーメニュー（お願いしないと出てきません）は、ダムの説明になっています。

神奈川県にある相模湖も実はダム湖。東京オリンピック（昭和39年の）でカヌー会場になったことをきっかけに、多くの人が訪れる観光やレジャーのスポットになって久しい場所です。この相模湖を作り出したのが「相模ダム」なのですが、湖畔にはやっぱり相模ダムカレーがありました！シンプルな重力式ダムのカレーですが、ルーのダム湖側に相模湖の特徴をうまく表現しています。流木とワカサギをイメージしたトッピングは小魚のフリットなどが使われています。

東日本編の最後は、ラーメン店が提供するダムカレー。これもどこのダム、というご当地ではなく、純粋にダムカレーを楽しみたい人のための一品です。アーチ式のダムカレーの他に、チャーハンでできたロックフィル式ダムカレーもおすすめ。そして極め付きはアース式の「ダムカレーラーメン」。カレーの部分にカレーラーメンが入っていて、麺もこのメニューのためだけに開発したというこだわりよう。

いかがでしたか？チェックし始めると奥が深いダムカレー！まだまだおすすめのダムカレーがたくさんあります。是非色々な地域のダムカレーを食べてみてくださいね♪