水の町のひんやりスイーツ。岐阜・大垣の水まんじゅう5選

大垣は水まんじゅう発祥の地といわれます。明治の初めころに、水の都・大垣ならではの、名水を生かした和菓子が作れないかと考えた結果できあがった一品だそうです。よく似たお菓子に葛をつかった葛まんじゅうがありますが、水まんじゅうは微妙に違うお菓子です。

葛まんじゅうと水まんじゅうの大きな違いは、皮の材料でしょう。葛まんじゅうの皮は葛粉で作られ、水まんじゅうは葛粉とわらび粉を混ぜてあります。写真のように、葛まんじゅうの皮は水まんじゅうより薄くて、なかのあんこの存在感が強いです。

一方で、水まんじゅうは皮に厚みがあり、真ん中のあんこがほんのり透けて見え、控えめでつつましい印象です。両方とも見た目も食感も夏らしいお菓子ですが、葛饅頭はしっかりとした葛の食感が楽しめ、水まんじゅうの方が柔らかくツルンとしたのど越が楽しめます。

大垣の水まんじゅうは、お店ごとに葛粉とわらび粉の配合が異なるため、同じ水まんじゅうといっても、店ごとに食感の違いが楽しめるんですよ。ぜひ食べ比べてほしい5店をご紹介しますね。

こちらのお店では、店内奥の喫茶室で出来たてのプルプル水まんじゅうをいただけます。水まんじゅうを冷たい大垣のお水と一緒にガラス容器に入れ、冷え冷えのままテーブルへ。食べると皮がつるりとのどを通り、体中がヒンヤリします。まさに夏のための和菓子です。

お店は、大垣駅南側の商店街のなかにあり、守屋多々志美術館のすぐ近くです。あとで紹介する駅前の金蝶園総本家とは別系統のお店です。混乱しやすいですね！

かき氷の中に水まんじゅうが入っている、盛夏にぴったりのメニューが大人気のお店。水まんじゅうをしっかり味わってほしいと、かき氷のシロップは白蜜だけ。程よい甘さのかき氷に水まんじゅうのプルプル食感がマッチしています。こしあんは甘さひかえめなので、3つくらいぺろりといただけます。

大垣城の東側にあり、先に紹介した金蝶園総本家さんから歩いて約5分です。創業は文久2年という老舗の和菓子屋さんですが、とても入りやすい店先です。

ちょっと変わりだねの水まんじゅうが販売されているお店です。4～9月はフルーツあんの水まんじゅうがあり、毎月フルーツが変わります。真夏の8月はブドウあん、9月はイチジクあんです。コーヒー味、抹茶味の水まんじゅうも人気。店内にイートインスペースがありますので、出来たてをどうぞ。

お店は大垣駅の南口にあり、駅前なのでお土産に水まんじゅうを購入するのに便利です。最初にご紹介した郭町の金蝶園総本家とは別系列のお店です。それぞれ味が微妙に違うので、ぜひ食べくらべをしてみてくださいね♪

大垣では柿ようかんの名店として有名なお店です。水まんじゅうは葛の風味が上品で、弾力が絶妙。こしあんの甘さもほどよく全体のバランスがとってもいいんです。こちらの水まんじゅうは通販でも買えますが、やはり出来たてのおいしさは別格です！

こちらも名物の「みずのいろ」。干錦玉(ほしきんぎょく)という伝統的な和菓子をベースに作られた極薄のお菓子です。ほんわりした色はハーブによるもので、ナチュラルな風合いがすてき。1枚ずつ手作りで、10日前に予約しなければ手に入りません。あまりにも壊れやすいため店頭渡しのみです。予約しておいて、水まんじゅうと一緒にいただきたいですね。

大垣城の南側、住宅街の中にお店があります。最初に紹介した金蝶園総本家からは歩いて約5分ですから、金蝶園総本家→餅惣→つちや本店と、歩いて食べ比べするのにちょうどいい距離です。店構えが堂々とした、創業以来250年以上の老舗和菓子店です。

最後にちょっとだけ、洋風の水まんじゅうをご紹介します。ヴェリーヌ ペッシュ ジャポネは、水まんじゅうをアレンジした一品。どうみても水まんじゅうには見えませんが、一番下の白い部分はココナッツ風味の白あん。あんの柔らかさ、のど越しのよさは水まんじゅうの皮を彷彿とさせます。上に自家製フランボワーズジャムと白桃をのせ、水まんじゅうとフルーツのコラボを実現させました。

「水まんじゅうに革命を起こしたい！」と一念発起して、オリジナリティあふれる水まんじゅうを生み出しました。ケーキ、キッシュ、焼き菓子、パン、どれもおいしいお店です。

水まんじゅうの販売時期はだいたい4月末～8月末ですが、その年の気温によってはお花見のころの3月末に始まったり、9月末まで続いたりすることもあります。人が暑さを感じるころにでてくる水まんじゅうは、酷暑をやわらげてくれる素朴なお菓子です。大垣に来たらぜひ食べ比べてみてくださいね。