2017年05月10日
青森・夏の風物詩!大迫力のお祭り「立佞武多(たちねぷた)」を見に行こう!
青森の夏のお祭りといえば、「青森ねぶた祭」や「弘前ねぷたまつり」を知っている人は多いと思いますが、津軽半島の北西部に位置する五所川原市で毎年8月に開催される『五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)』をご存知ですか?夜空を突き刺すような圧倒的な大きさに度肝を抜かれる“山車(だし)”が街中を練り歩く、津軽の夏を彩る代表的なお祭りです。今回は、郷土が誇る「立佞武多」の魅力を紹介します!
青森三大佞武多(ねぷた)のひとつ『五所川原立佞武多』。その名の通り、高さが20m以上もある巨大な山車が市街地を練り歩くお祭りです。もともとは明治から大正にかけて行われていた伝統的なお祭りでしたが、電気の普及によって電線が張り巡らされ、小型化へ。さらに、火災で設計図などが焼失したことで衰退の原因に。その後、当時の設計図などが発見されたことがきっかけに、1998年から復活。
諸説はいろいろありますが、一般的には津軽弁の“眠い”という言葉「ねぷてぇ」から、変化したといわれています。なぜ“眠い”のか?それは農作業で忙しいときに襲ってくる“眠気・睡魔”を灯籠や船に乗せて、川に流していた「ねむり流し」の行事からだそう。青森が「ねぶた」というのは「ねぶてぇ」という青森弁だとも。
「立佞武多」は高さが約23m、そして重さは約19tもある巨大な山車です。見上げる人はみんな口をあんぐりさせて、その大きさに圧倒されています。初めて見た人は「ゴジラみたいだ」とも。ビルに映るその姿も美しく、「五所川原立佞武多」ならではの光景です。
立佞武多は「立佞武多師」が精魂こめてつくりあげた作品です。全体像をながめて、その美しさをたっぷりと鑑賞してください。立佞武多が少しずつ近づいてきて自分の目の前に立ったとき、頭上をすべておおいつくすほどの大迫力に思わず息をのむほど。
毎年、見事な出来ばえの立佞武多が出陣します。2016年は「出雲の阿国」がテーマに選ばれました。人形部だけでなく台座の部分のチェックも忘れずに。豪華絢爛な作品に魅了されてください。
開催期間中、毎日19時から約2時間かけて、市内一帯を運行します。運行コースはその年によって変わりますが、広々とした交差点付近が観覧場所としておすすめです。
混雑を気にせず、ゆっくりと座って見たいときは、有料観覧席を事前に確保しておきましょう。五所川原立佞武多運営委員会が販売しています。2月中旬ごろから、商工会議所のサイトにあるニュース情報をチェック!
五所川原商工会議所
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運行は19時開始ですが、夕方ぐらい「立佞武多の館」に立ち寄ってください。巨大な立佞武多が出てくる様子は、ワクワク感たっぷりですよ。ゆっくりと進んでいくので、格納庫から出てくる姿を見届けてから観覧席に移動しても十分間に合います。
JR五能線五所川原駅から徒歩5分のところにある「立佞武多の館」。普段は、お祭りで運行される立佞武多が展示されています。ほかにも、製作体験やお囃子の練習ができ、立佞武多について学ぶことができます。また、郷土料理が食べられる展望ラウンジや、物産ホールなど、観光スポットとしての利用も◎。
立佞武多の館 -たちねぷたのやかた- :: 立佞武多情報と五所川原周辺観光情報のポータルサイト
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五所川原駅前から、運行がスタートします。佞武多の館に展示されている巨大な立佞武多をはじめ、大小さまざまなサイズのねぷたと合わせて、15台前後が出陣していきます。
「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声とともに、立佞武多が街を練り歩きます。そして、力強いお囃子が続きます。「ヤッテマレ」というのは津軽弁で、「やってしまえ」という意味です。昔、町内同士で「自分のねぷたが一番」と争ったときのかけ声が「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」だったことからきています。
威勢のいいかけ声と、太鼓や笛のお囃子が五所川原の街にひびきわたり、祭りは熱気につつまれます。観客へのアピールにも力が入ります。すばらしいパフォーマンスには拍手を送りましょう。声援に応えてますますはりきってくれるかもしれません。見ている方も大きな声で「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」と声をかけて、祭りに参加しましょう。
立佞武多の楽しみは、迫力がある姿だけではありません。ぜひ、後ろからも見てください。長方形の絵が三つあることに気づいてもらえると思います。真ん中の大きい絵は「見送り絵」、両側の二つは「袖絵」といい、戦いを見送る女性の姿だったり、魔除けの意味で幽霊が描かれることもあります。この三つをチェックするのは、ツウの楽しみ方とも!立佞武多が通りすぎたあとは、「見送り絵」と「袖絵」の美しさを堪能しましょう。
市内を練り歩いた立佞武多は「立佞武多の館」に戻り、運行が終わります。このあと灯りが消され、格納されます。
立佞武多の前日、8月3日に岩木川河川敷で毎年、花火大会が開催されています。JR五能線五所川原駅から、徒歩15分ほどの距離なので、ぜひ花火大会から合わせて訪れてください。
五所川原花火大会
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いかがでしたか。津軽の人たちは、短い夏を惜しむように全力で祭りを楽しみます。その燃え上がる熱気を共に味わい、一緒に「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」と大きな声で叫んでみませんか。「五所川原立佞武多」に圧倒された夏は、きっと忘れられない思い出に!