2017年10月22日
【長野】まるでジブリの世界。“藤森照信さん”の建築物を巡ろう!+周辺グルメ情報
空を飛んでいるツリーハウス…?まるでジブリ作品に出てくるような建物をつくる「藤森照信(ふじもりてるのぶ)さん」をご存じでしょうか?その作品は全国各地にありますが、藤森さんの地元である長野県茅野(ちの)市では4つの作品を一気に楽しむことができます。茅野までは新宿からも2時間ほどとアクセスがよく、長野県の人気の観光地・松本からもほど近いため気軽に訪れることができますよ。この週末、藤森照信さんの作品を見に行きませんか?
藤森照信さんという建築家をご存じでしょうか。もともとは建築関係の研究者として業績を積み、1991年、44歳で建築家デビュー。自然素材を大胆に取り入れ、かつ古来の技術を使うことを建築のテーマとしており、独創的な建築作品は建築界に衝撃を与えました。その作風は「インターナショナル・ヴァナキュラー(=国際的で・その土地固有の)」という相反するふたつの言葉で形容され、国内外の注目を集めています。
まるでジブリに出てきそうな藤森照信さんの作品。建築好きはもちろん、そうでない人にも愛される魅力が詰まっています。今回は、全国に40余ある藤森建築の中から、彼の地元・長野県茅野市で見ることができる作品をご紹介します。
日本最古の神社のひとつとされる諏訪大社(すわたいしゃ)の上社、自然美が満喫できる蓼科高原(たてしなこうげん)など、実は有名な観光地が多くある茅野市。JR茅野駅まではJR新宿駅から特急あずさで2時間強と都心からのアクセスもいいです。長野県・JR松本駅からも特急あずさで30分ほどですので、国宝の松本城、芸術家・草間彌生さんの作品を多数収蔵している松本市美術館など、見所が多い松本観光とセットで訪れるのもオススメです。
茅野市内では、史料館と3つの茶室の4つの藤森建築が一般公開されています。まずは藤森さんの処女作である「神長官守矢史料館(じんちょうかん もりや しりょうかん)」を目指しましょう!JR茅野駅からは2.5kmほどと少し離れていますが、4つの作品を一気に見て回ることができますよ。
神長官守矢史料館 | 茅野市
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斜めに傾いた屋根が特徴的なのが「神長官守矢史料館」。「神長官」とは諏訪大社の上社の神に仕える職の長のこと。この神長官を中世から明治時代まで代々勤めてきた家柄が"守矢家"です。こちらの史料館は守矢家の敷地内にあり、神事などにまつわる史料や鎌倉時代から伝えられる1600点以上の守矢文書などを保存・展示しています。この「神長官守矢史料館」は、1991年完成の藤森さんの処女作で、原点ともいえる存在です。建築はもちろん、史料展示も見応えがあると人気です。
諏訪の自然、また展示される史料にあわせ中世の信仰をモチーフとしています。建物は資料保存のため鉄筋コンクリート造ですが、外部と内部の両方に特別な壁土を塗り、屋根には地元産の「鉄平石」という平石を使うなど、目に映るものはすべて自然の素材となっており、茅野の景色にも違和感なく馴染んでいます。
外壁の一部には「割板」という鎌倉時代の技法が使われています。1本の丸太の真ん中にくさびを打って裂くという技術ですが、1本の丸太から作ることができる板はなんと2枚のみ。貴重な上に手間もかかる技法ですが、機械でなく手で割っているだけあってなんともいえない良い風合いがあります。
この屋根から飛び出した四本の柱に注目してください。こちらは、地元産の"イチイ"の樹が使われています。諏訪大社には古くから「御柱祭(おんばしらさい)」と呼ばれる神事があり、山から切り出した四本の木を社殿の四隅に建て神木とします。こちらの四本の柱はその御柱をイメージして建てられたものです。
信州諏訪 御柱祭
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中に入るとまず目を引くのが、壁にかけられた75頭の鹿と猪の頭部の剥製。諏訪神社の鹿や猪を生贄にした神事「御頭祭(おんとうさい)」の復刻展示も行われています。
土塗りの内部はなんだか落ちつく雰囲気。内部には大きなガラス窓があり、次にご紹介する「高過庵(たかすぎあん)」「低過庵(ひくすぎあん)」を見ることができます。
手前のツリーハウスのようなものが「高過庵」、奥の三角屋根が「低過庵」です。茶室にしては「たかすぎ」「ひくすぎ」の位置にあることから名付けられたのだそう。見た目通りの名前で覚えやすいですね!史料館ちかくの畑に設置されており、案内板もありますのでそちらを頼りに探してみてください。このふたつはどちらも藤森さんの個人的な茶室。外部の見学は自由に楽しむことができますが、内部についてはときおり公開日が設けられるのみで基本的に公開されていません。
高過庵は2004年に完成。6メートルほどの高さの栗の木の上にちいさな小屋が乗っています。いまにも歩き出しそうななんともかわいらしい建物なのですが、アメリカの雑誌"Time"では「世界でもっとも危険な建物トップ10」として選出されたこともあるんですよ。たしかに、見れば見るほどどうして建っていられるのか不思議になってきます。6メートルと高い位置にある分、絶景を見ながらお茶の時間を楽しむことができるのだそう。想像するだけでなんだか優雅な気持ちになれますね!
低過庵は2017年に完成した新作。半分土に埋まっている竪穴式住居ならぬ、竪穴式茶室です。「縄文アートプロジェクト2017」の一貫として制作されました。屋根は銅板ぶきとなっており、内装は漆喰仕上げ。天井は低めで、身長170センチの人が立てる程度です。中にはお茶を飲むための湯沸かし用暖炉もあるんですよ。暖炉の火とろうそくのわずかな明かりに心を落ちつかせながら、お茶を楽しむことができます。
実はこの屋根、手動スライド式となっているんです!ほの明かりの中だけでなく、空を見ながらのお茶も楽しむことができるようになっており、遊び心たっぷり。こちらの様子は限定公開時のものですのでふだんは見ることができませんが、屋根が動くところを想像しながら見学してみてくださいね。
最後のひとつ、「空飛ぶ泥舟」は2010年完成。さきほどのふたつの茶室からほど近い距離、八ヶ岳を背景に望める位置にあります。「空飛ぶ泥舟」も藤森さんの茶室で、基本的に外部の見学のみが可能です。「建築物を空に浮かせたい」という藤森さんの念願叶って制作されたこの茶室は、本当に空に浮いているよう!左右非対称な茶室がなんだかフグのようでかわいらしいですね。屋根は銅板でそのほかの部分は泥塗りとなっており、あたたかみのある雰囲気です。
そばに寄って見上げると空に浮いているようにしか見えないのですが、遠目に見ると左右からワイヤーでハンモックのようにつられています。内部は揺れますが、意外と落ちつくのだとか。窓は開閉も可能なんですよ。足元がネギ畑という、のどかな風景も和みポイントです。
せっかく長野に訪れるのであればご当地グルメも楽しみたいですよね!茅野駅近辺のオススメおそば屋さんをご紹介します。
白樺
閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。
そばのさとの詳細情報
そばのさと
茅野 / そば、天丼
- 住所
- 長野県茅野市塚原2-15-16
- 営業時間
- [月] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) [火] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) [水] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) [木] 定休日 [金] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) [土] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) [日] 11:00 - 19:00(L.O. 18:50) ■ 定休日 ただし、7月20日~8月31日までは無休
- 定休日
- 木曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥1,000~¥1,999
藤森建築はどれもとってもキュート♡写真で見てもとっても素敵ですが、実際に目の前にしたときの感動はひとしおです。ぜひ一度、実物を見に訪れてみてくださいね!