2022年10月09日
まったり巡る「明日香村」観光スポット13選。古代ロマンを感じる飛鳥京一人旅
奈良県の中央部に位置する小さな里、明日香村(あすかむら)。かつて日本の政治・経済・文化の中心として栄えた、飛鳥京(あすかきょう)があった地です。のどかな田園風景の中に見え隠れする1400年前の栄華の名残が、訪れる人のロマンをかきたてます。初めて訪れてもどこか懐かしさを感じる……。そんな飛鳥の里を、一人旅でのんびり巡ってみませんか? きっと、五感で感じる日本の原風景に癒されることでしょう。
目次
聖徳太子、蘇我氏、大化の改新……。誰もが教科書で習った人物や出来事ゆかりの地が点在する明日香村。有名な歴史スポットの他、用途や目的のわからない石造物も多く、不思議なパワーでいっぱいです。約1400年前から始まった飛鳥時代の、繁栄と古代の謎を探しに出かけてみませんか?
のどかな里には、大小様々な見どころが点在しています。レンタサイクルを利用すると、旅の自由度がグッと上がりますよ。古代の里を巡り、心惹かれる景色に出会ったら気ままに足を止めてみましょう。サドルをベンチにしてのんびり一休み。急がず、焦らずが、この地で旅を楽しむコツです。
この記事では「女性一人旅」の視点で、飛鳥の魅力&スポットをご紹介します。飛鳥路は案内表示も丁寧なので、女性一人でも安心&快適に巡ることができるでしょう。古代ロマンあふれる“まほろば”で、癒しの旅を満喫してくださいね。
飛鳥駅に降り立ったら、立ち寄りたいのが「飛鳥びとの館」。観光に役立つ情報いっぱいの総合案内所です。パンフレットや地図をチェックして、旅の気分を高めましょう! レンタサイクルショップも近くにあるので、ぜひ活用してみてくださいね。
こちらは「飛鳥びとの館」で購入できる「飛鳥王国パスポート」。観光情報と主要スポットの割引券がセットになった、一人旅を支えてくれる便利アイテムです。真っ赤な表紙と金字がレトロ&キュートで、旅の思い出の品としてもぴったりですね。
館内には明日香村の特産物や工芸品・お土産品、書籍も揃っています。限定マスキングテープなどかわいい文房具もありますよ。帰りに何を買うかチェックしておくと良いかも!
飛鳥総合案内所 飛鳥びとの館の詳細情報
飛鳥時代のスーパースターといえば、やっぱり聖徳太子(しょうとくたいし)。ここ橘寺(たちばなでら)は、聖徳太子誕生の地、太子創立七大寺の1つともいわれているスポットです。明日香村を見守っているかのような、悠然とした佇まいが素敵ですね。
境内には数々の見所がありますので、ぜひじっくり巡ってみてくださいね。中でも女性の心をときめかすのは、「往生院(おうじょういん)」の天井画。年に約1ヶ月だけ特別公開される宝物庫「聖倉殿(せいそうでん)」も要チェックです。聖徳太子35歳の像などを見学できますよ。
境内には善悪2つの顔を持つ「二面石(にめんいし)」もありますのでお見逃しなく。古代の人々も、善悪両方の心を自分の内面に感じていたのかもしれませんね。
橘寺の詳細情報
およそ1300年前に創建された、こちらも非常に歴史の古いお寺です。女性の厄除け観音として知られる如意輪観音(にょいりんかんのん)様を本尊としていて、日本で最初の“やくよけ霊場”といわれているんですよ。女性として、一度はお参りしたいスポットですね。
「樹齢500年のさつき」や「しゃくなげの道」などがある境内は、季節ごとに可憐な姿を見せてくれますよ。中でもおすすめなのが、例年ゴールデンウィーク頃に開催されるイベント「華の池~水面に浮かぶ天竺牡丹~」。鮮やかな天竺牡丹(てんじくぼたん)の花が水辺を彩ります。
「岡寺」の正式名は、龍にフタをすると書いて「龍蓋寺(りゅうがいじ)」といいます。開祖である義淵僧正(ぎえんそうじょう)が、悪さをしていた龍をこの地に封じたことに由来しているのだとか。
そんな龍封じの伝説にちなんで、ここには「龍玉 願い珠」という願掛けがあります。お願い事を書いた紙を珠におさめてぶら下げておくのも良し、お守りとして持ち帰るのも良し。参拝に訪れた時は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
岡寺の詳細情報
岡寺
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村岡806
- アクセス
- 橿原神宮前駅東口 バス 27分 「岡寺前」下車、徒歩10分。 飛鳥駅 バス 19分 「岡寺前」下車、徒歩10分。
- 料金
- 【料金】 大人: 400円 大学生: 400円 高校生: 300円 中学生: 200円 備考: 小学生以下無料、団体割引50名以上
飛鳥時代の大事件「大化の改新」の立役者、天智天皇(てんじてんのう)の祖母にあたる女性のお墓とされている場所です。奥には「猿石(さるいし)」と呼ばれる謎の石が。有名な石造物なのですが、何のために作られたのかハッキリしていないそう。
歴史の古い明日香村には、こういった「意図がよくわからないもの」が点在しています。謎だからこそ、妄想するのは自由! “誰が、何のために?”という視点を持って探検すると、飛鳥の旅がもっと楽しいものになりますよ。
吉備姫王墓の詳細情報
飛鳥旅の合間には、名産品を使ったスイーツを食べて休憩しましょう。こちらは「飛鳥ブランド」の農作物を使ったジェラートショップです。明日香産のイチゴ「あすかルビー」や、「ホウレン草」などの季節もの、プチプチ食感の黒米を使った「古代米」なんてメニューもありますよ♪
ジェラートはもちろん、「大和ポーク」を使ったロコモコなど、軽食や飲み物もあります。飛鳥の風景を眺められる居心地のよいカウンター席は、一人旅の特等席です♪
明日香路 旅の駅 石田商店の詳細情報
明日香路 旅の駅 石田商店
飛鳥、岡寺 / レストラン、ジェラート・アイスクリーム
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村川原44-1
- 営業時間
- [月] 08:30 - 18:30 [火] 08:30 - 18:30 [水] 定休日 [木] 08:30 - 18:30 [金] 08:30 - 18:30 [土] 08:30 - 18:30 [日] 08:30 - 18:30
- 定休日
- 水曜日
明日香村には、古代日本を知る上で必ず押さえておきたい古墳が3つあります。そのうち1つが「高松塚古墳(たかまつづかこふん)」。教科書などでおなじみ、極彩色の美人壁画が残る古墳です。
内部は修復中で入れませんが、隣接する壁画館でレプリカを見ることができますよ。大陸の文化がうかがえる装束に身を包んだ美女たちは、古代のワーキングウーマンだったのかも? 解説も聞きながら、古代の女性たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
高松塚古墳の詳細情報
高松塚壁画館の詳細情報
2つ目は「石舞台古墳(いしぶたいこふん)」。30個以上積み上げられた巨石の総計は、なんと約2300トン! どうやって積んだのでしょう? 当時の建築技術が気になりますね。
近くに邸宅があったことから蘇我馬子(そがのうまこ)のお墓といわれていますが、これも謎。大切な「石室」がむき出しになっているという独特の間取りも謎です。中に入れるので、ぜひ行ってみましょう。
大きな石に触れ、石の隙間から溢れる日差しを手のひらに受ければ、謎を解くインスピレーションが湧いてくるかも♪
石舞台古墳の詳細情報
石舞台古墳
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村島庄
- アクセス
- 橿原神宮前駅からバスで30分 石舞台下車
- 営業時間
- 8:30〜17:00
- 料金
- 大人 300円 大学生 300円 高校生 100円 中学生 100円 小学生 100円
3つ目は「キトラ古墳」。青龍、朱雀、白虎、玄武の四神の壁画がほぼ完全な状態で見つかり注目を集めました。ポコっと盛り上がったキトラ古墳の頭を見ると、なんだかほっこり癒されます!
現在は保存のために壁画を剥ぎ取り、埋め戻されています。内部については、2年前にオープンした「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で学ぶことができますよ。石室の天井に描かれた、世界最古の精密な天文図も再現されています。古代の人々の知識と技術、センスにうっとりですね。
色鮮やかな「四神」の壁画のレプリカも見ることができます。1000年以上も前に描かれたとは思えないほど洗練された絵ですよね。そのデザイン性の高さから、キトラ古墳の四神はグッズとの相性バッチリ♪ 小さな売店でオリジナルグッズが販売されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
キトラ古墳の詳細情報
キトラ古墳壁画体験館 四神の館の詳細情報
のどかな明日香村では、おいしい野菜がたくさん育てられています。せっかくなら、地元の旬野菜たっぷりのランチをいただいてみませんか? こちらは築200年近い酒屋をリノベーションしたというカフェ。明日香村になじむ雰囲気の良さも魅力の1つです。
昔ながらの木枠の窓と、モダンな家具が調和していておしゃれですね。大人気のお店でランチメニューは数量限定、予約優先なので、忘れずに予約を入れておきましょう。
ランチメニューの主役は、明日香村の新鮮食材。野菜だけでなく、お米、豆腐、醤油も村産にこだわっています。内容は2週替わりなので、どんな料理が食べられるかはお楽しみ!
明日香の里の果物などを使ったスイーツや、コーヒーなどの喫茶店メニューも充実しています。中でも旬の果物を使った「季節のパフェ」が大人気で、味にも見た目にもうっとり。こちらもぜひチェックしてみて!
cafe ことだまの詳細情報
cafe ことだま
飛鳥、岡寺、橿原神宮前 / カフェ、レストラン
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村岡1223
- 営業時間
- [月] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [火] 定休日 [水] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [木] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [金] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [土] 10:00 - 18:00(L.O. 17:30) [日] 10:00 - 18:00(L.O. 17:30) [祝日] 10:00 - 18:00(L.O. 17:30) ■ 定休日 第三水曜 (祝日の場合は問い合わせ)
- 定休日
- 火曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
聖徳太子と蘇我馬子が仏教を広めようと発願して建立した、日本最古の本格仏教寺院です。ご本尊は、飛鳥時代特有のアーモンド型のすっきりとした目が印象的な釈迦如来像。「飛鳥大仏」と呼ばれ、1400年以上もこの地に優しい眼差しを向けてきた、日本最古級の仏像です。
近くで見ると、やっぱり東大寺や鎌倉の大仏様とはお顔立ちが違いますね。修復の跡や螺髪の欠損など、少々お気の毒な姿ではありますが、ありのまま在るって素敵なことなのかも。おだやかな微笑みは癒しの御利益がいっぱいです。
安居院(飛鳥寺)の詳細情報
安居院(飛鳥寺)
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村飛鳥682
- アクセス
- 橿原神宮前駅 バス 17分 飛鳥大仏前下車
- 料金
- 【料金】 大人: 350円 大学生: 350円 高校生: 250円 中学生: 250円 小学生: 200円 備考: 団体割引30名以上
飛鳥寺前にある「大佛屋(だいぶつや)」は、飛鳥らしい素朴なお土産が揃うお店。中でも興味深いのは、“飛鳥時代のチーズ”といわれる「飛鳥の蘇(あすかのそ)」です。口に入れるとちょっぴり苦味があるのですが、その後で乳製品のほのかな甘みがほんわりと広がってきます。
そのまま食べてもおいしいですが、カマンベールチーズのようにハチミツと合わせてパンと一緒に食べたり、干し柿の天ぷらと合わせたり、すりおろしてスイーツにかける……なんておしゃれな食べ方も♪ アレンジが楽しそうです!
大佛屋の詳細情報
日本最古の歌集「万葉集」。百人一首に選ばれている和歌も多いので、知らずに覚えている歌もあるはず。そんな万葉の世界をモチーフにした日本画やジオラマ展示を楽しめるのが「奈良県立万葉文化館」です。古代の人々の文化や暮らし、思いを感じられる施設となっています。
鑑賞後は館内のカフェ「カリオン(CURRYON)」で休憩を。明日香野菜を使ったカレーや華やかなスイーツを楽しめますよ!万葉の時代を感じるグッズや書籍が充実したミュージアムショップも魅力的♪ また例年秋頃に開催される「にぎわいフェスタ万葉」では、飛鳥美人のような衣装試着体験や、日本最古の鋳造銭「富本銭」を作る体験などが開催されます。当時の文化を身近に感じられるはず!
奈良県立万葉文化館にきたら、ぜひ周囲も散策してみましょう。竹林の奥には、ミステリアスな溝が掘られた「酒船石(さかふねいし)」があります。お酒を造るために使われたという伝説がありますが、詳細は不明。古代のミステリーにワクワクしますね。
奈良県立万葉文化館の詳細情報
奈良県立万葉文化館
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村飛鳥
- アクセス
- 橿原神宮前駅東口 バス 30分 万葉文化館西口下車
- 料金
- 【料金】 大人: 600円 大学生: 500円 高校生: 500円 中学生: 300円 小学生: 300円 備考: 団体割引20名以上
カリオンの詳細情報
カリオン
岡寺、飛鳥、橿原神宮前 / カレー、カフェ
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村飛鳥10 奈良県立万葉文化館館
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30) [水] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30) [木] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30) [金] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30) [土] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30) [日] 10:00 - 17:30(L.O. 16:30)
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
酒船石の詳細情報
酒船石
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村岡
- アクセス
- 橿原神宮前駅 バス 25分 岡天理教前下車 道路工事の事情により「岡天理教前」バス停が使えなくなる時期がございます。その場合は「万葉文化館」バス停をご利用ください。詳細は奈良交通(株)へお問い合わせください。
板蓋宮(いたぶきのみや)は、かつて皇居でした。時の権力者蘇我入鹿(そがのいるか)が、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)の策略に倒れた、「大化の改新」の始まりの場所でもあります。
一部復元されているものの、現在はほとんど地中に保存されているそうです。日本の歴史が変わるような一大クーデターが起きた場所でありながら、今は何もない……。だからこそ、思う存分空想と想像を広げられるのではないでしょうか。
近くには蘇我入鹿の首塚もありますので、敗者へも敬意を持って訪ねてみてくださいね。
飛鳥宮跡(伝飛鳥板蓋宮跡)の詳細情報
飛鳥宮跡(伝飛鳥板蓋宮跡)
- 住所
- 奈良県高市郡明日香村岡
- アクセス
- 橿原神宮前駅 バス 30分 岡天理教前 道路工事の事情により「岡天理教前」バス停が使えなくなる時期がございます。その場合は「岡橋本」バス停をご利用下さい。詳細は奈良交通(株)へお問い合わせください。
蘇我入鹿首塚の詳細情報
1400年も昔の人々の営みが息づいている明日香村。数々のドラマが繰り広げられた土地ですが、今はのんびりとした雰囲気に包まれています。激動の歴史は、時の流れに浄化されていくものなのかも知れませんね。逞しく優しい空気に満ちた飛鳥での旅が、あなたの明日の活力となりますように♪