2016年05月04日
有名どころから隠れた名刹まで!奈良のお寺巡りにおすすめ10選
奈良と言って思い浮かぶものと言えば何をおいてもお寺が真っ先に出てくる人も多いはず。奈良県では1400寺を超える数のお寺があります。奈良を訪れる観光客も旅のルートにいくつかのお寺を組み込むのは常識になっています。近年は御朱印をいただくことがブームになっていることもあり、お寺を訪れる人は年々増えているんです。今回は古刹・名刹の多い奈良におけるおすすめの厳選10寺をご紹介します!
日本で最も古い本格的寺院や世界最古の木造建築など、奈良県は日本が国として成立してきた最初期のエリアであるだけに、古く由緒ある名刹・古刹が非常に多い県となっているのは既に周知の通りです。修学旅行で訪れたという人も多い奈良県ですが、修学旅行で足を運ぶのは有名なお寺がやはり多いですよね。ただ大人になって再訪すると、有名なお寺でも当時と異なる見方や見どころを見つけられるもの。今回は修学旅行でお馴染みの有名なお寺から、ちょっとディープな隠れた名刹まで選りすぐりの10寺をご紹介していきますよ!
東大寺は華厳宗大本山となる寺院で、別名を金光明四天王護国之寺とも言います。奈良時代に疫病や飢饉が相次いだことに胸を痛めた聖武天皇が国力を尽くして建立したお寺。創建当時から現代に至るまで広く篤い信仰を集めており、日本の仏教文化をはじめ多方面の文化に大きな影響を与えてきた寺院でもあります。東大寺建設と並行して建設された日本全国60余か国にある国分寺の中心をなるお寺でもあり、総国分寺と位置付けられています。
法相宗の大本山である興福寺は南都七大寺の1つに数えられる寺院で、藤原氏の始祖である藤原鎌足とその子である藤原不比等ゆかりの寺院です。藤原氏の氏寺でもあり、興福寺の勢力は古代から中世にかけては絶大なものだったと考えられています。
華厳宗の寺院である新薬師寺は、光明皇后もしくは聖武天皇が創立者=開基と伝えられている寺院です。奈良時代には南都十大寺のうちの1つでもあった規模も勢力も大きなお寺でした。薬師という名前がある通り、ご本尊は薬師如来様です。その眷属(けんぞく)である十二神将が薬師如来像を囲うようにお立ちになっています。十二神将のうち迷企羅大将像(めきらだいしょうりゅうぞう)は教科書に掲載されることも多く、500円切手のデザインにもなったのでご存知の人も多いと思いますよ。
法相宗の大本山である薬師寺は、南都七大寺の1つに数えられる大規模な寺院で、ご本尊は薬師如来様です。創建当初の薬師寺は、飛鳥の藤原京に存していました。現在の薬師寺は平城京遷都後に移転してきたものになります。薬師寺建立の由来が、天武天皇の正妻であった鵜野讃良皇女(うののさららのひめみこ)の病気平癒への発願であったため、今でも病が治るようにと参拝する人が多くあります。
唐招航海技術の未発達な奈良時代当時、唐から日本へ渡航するのは命がけでした。5度の失敗を乗り越え、失明をしながらも日本に戒律の制度を確立するために渡日した鑑真が晩年を過ごした寺院が唐招提寺です。井上靖の小説『天平の甍』で一般に広く知られるようになった寺院でもあります。唐招提寺の名前を分解すると唐は国名、招提は私寺を含む仏教寺院を指す言葉であったので、唐招提とは唐から来た人=鑑真のためのお寺という意味になるんですよ。
秋篠寺は奈良時代末期に平城京西北の地である秋篠に建立されたことからこの名前がついたと言われています。伽藍の大部分は平安時代末期に戦火で焼失し、鎌倉時代に現在の本堂が再興されましたが、当時の金堂や東西の両塔跡は雑木林になっています。静かな雰囲気がリピーターに愛される寺院で、重要文化財に指定されている伎芸天像は東洋のミューズと言われ古美術愛好家をはじめ多くの芸術家や芸能人にも愛されています。
真言律宗の寺院である海龍王寺は、光明皇后宮(藤原不比等邸宅跡)の北東隅に建立されていたことから隅寺の別称があるお寺。本尊は十一面観音様で木造の観音像は重要文化財に指定されています。海龍王寺は建立された奈良時代当時には、小規模ではありますが3つの金堂をもつ立派な寺院であったことがわかっています。現存する西金堂は位置や規模は奈良時代のままに、多くの修理を受け、主要な部分はほとんどが鎌倉時代のものに代わっていますよ。
歴史の教科書でもおなじみの法隆寺は別名斑鳩寺(いるかでら)とも呼ばれるお寺で、周知の通り、法隆寺五重塔を含む西院伽藍(さいいんがらん)は世界最古の木造建築群として大変有名です。法隆寺は聖徳宗の総本山であり、聖徳太子にゆかりの深いお寺としても有名ですよね。夢殿を中心として西院伽藍と東院伽藍に分けられ、境内の広さは約18万7千平方メートルにも及びます。
現在は法隆寺に隣接している中宮寺は、聖徳太子ゆかりの寺院で聖徳宗に属する寺院。法隆寺に比べて参拝客で混雑することが少ないので、ゆったりと参拝することができます。本尊は如意輪観音様で、木造菩薩半跏思惟像(もくぞうぼさつはんかしゆいぞう)は国宝にも指定されています。建立当時は現在の場所から400mほど東にあったとされており、現地に移転したのは江戸時代前期のことと伝わっています。
日本最古の本格的仏教寺院として歴史を刻んできた飛鳥寺は、蘇我氏の氏寺で開基は蘇我馬子と言われています。現在の宗派は真言宗豊山派です。本尊はいわゆる飛鳥大仏=銅造釈迦如来坐像でそもそもは止利仏師(とりぶっし)の作とされている像です。ただ長い時代を経ているので損傷がはげしく、後世に多く修繕をされています。
多くの寺院を擁する奈良県は、四季を通して観光客の多い場所でもあります。ただ他の歴史的観光地と比較しても、当時のままの姿で残るエリアなどが多く、建造物を含め当時の風をより体感できる場所でもあります。特に飛鳥時代や天平時代など古代日本の面影を残す建造物が建つエリアは、今でもゆったりとした時間が流れており、静謐な寺院に身を置くと心身が洗われること間違いありません。