【徳島の秘境紹介！】祖谷のかずら橋と奥祖谷二重かずら橋

そもそも「かずら橋」というのは、蔓（つた）類で作られた原始的な吊り橋のこと。その中でも特に有名なのが、徳島県三好市西祖谷山（いややま）村にある「祖谷のかずら橋」です。祖谷のかずら橋は、「シラクチカズラ」という植物を編み連ねて作られています。また、国指定重要有形民俗文化財に指定されており、日本三奇橋のひとつとしても有名です。

「祖谷のかずら橋」の歴史は古く、古文書によると1646年に7つ存在していたと記録されています。またその起源は、空海が困っている村民のために架けたものだとか、平家の落人が追っ手がきてもすぐに切り落とせるよう架けたものなどといわれています。かつては祖谷川の各所にいくつも架けられていたそうですが、現在残っているのは「祖谷のかずら橋」と「奥祖谷二重かずら橋」の2つのみです。

シラクチカズラで作られた吊り橋は、隙間から下の川が見え、一歩踏み出すたびにユラユラと揺れスリル満点！落ちないか不安になってしまいますが、3年毎にきちんと架け替えが行なわれていますので安全です。普段はなかなか体験できないスリルを、ぜひ味わってみてください。

橋そのものだけでなく、四季折々の美しさを楽しめる抜群のロケーションも魅力です。春は華やかな山藤が咲き、夏は新緑が爽やかに輝きます。秋は紅葉に染まり、冬になると幻想的な雪景色に。四季それぞれで違った美しさを見せてくれます。

せっかく「祖谷のかずら橋」に行くなら、さらに奥にある「奥祖谷二重かずら橋」まで足を延ばすのがおすすめです。「祖谷のかずら橋」から車で約1時間ほどかかりますが、観光客が少なくより秘境感が味わえます。また「奥祖谷二重かずら橋」というのは、「男橋」と「女橋」という2つの橋の総称です。

男橋は高さがあり、かなりスリリング。女橋は男橋より小さいですが、うっそうと木が茂りワイルドな雰囲気です。周囲には原生林が広がり、豊かな自然の美しさが魅力的な場所です。

「奥祖谷二重かずら橋」でぜひおすすめなのが、女橋にある人力ロープウェイの「野猿」です。籠に乗りロープをたぐり寄せながら、対岸まで進みます。なかなか体験できない、とてもおもしろい乗り物ですよ。

祖谷のかずら橋周辺には、おいしいグルメを楽しめる場所もあります！かずら橋から車で数分の距離にある「祖谷美人」では、美しい祖谷渓谷を眺めながら食事をすることができます。

もちろんおそばもおいしいのですが、今回は郷土料理「でこまわし」をご紹介！でこまわしとは、里いもやじゃがいも、こんにゃく、豆腐などを串に刺し、ゆず味噌を塗って焼いた田楽のこと。甘くてコクのあるゆず味噌が、クセになるおいしさです。

もうひとつご紹介するお店は、かずら橋のすぐそばにある「滝美食堂」です。滝美食堂の近くには「琵琶の滝」があり、この滝を眺めながら食事をすることができます。滝のマイナスイオンを浴びながら食べる食事は、よりおいしく感じますよ。

「滝美食堂」では、アメゴやアユなどの新鮮な川魚の塩焼きを食べることができます。アメゴは徳島でよくとれる川魚で、他の地域ではアマゴと呼ばれるのだとか。クセがなく、とても食べやすい魚です。

徳島の秘境、「祖谷のかずら橋」についてご紹介してきましたが、いかがでしたか？他の場所ではなかなか見ることのできない、原始的でスリル満点の吊り橋。まるで昔にタイムスリップしたかのような気分になれそうですね。さらに奥へ進めば、より深い緑に囲まれた「奥祖谷二重かずら橋」もあります。日本三奇橋のひとつでもある非常に珍しい橋ですので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。