【関東】宿泊できる古民家おすすめ11選｜心やすらぐ非日常の旅を

東京の都心部にいると自然を感じることは少ないかもしれません。しかしほんの少しだけ足を延ばしてみると、のどかな風景が広がり、心が洗われるような場所に出会うことができます。どっしりとした古民家に木々のそよぎが聞こえる広い庭、囲炉裏のあるお部屋でいつもと違う時間の流れに身を任せてみましょう。

関東地方には、住んでいた人の職業や立場によって形が違う古民家が残っています。気候や風土が似ていても、社会的に決められた形式の家に住む人が大勢いたという歴史の背景を感じられる古民家宿が多いんです。ここでは3種類の古民家をピックアップ。歴女ならずとも、古民家の背景が気になるお家ばかりです。

関東の古民家を知って、より歴史を感じながら泊まりましょ♪

甲州エリアや東京都西多摩郡などに今も残る「兜造り（かぶとづくり）」は、屋根の一部が飛び出しているような形をしており、その見た目がまさに兜に似ている事から名づけられた古民家です。合掌造り（がっしょうづくり）のお家で、屋根の飛び出している部分に中二階、中三階があり、ここでカイコを育てて繭を作り、絹糸にしていました。とくに養蚕業の発達した江戸時代に、より多くのカイコを育てるために発達した古民家です。

「豪農の家」は、江戸時代以降に登場する経済的に豊かな農家の古民家です。江戸時代の中期以降には好景気のおかげで財産のある農家が増えてきました。庄屋をつとめる豪農の家では、障子の引戸や縁側、畳の座敷など、豪華な居住空間が登場。ちなみに畳は日本では平安時代から作られていましたが、豪農の家に取り入れられたのは江戸中期以降のことです。

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「代官屋敷」とは、大名・幕府の領地を代わりに管理する役職「代官」が住んでいた古民家です。いくつもの村を管理する仕事についていた代官は、地方における重要な役職。今でも東京都内の世田谷区には「大場代官屋敷」が残っており、「主屋（おもや）」と呼ばれる母屋部分には「式台（しきだい）」や「役所の間」のほか「切腹の間」など、代官屋敷が公的機関だった名残があります。

出典：うえっち569さんの投稿

関東の古民家は歴史を感じる建物が多く、重厚さと同時にとあたたかさを感じます。広い庭や蔵の残る古民家もあり、敷地内の散策も楽しみ。今回は県別におすすめ古民家宿を10軒ご紹介します♡週末のプチ旅行で、昔へタイムスリップしませんか。

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「庄や山口（しょうややまぐち）」は、JR「水戸駅」より車で約30分の旅館です。大正時代に建てられた築100年あまりの母屋（おもや）と、築約90年の蔵、築約50年になる離れの3つの客室がありますよ。母屋には囲炉裏もあり、古民家らしい重厚感とほんわかした温かさを感じられます。

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こちらの宿は客室に「五右衛門風呂（ごえもんぶろ）」がついています。「五右衛門風呂」とは、薪を燃やすカマドの上に鉄釜をおき、下から火を焚いて、直接お湯を沸かすお風呂です。入るときは、湯船に浮いている板を踏んで足元が熱くないようにします。最近ではなかなかお目にかかれないお風呂で、レトロな気分にひたりましょう♪

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こちらの宿は、素泊まり・1泊朝食付から宿泊プランが選べます。朝食は、母屋の個室でゆったといただけますよ。日頃の喧騒から離れて、風の音や鳥のさえずりを聞きながら、爽やかな朝が過ごせそうですね。

「揚羽（あげは）」へは、野岩鉄道「湯西川温泉（ゆにしがわおんせん）駅」から車で約20分。日光国立公園の中にある温泉旅館です。存在感のある門は、新潟県の上杉謙信ゆかりの寺院から譲り受けた江戸時代のものなんだとか。敷地内には湯巡りが楽しめる10種類の露天風呂のほか、鎧やかぶとなど約1000点にも及ぶコレクションが並ぶギャラリーも。建物に一歩入っただけでまるで別世界の雰囲気を味わえますよ。

客室のコンセプトは、古都日光を思わせる“究極の武家屋敷”。かつての武士が住居として使用していた特色を残しながら、最新の設備を整えた快適な空間です。写真の「特別室」は1日3組限定のお部屋。囲炉裏や昔ながらの調度品に囲まれて、タイプスリップした気分にひたれますよ。

出典：asakusa777さんの投稿

お風呂は源泉掛け流し。なかでも10種類の露天風呂は、湯質も見晴らしも女性に好評です。自家源泉は2本もあり、pH値9.2のアルカリ性単純温泉。美肌の湯とも呼ばれていて、つるすべ肌に近づけそうですね。

「横手館（よこてかん）」は、名湯・伊香保温泉（いかほおんせん）にある老舗温泉旅館です。JR「渋川駅」から車で約20分のアクセスですよ。元禄時代から旅籠*として営業を始めたという長い歴史があり、「本館」は大正9年に建築されたもの。今では見られないような、総ヒノキ造りの4階建て木造建築です。「国の登録有形文化財」に指定された古式ゆかしい正統派旅館で大正ロマンの古民家旅を味わいましょう。

*旅籠（はたご）･･･江戸時代の宿駅などで武家や一般庶民を宿泊させた食事付きの宿屋

「本館西棟」の客室は全14室。書院造を基本とした、簡素でありながら優美な作りです。それぞれの客室は意匠や細工が異なり、どのお部屋に泊まっても味わい深い雰囲気が楽しめます。長い年月が経ち、あめ色にかわった柱も。お宿の歴史に思いを馳せて。

館内には貸切風呂と大浴場があります。どちらにも、奈良時代末期から湧き続けている黄金色の伊香保（いかほ）のお湯が、かけ流しにされています。ヒノキ造りの貸切風呂はプライベート感満載で女子旅におすすめ。ゆったりと温泉につかって良質な温泉を堪能してくださいね。

自然に囲まれた古民家に泊まりたいならJR「沼田駅」から車で約30分の「悠湯里庵（ゆとりあん）」へどうぞ。のどかな田園風景の中に佇む、かやぶき屋根の源泉湯宿です。駅からの無料送迎バスもあるので、車移動ができなくても安心◎有料でレンタサイクルもあるので、田んぼ道を散策してみるのもおすすめです。

客室はテラスと露天風呂のある本館と、モノレールで移動する別館に分かれています。写真は本館にある「胡桃（くるみ）の間」。囲炉里あるスペースとは別に、和室2間と内湯がある広々としたお部屋です。露天風呂にはテレビも設置されていて、日本の情緒を感じながら快適にリラックスできますよ。

市街地から離れた場所での宿泊は、お食事が心配な方も多いですよね。でもこちらお宿には、敷地内に2つのお食事処があるので大丈夫。夕食には地産地消の素材で作られる、全11品の会席料理がいただけます。上州牛や最高級のニジマスを使った豪華なコースもあるので、お好みに合わせて選んでくださいね。

古民家と言えば、かやぶき屋根をイメージされる方も多いのではないでしょうか？「薬師温泉旅籠（やくしおんせん はたご）」はそんなかやぶき屋根の住居を、山形県や栃木県など全国各地から移築して集めたお宿です。かやぶき屋根の客室やお食事処が並ぶ敷地は、ノスタルジックな雰囲気を楽しめますよ。JR「中之条（なかのじょう）駅」から車で約40分。予約制で1日2本の無料送迎バスも利用可能です。

客室は「せせらぎ館」と「やすらぎ館」に分かれた、全7室。それぞれの客室には古民具が飾られていて、不思議と懐かしい気持ちにさせてくれます。写真の「塚原宿タイプ」のお部屋は、囲炉裏の間とロフトがある贅沢な造りのお部屋。他に半露天風呂付き客室や絶景が見える角部屋もあるので、お部屋選びも楽しめますね。

敷地内には、毎朝手打ちされるお蕎麦がいただける「蕎麦匠房 まくらぎ」があるんです。宿泊客だけでなく、お蕎麦を楽しみに食事のために訪れる方もいるとか。数量限定十割そばや、群馬県産の「赤城鶏つけ汁蕎麦」は、旅の思い出に残るお食事になりそう。

「宮本家（みやもとけ）」は、秩父鉄道「秩父駅」から車で約20分。のどかな景色が残る小鹿野町（おがのまち）にある旅館です。広い敷地を持つ純和風の農家屋敷は、築約200年。現在で12代目を数える旧家をリノベーションしたものです。くつろぎの古民家滞在を気軽に楽しめます。

こちらには五右衛門風呂スタイルの「大釜風呂」があります。昔ながらの薪でお湯を沸かすお風呂で、大きな鉄窯は木造の床にうめ込まれています。客室にもお風呂がありますが、古民家旅なら断然こちらを体験しましょう。古いタイプのお風呂なので洗い場はなく、別にシャワーブースを設置してあります。このあたりの水回りの配慮は、女子には嬉しいポイントです。

敷地内の蔵は「蔵Bar」になっています。「蔵Bar」には約50種類の食前酒があり、梅やラズベリーやゆずなどの果実酒などが味わえます。夕食前に自家製の食前酒をいただいて、心ほぐれるひと時を過ごせますね。タイミングがあえば、12代目当主がバーにいることも。実は12代目は元幕内力士なんだとか！

出典：ｋａｍｉｋｉｔａｈｏｉさんの投稿

「竹林奏（ちくりんそう）」は、JR「勝浦駅」から車で約15分、南房総の山の中にある旅館です。約1500坪の敷地に大きな母屋と蔵を改装した離れがあり、1日2組限定の古民家宿。とても静かな環境で、日常とは切り離されたのんびりした時間にひたる旅を味わえます。

出典：Yukino Naraさんの投稿

母屋には、竹林を眺める檜風呂と、16畳の広い寝室がついています。グループでも泊れますし、女子2人旅でも貸切OKという豪快な客室です。朝は竹林がそよぐ音で目が覚める体験も出来ちゃいます。

出典：ありす。。さんの投稿

蔵を改装した離れも貸切なので、他の人を気にせずにのんびりとすごせます。緑あふれる敷地の中を、風が竹を抜けてゆく音を聞きながら歩いていくのも一興。下駄をはいてカランコロンといってみましょう。

「佐原商家町ホテルNIPPONIA（さはらしょうかまちホテルニッポニア）」は、JR「佐原駅」から車で約5分。千葉県内の有名観光地、江戸の街並みが残る「佐原（さはら）」にあるお宿です。「重要伝統的建造物群保存地区」の中にある4か所の古民家から選んで泊まり、県の有形文化財でもあるカフェでティータイム。「佐原」の町にどっぷりとつかる旅はいかがですか。

3つある宿泊棟のひとつ「AOI（あおい）棟」は、小野川沿いに建つ昭和初期の建物です。元は料亭で、今も粋な雰囲気が残る古民家です。1棟貸切が叶う客室なので、周りの目を気にせずに寛げますね。

写真の宿泊棟「YATA（やた）棟」は、明治期の古民家。母屋に土蔵、倉庫の3棟があり、それぞれ4人まで泊まれます。どれも古い建物ですが、水回りはリフォーム済み。初めての古民家旅でも気になりません。

出典：耶馬英彦さんの投稿

「山城（やましろ）」へはJR「武蔵五日市（むさしいつかいち）駅」から車で40分。東京の奥座敷である檜原村（ひばらむら）にある旅館です。「兜造り（かぶとづくり）」という特徴的な屋根の建物は、築400年以上。建物全体が国の「登録有形文化財」に登録されているという伝統のある宿で、のんびりと過ごしてみましょう。

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客室内の天井や柱、建具（たてぐ）などは古いものをそのまま使用しているため、趣のある雰囲気。トイレや洗面などの水回りは2009年のリニューアル時に作り変えました。お風呂も専用の貸切風呂ですから、きれい好き女子も納得の宿です。

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食事は山菜や川魚、地元の「秋川牛（あきかわぎゅう）」、自家製こんにゃくなど秋川渓谷のおいしいものが勢ぞろい。村の特産品である「檜原舞茸のホイルバター包み焼き」もいただけますよ。古民家の雰囲気あふれる個室の食事処で、秋川グルメを味わいましょう。

出典：fat-takaさんの投稿

自然を感じる古民家ステイにしたいなら、「兜家（かぶとや）旅館」へ。西東京バス「数馬（かずま）」バス停から徒歩約10分。檜原村に佇む「兜造り」の母屋は、築250年以上の歴史ある建物です。お宿から「九頭龍の滝（くずりゅうのたき）」へは徒歩約5分のアクセス。お散歩がてら、滝の音を聞いてリフレッシュしてくださいね。

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客室は本館と新館に分かれています。浴槽付きや囲炉裏付きの客室があり、お好みのスタイルから選べますよ。和の文化を思いっきり楽しむなら、自分の浴衣を持ち込んで宿泊できる「MY浴衣・プラン」がおすすめ。古民家での宿泊をきっかけに、眠っていた浴衣で記念写真を撮るのもいいですね。

出典：kym3999さんの投稿

お食事は宿泊するお部屋によって選べるコースが異なります。「山菜料理＆ジビエ・鹿肉のしゃぶしゃぶコース」や「山菜料理＆ジビエ・猪鍋コース」などがあるので、選べるお食事のコースからお部屋をチョイスするのもいいかも。約20種類の日本酒と合わせて山菜やヤマメなど、山のグルメを堪能しましょう。

「塔の沢一の湯本館（とうのさわいちのゆほんかん）」は、箱根登山鉄道「塔ノ沢（とうのさわ）駅」から徒歩約5分の温泉旅館。創業以来390年以上続く老舗旅館ですよ。早川渓谷沿いにある木造の「四層数寄屋造り（よんそうすきやづくり）」の建物は、2009年に国の「登録有形文化財」に指定。露天風呂付客室もあるので、温泉とともに風格ある古民家滞在を楽しみましょう。

施設内のレストランは、大正時代に作られた大広間を改装したものです。天井の木組みやシャンデリアからは大正ロマンが漂います。レトロな雰囲気の中でお食事を楽しんでくださいね。こちら4階にありますがエレベーターはありません。がんばって階段を登りましょう。

こちらの温泉は、Ph8.5のアルカリ性単純温泉です。冷え性や美肌効果があるという女性におすすめの温泉。昔から変わらない箱根の景色を眺めつつ、ゆっくりとリラックスできます。

出典：腰痛さんの投稿

関東の古民家は、日本の社会が変わってゆく経緯を表しているようなお家がたくさんあります。まったりのんびりとくつろぎつつ、歴史と伝統を感じてみませんか。