岐阜県中津川市の「苗木城跡」と名瀑目指してハイキングの旅

最近、歩くことを楽しんでいますか？通勤の人混みやビル群を歩くだけでは、なかなか楽しさを感じるのは難しいですよね。それなら、緑あふれる大自然の中でハイキングはいかがでしょう。新鮮な空気と景色に包まれて、足を踏み出すたびに喜びと達成感を感じられるはずです。

大自然のハイキングを楽しむなら、岐阜県中津川市へ。そこにあるのは、感慨深い歴史の足跡が残る「苗木城跡」や、森の中で輝く神秘的な名瀑。どんなテクノロジーよりも、エネルギッシュで生命力に溢れた環境に心を打たれるはずです。そんなハイキング旅を楽しむためのプランをご紹介します。

中津川ICから車で約10分の「苗木城跡」。国指定史跡であり、高森山の山頂に設けられた展望台からの眺めは抜群です。麓を流れる木曽川までの標高差は約170m。空に向かってそびえ立つ様は、岐阜の“マチュピチュ”“天空の城”など、様々な異名で親しまれています。山頂までの気持ちいい達成感と山中でのちょっとした冒険気分を楽しみにおでかけしませんか。

※2020年8月時点、落石のため散策道の一部が通行止めとなっています。
※春秋の限定期間のみ中津川駅から直行バスが運行します。

出典：BOW0125さんの投稿

「苗木城」の特徴のひとつは、巨岩を取り込んだ石垣。自然の地形を活かしたつくりになっているため、巨石を基礎としてその上に人工の石垣が積まれています。なかでも「大矢倉跡」では、古代遺跡を思わせるような石垣が貴重です。17世紀頃、3階建の倉庫としてつくられた跡なんだとか。はるか昔にタイムスリップしたような不思議な空気が息づいています。

上空からみた「苗場城跡」。まるで小さなマチュピチュです。秋の早朝、タイミングがあえば雲海がみられることもあるそう。人の少ない早朝をめざして神秘的な空気に包まれるのもいいですね。

「大矢倉跡」からしばらく石の階段を登ると見えてくる天守閣。山頂で待ち受けるのは、柱と貫で崖の上に建物を固定し、床下を支える懸造（かけづくり）とよばれる足場があります。京都の清水寺でも用いられている工法だそう。むき出しの岩盤と柱は、どこかスリリングな雰囲気。勇気を出してのぼってみましょう。

頂上からみえるパノラマの絶景は、息をのむ美しさ。同時に、ダイナミックな光景に吸い込まれていきそうなスリルを感じます。ここは「絶景！山城部門」第一位、「続・日本100名城」にも選ばれています。今後ますます注目が集まること間違いなしの絶景です。大人気になる前に先取りして魅力を堪能しましょう。

歴史好きなら「苗木遠山史料館」にも寄ってみて。城跡入口付近にあり、館内では資料展示をおこなっています。また、歴史的背景などを深く知りたいなら、ガイドさんに案内してもらうのもおすすめです。“生の声”を聞きながら城跡を歩けば、当時の状況に思いを馳せるエモい旅になりそうですね。

出典：ちゃごさんの投稿

お昼ごはんは、苗木城跡から車で約7分の「満天星 一休 苗木店」へ。ここは、栗のお菓子が名物の和菓子屋さんです。苗木店では茶房をかまえているため、お菓子だけでなく食事を楽しむこともできますよ。

出典：きょん(^^)/さんの投稿

おすすめは栗おこわ。もちっとした甘いご飯に、ゴロッと歯ごたえを感じる栗が贅沢に入っています。口の中でホクっと崩れる優しい食感と豊かな風味は感動もの。ハイキングで軽く運動した体に、美味しさが染み渡るのを実感できます。

出典：ishikamiさんの投稿

デザートで味わいたいのは、もちろん栗のお菓子。名物栗きんとんやイートイン限定の栗ぜんざい、どれを選んでも間違いのない美味しさです。なかでも、柔らかいお餅にそぼろ状の栗きんとんをたっぷりまぶした「くりこもち」は繊細で贅沢な一品。食べ足りないと感じたら、おみやげ用に購入することもできますよ。

お腹を満たしたら、次に向かうのは美しい森の中にある名瀑。満天星 一休 苗木店から車で約30分の「夕森公園」へ向かいましょう。ここは、キャンプ場やマス釣り場がある美しい緑と水が溢れる場所。心地よいせせらぎを聞きながら、マイナスイオン溢れる滝を目指して進みましょう。

出典：おにころんさんの投稿

公園には全部で5つの滝があり、滝巡りを楽しむことができます。園内の総合案内所から徒歩15分、最初に現れるのは岐阜県の名水50選にも選ばれた「竜神の滝」。この滝に住む白龍が突然姿を現し、天まで駆けのぼったという伝説が残る場所です。神秘的な雰囲気が溢れ、時間を忘れて見惚れてしまいそう。

約10分進むと、竜が鱗を落とした場所と言われる「忘鱗の滝」がお目見え。さらに20分進むと「銅穴の滝」に到着。東屋があるのでひと休みしましょう。そこから約25分歩くと、激しい飛沫を立てる「アゼ滝」に出合えます。「アゼ滝」は、滝壷までの全容が確認されていないといわれる神秘の滝。ミステリアスでどこか神々しささえ感じます。

総合案内場を出発してから約1時間30分、最後に出現するのは「一ツ滝」。遠目では繊細な白糸のように見えますが、近づくにつれて迫力は満点。落差18mを流れ落ちる水音が耳に迫ります。勢いよく流れ落ちる滝は、潔さすら感じられる絶景。最後の滝までたどり着いた達成感も相まって、心が浄化された気分になりますよ。

出典：のそのそさんの投稿

昼食後のもうひとつのおすすめコースは、満天星 一休 苗木店から車で約35分の場所にある「付知峡」。ここは、美しく澄んだ空気に包まれた森林浴のメッカです。木々や水の色は、絵画や映像作品を見ているような美しさ。幻想的な大自然の世界を肌で感じることができますよ。

出典：しん_0さんの投稿

渓谷を流れる水は、見る人の足をとめる美しさ。木々の緑やその間からのぞく空の色を吸い込んだように、幻想的な発色を見せてくれます。きっと、この光景だけでも旅に出た価値を十分に感じられますよ。

出典：近江源氏さんの投稿

「付知峡」にはふたつの滝があります。ひとつはエメラルドグリーンの滝壺で有名な「不動滝」。もうひとつの仙樽滝に向かう途中には、スリル満点の吊り橋があります。同時渡れる定員は3名まで。人がすれ違うことも難しい幅で、緊張感たっぷりです。アトラクション感覚で、ぜひトライしてみてくださいね。


※吊り橋は渡れますが、仙樽滝に近づく遊歩道は落石の危険があるため2020月8月時点では閉鎖されています。

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ハイキングのクライマックスは、体を癒しに温泉へ。夕森公園から車で約25分、付知峡からは車で約10分の場所にある「付知峡倉屋温泉 おんぽいの湯」へ向かいましょう。ここは、付知峡の秘湯とよばれる天然掛け流し温泉。桧風呂からフィンランドサウナまで約10種類のお風呂とサウナを楽しめます。地元客に混ざって、まったり癒しの時間を過ごしましょう。

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温泉にゆっくり浸かる時間がないかも…。そんなときは「道の駅 花街道付知」がおすすめです。無料で利用できる足湯が用意されているので、時間がなくてもサッと楽しめます。歩き疲れた足が、じんわりと癒されていくのを実感できますよ。

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地元の名産品をはじめ、お土産物もたくさん揃っています。箱入りのしっかりとした銘菓から、気軽につまめるご当地菓子まで品揃え豊富です。今日一日オフにしていた心のショッピングモードをオンにして、素朴なお菓子にほっこりしましょう。

美しい絶景や澄み切った空気、マイナスイオン溢れる空間。それから、壮大な自然ならではの迫力とスリル…。岐阜の大自然のなかには、驚くような感動や発見がたくさんあります。心のどこかで毎日を退屈に感じたときこそ、きっとその魅力を最大限に感じられるはず。今週末は、都会を脱出して岐阜の森へハイキング旅へ出かけませんか。