2020年12月28日
【全国】松尾芭蕉の俳句が胸にしみる…「おくのほそ道」に登場する観光名所10選
江戸時代、各地を巡りながら“美しい日本の景色”を俳句に残した松尾芭蕉。その足跡と名句をたどる旅に出ませんか?代表作「おくのほそ道」には、江戸から北上し、東北・北陸をまわって、岐阜の大垣で終わる旅が描かれています。黄金に光り輝く「中尊寺金色堂」、天空の古刹「立石寺(りっしゃくじ)」など絶景スポットが目白押しなので、俳句に詳しくなくても楽しめますよ。のんびりと五・七・五をひねる「21世紀・おくのほそ道」旅に出発~♪
目次
日本で有名な“旅人”と言えば、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が外せません♪芭蕉はとにかく旅好きで、代表作「おくのほそ道」によると、「旅に出たい!」という気持ちが強すぎて何も手につかない状態だったこともあるとか…。もし芭蕉が、全国各地を縦横無尽に移動できるようになった今の日本を見たら、うらやましく思うかもしれませんね。
今回は、そんな旅人・松尾芭蕉の「おくのほそ道」に登場した全国各地の観光スポットをご紹介。芭蕉は弟子の河合曾良(そら)とともに、千住(東京都・足立区)をスタートし、そこから日光街道を北上。さらに、東北・北陸をまわり、岐阜県の大垣まで旅しました。芭蕉が訪れた場所は、行く価値があるスポットであることの証です。名句や名文を味わいながら、今も変わらずに美しい景色を見に行きませんか?
徳川家康を祀っている「日光東照宮」は、言わずと知れた観光名所。「日光の社寺」として世界遺産にも登録されている人気スポットです。松尾芭蕉はこの地で「あらたふと青葉若葉の日の光」という句を残しています。この作品には、日の光を受けて輝く“新緑”の美しさをたたえるとともに、東照宮への畏敬の念が込められているそうですよ。アクセスは日光駅からバスで7分ほど。
日光東照宮の詳細情報
日光東照宮
- 住所
- 栃木県日光市山内2301
- アクセス
- 1) JR、東武「日光」駅からバスで約10分、「西参道」下車徒歩約10分 2) 日光宇都宮道路「日光IC」から約2km
- 営業時間
- [4月〜10月] 8:00〜17:00 [11月〜3月] 8:00〜16:00 ※受付は閉門30分前まで
- 料金
- 日光東照宮単独拝観券 大人 1,300円、小中学生 450円 セット料金 (東照宮拝観券+宝物館入館券) 大人 2,100円、小中学生 770円
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“日光三名瀑”の一つである「裏見ノ滝(うらみのたき)」は、日光駅からバスで15分ほどの場所にあります。松尾芭蕉はここでも句を詠みました。駐車場から遊歩道がのびているので、その道をたどりながら滝のそばへと降りていきます。先を想像すると、ワクワクしてきますね。
芭蕉が「暫時(しばらく)は滝にこもるや夏(げ)の初(はじめ)」と詠んだスポットはこちら!高さ約45メートル、大きな岩が転がる渓谷に、白い軌跡を描いて落ちていく水が、なんとも涼しげです。俳句にある「夏の初め」とは、滝で行う夏の水垢離(みずごり:冷水を浴びる修行)のこと。滝を見ていたら、その自分も修行をしている気分になったよ♪といった意味が込められているとか。
芭蕉もマイナスイオンをたっぷり浴びて、身も心も癒されたんでしょうね。ちなみに、滝の裏には「不動明王像」が祀られていて、厳かな空気が漂っています。
裏見ノ滝の詳細情報
宮城県内にも芭蕉に縁のあるスポットがたくさん。多賀城の景勝地「末の松山」や「塩竈(しおがま)」といった古の文人たちが愛した場所を巡りながら、いよいよ「松島」へ入ります。
「おくのほそ道」の冒頭で芭蕉は、「松島の月先(まづ)心にかかりて」と述べています。つまり、松島の月を見たくて見たくて仕方がなかったんですね。その言葉通り、ここは夜景もハッとするほどの美しさ。芭蕉はここで句を残していませんが、「いづれの人か筆をふるひ詞を尽さむ(誰が詠めるっていうんだい?とてもじゃないけど言葉にできないよ)」と述べています。自分の力ではこの美しさを伝えられないと思ったのでしょうか?わざと句を残さなかったのでは?という説もあるとか。
芭蕉を絶句させた松島を、たっぷり時間をかけて堪能しましょう。夕方や早朝の景色も絶景そのもの。カメラが手放せないですよ。
松島湾の詳細情報
そんな平泉の歴史を詠んだ芭蕉の句が、「夏草や兵(つはもの)どもが夢の跡」。「ここは夏草が生い茂るのみ。義経主従や奥州藤原氏らの栄華も夢のように消えてしまった…」という切ない思いが伝わってきますね。句碑は、源義経終焉の地「高館義経堂(たかだちぎけいどう)」の入り口にありますよ。アクセスは平泉駅から徒歩15分ほど。
高館義経堂は、北上川や束稲山(たばしねやま)を見晴らせる絶景スポット♪芭蕉も眺めたであろう景色に酔いしれてくださいね。
※「高館義経堂」は2020年11月21日~2021年3月20日まで拝観を休止しています。行かれる際は公式サイトで最新情報をご確認ください。
高館(義経堂)の詳細情報
芭蕉は、平泉の「中尊寺」でも句を残しています。ここはその周辺の寺や史跡なども含めて世界遺産に登録されている人気スポット。中でも「金色堂」のまばゆさは必見です。写真の建物は、覆堂(おおいどう)で、金色堂はこの中のガラスケースに収められています。中は撮影禁止なので注意してくださいね。
その金色堂の近くに立つのが、「五月雨(さみだれ)の降(ふり)のこしてや光堂」の句碑。長い間、風雨に耐えて輝く光堂の美しさをたたえた名句です。
「中尊寺」はパワースポット好きな女子にもおすすめの旅先♪「金色堂」は金運のご利益が噂されていますし、“目”の健康のご利益が伝えられる「峯(みね)薬師堂」、厄除けや浄化などのパワーを授かるという「月見坂」、けがれのない心に生まれ変われると伝えられる「白山神社」など見所満載。また、源義経や弁慶の木像を安置している「弁慶堂」や、絶景スポット「東物見台」も見逃せませんよ。
中尊寺金色堂の詳細情報
中尊寺金色堂
- 住所
- 岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
- アクセス
- 1) 平泉前沢ICから車で10分 - 中尊寺参道入り口から徒歩で15分 2) JR東北本線平泉駅からバスで5分 一関前沢線 中尊寺バス停下車 - 中尊寺参道入り口から徒歩で15分 3) JR東北本線平泉駅からバスで10分 平泉巡回バス「るんるん」 中尊寺バス停下車 - 中尊寺参道入り口から徒歩で15分
- 営業時間
- [3月1日〜11月3日] 08:30〜17:00 [11月4日〜2月28日] 08:30〜16:30 閏年の年は2月29日まで
- 料金
- 大人 800円 金色堂・讃衡蔵 高校生 500円 中学生 300円 小学生 200円
「山寺」の通称で知られる立石寺(りっしゃくじ)は、山形県を代表する観光スポット。松尾芭蕉の名句が生まれた場所でもあります。山門から奥之院までは、800段を超える石段を登らなければなりませんが、その先には絶景のご褒美が待っています!途中で休憩をはさみながら、ゆっくり登ってくださいね。
山頂に向かう途中には「せみ塚」と呼ばれる石塚が。ここには「おくのほそ道」を代表する名句「閑(しづか)さや岩にしみ入(いる)蝉の声」の句をしたためた短冊が埋められているそうです。夏に訪れれば、句に込められた「岩にしみいるような蝉の声が、山寺の静けさをより一層感じさせる…」という思いが伝わってくるかも。
山頂の五大堂から見える景色は絶景そのもの。そもそも、芭蕉と弟子の曾良はここに来る予定はなかったのですが、人に「ぜひ!」とすすめられたので立ち寄ったのだとか。二人とも「来てよかった~!」と叫んだかもしれませんね。
宝珠山立石寺の詳細情報
今は、舟下りができるスポットとして人気があります。山形県・古口(ふるくち)港から出ている「最上峡芭蕉ライン」に乗れば、船頭さんの舟歌を聴きながら、1時間ほどかけてのんびりと船旅を楽しめますよ。一人でも利用できますし、乗ってきた車を下船ポイントまで届けてくれる便利なサービスもあります。乗船場へのアクセスは、古口駅より徒歩5分ほど。料金や時間、予約方法など詳細については公式サイトで確認できます。
最上峡芭蕉ライン観光の詳細情報
芭蕉は、“本合海(もとあいかい)の渡し”という場所から庄内まで船で下っていきました。現在は、「芭蕉乗船の地」の近くに大きな橋が架かっており、芭蕉と曾良が空を見上げている像が立っています。最上川の速い流れは、私たちのようにハイスピードに慣れていない江戸時代の人にはスリル満点だったかもしれませんね。アクセスは「本合海寺前」のバス停から徒歩1分ほど。先ほど紹介した「古口港」からは車で12分ほどです。
八向山と芭蕉乗船の地の詳細情報
芭蕉は、現在の山形県・酒田から新潟県へと向かいました。途中、夏バテのような症状で旅の疲れも出たようです。体調が悪いと、気分もナーバスになるもの。そんな時に新潟県・出雲崎で詠んだのが「荒海(あらうみ)や佐渡に横たふ天河(あまのがは)」の句です。日本海の荒波、遠くに見える佐渡島、天の川…なんだか荒涼とした景色が目に浮かびますね。諸説ありますが、この句は実際の景色というよりも、芭蕉の“心象風景”を詠んだものだと考えられているそうですよ。
芭蕉園の詳細情報
那谷寺の詳細情報
那谷寺
- 住所
- 石川県小松市那谷町ユ122
- アクセス
- JR小松駅 車 20分 JR加賀温泉駅 車 15分 JR加賀温泉駅 バス 25分 加賀周遊バスキャンバス利用
- 料金
- 【料金】 大人: 600円 特別拝観は+200円<幼児・小学生は無料> 小学生: 300円 幼児: 0円 無料
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大垣市奥の細道むすびの地記念館の詳細情報
大垣市奥の細道むすびの地記念館
- 住所
- 岐阜県大垣市船町2-26-1
- アクセス
- 【公共交通機関】JR大垣駅・駅前4番のりばから名阪近鉄バス「奥の細道むすびの地記念館前」バス停下車、約7分・養老鉄道 西大垣駅下車約14分 【車】名神高速道路 大垣ICから約12分(約5.3km)