大崎下島へレトロトリップに出かけましょ。おすすめ観光＆グルメスポット8選【広島県】

広島県の竹原港から高速船で約45分。瀬戸内海に浮かぶ「大崎下島(おおさきしもじま)」は、村上春樹原作映画「ドライブ・マイ・カー」の舞台としても登場した、のどかな景色を楽しめる島。かつて潮待ちの港町として栄えた御手洗地区には、江戸時代の町並みが今も残り、まるでタイムスリップしたみたいに。レトロ可愛いスポットや、おだやかな海を眺めながら味わう地産地消グルメが、日々の疲れを癒してくれます。

大崎下島のおだやかな時間をさらに満喫するなら、スマホは電源OFF、時計もせずにデジタルデトックスの旅にしましょう。大崎下島のレトロな町並みを気の向くままに歩いて、いろんな小道や施設を覗き、カメラで写真を撮ったり…。気になるお店でカフェタイムを過ごすのも素敵。レトロな町並みで昔にタイムスリップ気分でのんびり過ごしましょ。

御手洗港から歩いてすぐの場所に「御手洗町並み保存地区」があります。ここはかつて、風待ちや潮待ちの港町として栄えていました。通りを歩いていると目に入るのは、今では珍しいレトロな建物や看板たち。軒を連ねる家々は、江戸時代から昭和初期の面影を残し、趣たっぷりです。

ふと立ち止まると、絵になるどこか懐かしい風景がいっぱいで、まるで時間が止まったみたい。詳しい情報を知りたい人は、地元ボランティアガイドさんによる有料案内を利用することもできます。ちなみにこの町並みは、2012年公開の映画「ももへの手紙」で架空の島のモデルとしても登場したんですよ。

出典：ジュニアーズさんの投稿

御手洗地区のメインストリート・常盤町通りのほぼ真ん中にあるのは、「潮待ち館」。御手洗港からも近く、パンフレットや地図が置かれているので、御手洗地区を散策する前に立ち寄って、全体の見どころをチェックしましょう。柑橘類のジャムやひじきなど島の特産物や、オリジナル雑貨も扱われているのでお土産選びにもおすすめです。

出典：風太くんさんの投稿

レトロ可愛い店内では物販のほか、カフェスペースもあるので休憩もできます。喫茶メニューには豊町の大長みかんなど柑橘類をたっぷり使ったドリンクがあるから、ビタミン補給でリフレッシュしつつ、地産地消グルメも味わえて◎。夏には冷たいかき氷も登場します。町歩きのちょっとした休憩にいかが。

潮待ち館から徒歩約2分の「乙女座」。昭和12（1937）年に劇場として建設され、戦後も昭和30年代まで町の映画館として親しまれていました。その後、選果場へ転用されましたが、2002年には往時の姿に復元。レトロ可愛い外観に心ときめきます。

モダンな佇まいの乙女座ですが、館内は畳敷きという和の風情たっぷりの空間。細かな意匠や昭和を感じる映画のポスターが、古き良き時代を楽しませてくれます。花道に奈落、2階にある桟敷席など、ふだんはなかなか目にできない舞台の裏側を探検しましょう。乙女座の裏、海沿いの通りに面した場所にある「江戸みなとまち展示館」もぜひ。御手洗の歴史や、潮待ちの港として栄えた当時の様子を知ることができますよ。

出典：www.instagram.com(@tamus0410)

乙女座のすぐ近くにある「駄菓子屋玩具ミュージアム 御手洗昭和館」。江戸時代末期の建物を改修した施設内に一歩足を踏み入れれば、そこはもう昭和の世界。店主が集めたレトロなコレクション約500点が展示されていて、昭和の懐かしい駄菓子や、おもちゃが勢揃いしています。

出典：www.instagram.com(@nori.311)

昭和レトロなおもちゃや駄菓子はデザインも可愛いから、その時代を知らなくても目新しさが感じられて、きっと心奪われるはず。町並みの景色も相まって、ここにいると本当に昔にタイムスリップした気分になります。童心に返って玩具に心躍らせる時間を過ごしませんか。

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歴史ただよう建物が軒を連ね、おだやかな海の先に見える遠くの島々、行き交う船…。どこを見てもその風情に癒されます。そんな魅力いっぱいの御手洗でのひと休みにおすすめなのが「船宿カフェ若長」。江戸時代には大洲藩・宇和島藩指定の船宿だった建物を改装した古民家カフェで、趣たっぷりの空間が広がります。

出典：KENDAMA BOYさんの投稿

豊町の温暖な気候で育った大長みかんや大長レモンなど、大崎下島や近郊で採れる特産物を使ったメニューも豊富で、町歩きで疲れた体をすっきりリフレッシュすることができます。2階席では、海を眺めながらゆったりした時間を過ごせますよ。

宝暦5（1775）年に創建された「御手洗天満宮」。この地区の「御手洗」という地名は、実はこの神社に関係があり、菅原道真が太宰府に流される途中にこの地へ立ち寄り、手を洗ったことに起因するのだとか。境内では道真公の歌碑や「菅公の井戸」など、道真に関するものがたくさんあります。

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社殿の床下を通り抜けできる通路、「可能門(かのうもん)」も要チェック。願いを込めて通り抜ければ、想いが叶うという言い伝えがあります。4月頃には境内の天神桜(てんじんざくら)が見頃を迎え、春のうららかな陽気を楽しめますよ。

御手洗の高台にある「歴史の見える丘公園」。御手洗の町並みはもちろん、天気のいい日には瀬戸内しまなみ海道の来島大橋や、遠く四国の山々まで360度の大パノラマを楽しめます。みかん畑が続く遊歩道は急ですが、上まで上れば達成感でいっぱいです。

この公園は、御手洗地区が重要伝統的建造物群保存地区に指定されたことによって造られました。おだやかな海とともに眺めるレトロな町並みに、実際に町を散策したときとはまた違う感覚を抱くはず。大きく深呼吸して、地球のエネルギーを分けてもらいましょ。

見どころたっぷりの御手洗地区の雰囲気を本当の意味で味わうなら、宿泊が欠かせません。おすすめは江戸時代末期の建物をリノベーションした、「閑月庵 新豊(かんげつあん しんとよ)」に泊まること。昭和初期まで旅館として使われていた趣あるお宿です。1日1組限定だから、その日一日はあなたのための別荘ですよ。海のそばにある歴史ある別荘で、思いっきりプライベートな時間を満喫しましょう。

2階フロアをすべて貸切利用できます。2LDKの贅沢な空間は、キングサイズベッドのあるお部屋と、クイーンサイズベッドがあるお部屋、広々としたリビングで構成。格子窓や建具などは当時の面影が残され、天井には大きな梁も。歴史を感じる木の温もりに心から安心感を抱けます。格子窓はまるでピクチャーウィンドウのようで、瀬戸内海ののどかな景色を美しく切り取ります。大きなソファに座り、日がな一日ぼーっとこの景色を眺めていたいですね。

夕食は1階のレストラン「SEA FRONT DINING(シーフロントダイニング) 新豊」を貸切にして、シェフが目の前で調理してくれるという贅沢感。地産地消の新鮮食材を使った創作懐石料理のため、地元の恵みをたっぷり味わえます。ゆったりと流れる時間とともに、季節を感じる品々を堪能しましょう。徒歩約3分の場所には県指定重要文化財の「住吉神社」があるので、翌朝は早起きして観光客のいない静かな町を散歩してみましょ。

おだやかな島時間を満喫できる「大崎下島」は、レトロな町並みがとても魅力。スマホや時計はこの景色には似合いません。それらはすべてOFFにして、タイムスリップ気分で心の底から楽しみましょ。古くから続くこの町が、あなたの心と体を隅々まで癒してくれるはずです。