2016年10月16日
花見の発祥地?!豊臣秀吉が自らプロデュースした「醍醐寺」で桜と国宝に触れる旅
世界遺産でもある『醍醐寺(だいごじ)』は、京都随一の桜の名所で「醍醐桜」で有名です。国宝の数も7万と1日がかりで見て回っても、すべてを網羅することはなかなかできません。醍醐寺を楽しみ、周辺を回り、季節には美しい花を楽しむためにもポイントを絞って回るべき。広大な醍醐寺を余すことなく楽しむためのナビゲートを始めましょう。
洛南に位置する「醍醐寺(だいごじ)」は、京都市内からバスで30分とかなり奥まったところに位置しています。観光に回るには早めに現地に到着しておきましょう。
『醍醐寺』は200万坪以上の広大な敷地を持つ寺院です。建造物の国宝だけでなく、霊宝館には所蔵の国宝が納められているので「国宝目当て」なのか「桜を楽しむ」のは絞って回らないと時間が足りなくなってしまいます。効率よく回るのであれば、伽藍から回って上醍醐まで上り、帰りに霊宝館で国宝を見て帰るのがベスト。桜のシーズンは、下醍醐だけをじっくり回るのがおすすめ。
有名な五重塔がある場所は下醍醐と呼ばれ、上醍醐とはまた格別な趣があります。まずは五重塔のある下醍醐からゆっくりと回りましょう。総門から参道に入ったらそのまま真っ直ぐに進んで仁王門をくぐると伽藍が見えてきます。
醍醐天皇により建設された醍醐寺には薬師如来像が安置され、釈迦堂と呼ばれていました。豊臣秀吉は「太閤」にまで上り詰めましだが、それを譲渡したのが醍醐寺座主であった義演の義兄。そのため、醍醐寺の復興には積極的になり「深雪山」の山号もつけています。
醍醐寺に思い入れが深かった秀吉は、花見のために醍醐寺の建て替えをしたといわれています。桜をこの寺に植えさせて盛大な花見の会を催したとか。これが『醍醐の花見』の始まりであり、秀吉の天下が桜が散るように終わりをつげていきます。
天下統一を果たし、念願の後継ぎを授かった秀吉も、年々老いていく自分を知った時に『自分も桜のように華々しく』と思ったのか、ただ自分の力を民衆にアピールしたかったかは差だかではありません。この花見を境に秀吉は急速に体調不良になり、大名の前に元気な顔をみせる事がなくなっていくのです。
三宝院は、歴代の主座の住まいで本坊でもあります。この三宝院内には『表書院』があり、これも豊臣秀吉が花見のために建築しました。桃山建築の寝殿造りで、上中下の間があり、ここで能が楽しめるようにわざと秀吉が設計したとか。権力にものをいわせて、あちらこちらにいろいろなものを秀吉は作らせていたそう。
表書院からは庭園を眺められるよう、真ん中には長細い石が据えられています。藤戸石と呼ばれるもので、聚楽台にあったお気に入りの石を運ばせ作庭せたそう。
醍醐寺三宝院です。
— ダンテ伊東 (@it0o) 2016年9月22日
これが…天下人の庭!そして天下の名石!!!! pic.twitter.com/Oi91HHIvfc
伽藍の中でも一番目にとまるのが『五重塔』。承平元年に完成したもので、朱雀天皇の時代で「将門の乱」が勃発し、平家一族の中でも平将門を孤立させることになりました。そう考えるとなんとも歴史があるとしみじみ感じます。
天正13年の伏見地震で損傷はしたものの、倒壊や焼失を免れた奇跡の五重の塔。中には、京都最古に相応しく初層に両界曼荼羅、真言八祖、空海像が安置されているなど見ているだけでご利益がいただけそうです。
醍醐寺の五重塔の、木組み。考えた人偉いと思う。 pic.twitter.com/SISUEKQFoP
— hirosawada (@sawa666sawa) 2016年8月2日
伽藍の素晴らしさに加えて、醍醐の桜が有名な醍醐寺は修験者にとっては神聖な霊場。それは下醍醐ではなく上醍醐て呼ばれる醍醐山の頂上です。醍醐寺の境内はもちろんですが、上醍醐には国宝や霊水などが満載。ここを見ずしては帰れません。
境内の裏には女人堂があり、ここから山道を1時間かけて上ります。汗をかいて疲れた喉は「醍醐水」が潤してくれます。澄んだ山水は冷たくてほんのりと甘い舌触り。多くの修行僧がこの水で生気を養い修行を終えました。
時代は水素水より醍醐水よ pic.twitter.com/n2lqPkFQjG
— YAN (@yan_comic) 2016年5月28日
清流をいただいてから『清滝宮拝殿』をご覧ください。秋には見事なほどの紅葉が降り注ぐように広がり、優雅で美しくなんとも言いがたい趣がある雰囲気が楽しめます。室町時代の建造物で小さなもので艶やかさや、きらびやかさはないものの鎮守社として弘法大師空海により、唐から神様を勧誘しています。
五大堂は内部の参拝が可能で、五大明王が本尊として祀られています。内部には明王の壁画があり、非常に重厚感をもって見るものを取り込みます。災難身代わりの本尊となるので、魔を払いのけてくださいますよ。
醍醐寺から西国三十三所霊場の上醍醐山に登ってきました、約一時間余りのみちのり、上醍醐の准胝堂は焼失していまはありません、五大堂、薬師堂、開山堂をお参りしました。 pic.twitter.com/rYtj7gb7E6
— tetuharaki (@tetuharaki) 2014年6月28日
「醍醐の桜」を見ずして京都の桜は語れません。国宝を見て回るのも魅力ですが、やはり桜の季節は見逃せません。こちらは4月上旬がお花見のピーク。混み合う時期でもあるので、旅行の計画は早めに立てましょう。
霊宝館の前の大しだれ桜は、花びらが大きく桜のトンネルが素晴らしい場所。美しい苔と薄紅の桜は、写真だけにおさめるのはもったいないくらいです。
しだれ桜は、五重塔前の広場で休憩をしながらのんびり楽しんでください。ここが一番開花が早く3月下旬には見ごろを迎えます。
この三宝院の内部には狩野山楽の障壁画が楽しめますが、豊臣秀吉が花見をするだけに作庭し、桜を植えた場所です。玄関前には大紅しだれ桜が見事な枝を伸ばしています。
天下統一を果たした秀吉は『成り上がりもの』と謗られながらも、あの信長がなし得なかった大業を果たしました。醍醐の花見を境に、秀吉は体調を崩し床に伏せるようになります。はらはらと散る桜のように、秀吉の天下も指からゆっくりとこぼれ落ちていったのかも知れません。奥には休憩する場所もあるので、秀吉になった気分で楽しんでみてはいかがでしょうか。
醍醐寺は桜のシーズン以外は比較的静かでゆっくりと観光ができますが、敷地が広いために1日がかりになることもあります。紅葉を楽しむなら、迷わず上醍醐に上り国宝と紅葉のコントラストを楽しみましょう。
11月中旬から見頃ですが、京都は冷え込みますのでジャケットやハーフコートが必要です。上醍醐だけでなく、参道から本堂までも素晴らしい紅を目に焼き付けて帰ってください。
春から夏には新緑を、秋には紅葉が楽しめる素晴らしい場所です。
湯葉とアイスの組み合わせがなんとも京都らしさを感じます。境内散策には時間が掛かるのですが、飲食は禁止なのでこちらに立ち寄って喉を潤すことができます。
まさに桜を練りこんだようなピンク色の「桜麺」が有名です。湯葉丼とのセットが一番人気で、かなりのボリュームがあるので男性のお腹もしっかり満たしてくれます。
阿闍梨寮 寿庵の詳細情報
阿闍梨寮 寿庵
醍醐、小野、石田(京都市営) / 豆腐料理、カフェ、麺類
- 住所
- 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 総本山醍醐寺内
- 営業時間
- [月] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [火] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [水] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [木] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [金] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [土] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) [日] 10:00 - 15:30(L.O. 15:00) ■ 営業時間 12/12~11:00~15:30(L.O15:00) ■ 定休日 お問い合わせ下さい
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
●電車
・京都市営地下鉄東西線 醍醐駅から徒歩約15分。
※JR京都駅からは東海道本線、琵琶湖線、湖西線山科駅で、地下鉄東西線に乗り換え。またはJR奈良線六地蔵駅で乗り換えてください。
●バス
・JR京都駅八条口8番乗り場ホテル京阪前から、京阪バス(山科急行)に乗車、バス停「醍醐寺」にて下車。バス停は醍醐寺境内にあります。
・JR山科駅1番乗り場にて京阪バス22、22A系統に乗車、バス停「醍醐寺前」にて下車。
・京阪六地蔵駅2番乗り場にて京阪バス22、22A系統に乗車、バス停「醍醐寺前」にて下車。
世界遺産 京都 醍醐寺
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とにもかくにも桜の開花時期は、醍醐寺だけでなく京都一帯は観光に訪れる人でごったがえっています。国宝が多いのですが、桜以外はあまり注目されていないので観光に回るにはもってこいです。建造物の素晴らしさに触れたいのであれば、あえてオフシーズンにじっくりと楽しんでみましょう。
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