2016年04月11日
チーズクルチャが超絶うまい!木場の「カマルプール」で本格インド料理
「チーズクルチャ」ってご存じですか? お店によっては「チーズナン」とも呼ばれるこの料理、決してメインの料理ではないのですが、いまじわじわと愛好者を増やしています。カレーばかりがインド料理ではない! 今回は奥深いインド料理の世界と、おいしいチーズクルチャがいただける木場のタンドールバル「カマルプール」をご紹介いたします。
ひとくくりにインド料理と言っても、インドは世界第7位の面積を誇る広い国ですから、地方によって料理の傾向も大きく異なります。特に国の南北でその違いが顕著で、「北インド料理」「南インド料理」という分類をよくされますので、まずはその違いを見ていきたいと思います。
北インド地方は古くからイランやアフガニスタンなどの中東諸国との交易が盛んで、食文化も中東の影響を色濃く受けています。このため、北インド料理の主食は小麦を用いた「ナン」や「チャパティ」となっています。このほか、牛乳や「ギー」(牛や水牛、山羊の乳で作ったバターオイル)などの乳製品をよく使い、スパイスはクミンやコリアンダー、シナモン、カルダモンを多く用いるのが特徴です。各家庭にはこれらのスパイスを独自ブレンドした「ガラムマサラ」のオリジナルレシピがあり、おふくろの味として代々受け継がれていくのです。
小麦が主食と言いましたが、北インドでもお米は食べられています。北インド料理でよく使われるお米は、細長い形をしていて香りがとても強い「バスマティライス」。これを肉や野菜、スパイスとともに炊き込んだ「ビリヤニ」は、「パエリア」「松茸ご飯」とならんで世界三大炊き込みご飯に数えられているほどで、イスラム教の結婚式などでお祝いに食べられているんですよ。
また、日本でも有名なタンドーリチキンなど、タンドール(粘土でできた円筒形の壺型オーブン)を用いた調理法も北インド料理の特徴のひとつです。チーズクルチャもこのタンドールを使って焼き上げます。
以上のような特徴を持つ北インド料理に対し、気温が高く降水量もある南インドでは主食がお米になっています。南インド料理でよく使われるお米は日本と同じ丸い形状のもの。ただ、日本のお米のような粘り気は少なく、やはりサラサラしています。インドの人たちがバナナの葉をお皿代わりにしてカレー料理などを手づかみで食べている映像をよく見ますが、あれは南インドでよく見られる食事風景なんですね。
調味料の違いとしては、北インド料理の乳製品に対し、南インド料理ではココナッツミルクを多く用います。油も北インドがギーなどの動物性油脂を多用するのに対して、マスタードオイルや胡麻油などの植物性油脂が使用され、海が近いので魚貝もふんだんに使われて全体的な味はあっさりとしたものになっているのが特徴です。
このようにひとくちにインド料理と言っても北と南ではだいぶ様相が違っています。ここでチーズクルチャに話を戻しますが、チーズクルチャは先ほどもご説明したように北インドで食べられている小麦粉主体の料理のいちレパートリー。しかも焼くときにはタンドールを使うので、タンドール料理のひとつでもあります。
このチーズクルチャ、簡単に言ってしまうとその正体はインド風のガーリックピザ。ピザといってもその外見にはチーズが見当たらず、一見すると丸くてややぼってりとしたナンみたい。表面にうすくバターが塗られていてつややかです。
試しに手づかみで割ってみてください! 熱々の湯気とともにとろりとしたチーズがみるみるあふれだしてきます。目で楽しんだら、チーズがこぼれないように、慎重に口に運んでみてください。ピザ生地よりももっちりとしているクルチャの生地が、濃厚なチーズとからみあって互いを引き立て合います(口の中を火傷しないでくださいね!)。
そして鼻を軽くツンと突くガーリックの香りで、ひとくち、もうひとくちと後を引いてしまうのです。トマトソースなどの余計な味覚がないので、ピザよりも小麦やチーズの素材のおいしさがよく分かります。手についたバターを舐めてビールをくいっと流し込めば、きっともう一枚注文したくなってきますよ!!
このように一度食べたらやみつきになるチーズクルチャをいま食べるなら、ぜひともここで食べたいというお店が江東区木場にあります。そのお店の名前は「タンドールバル カマルプール」。俳優の松重豊さん主演のテレビドラマ『孤独のグルメ』にも登場したお店なので、覚えておいでの方もいらっしゃるかもしれませんね。
カマルプールは2011年6月22日にオープンしました。東京メトロ東西線の木場駅を出て、永代通りを東陽町方面に5分ほど歩いて行きます。東陽三丁目の交差点を右に曲がってすぐ左手にあります。
お店の外観はカフェやワインバルのようなモダンでシンプルな外観です。しかし大きなガラス窓に書かれた「カレー」「ナン」などの文字がここが本格的なインド料理店であることを物語っています。
木場にあるカマンプール。南インドカレーとチーズクルチャが抜群に美味しい。
— chiba0127 (@chiba0127) 2015年2月11日
並んでも食べたくなるはず。 pic.twitter.com/D0w6lrj97m
タンドールバル カマルプール 木場店の詳細情報
タンドールバル カマルプール 木場店
木場、東陽町 / インド料理、インドカレー
- 住所
- 東京都江東区東陽3-20-9 鈴木ビル 1F
- 営業時間
- [月] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [火] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [水] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [木] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [金] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [土] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [日] 11:00 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) ■ 定休日 年末年始
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥3,000~¥3,999
いま「本格的なインド料理店」といいましたが、この言葉は決して大げさじゃないんですよ。このお店のシェフをしている北村正氏は、京橋にある南インド料理専門店「ダバインディア」で創業からフロアマネージャーをされていたんです。ダバインディアは「東京の南インド料理界のスーパースター」のラマナイア氏がかつてシェフとして腕を振るっていたお店で、北村氏は料理にはタッチしていませんでしたが、シェフの右腕としてお店の切り盛りを任されていました。
ダバインディア
閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。
2008年、ラマナイア氏が新店の立ち上げのためダバインディアを去ります。しかし北村氏は、その後もダバインディアのフロアマネージャーとしてラマナイア氏の思想とレシピを守ってきました。驚くことにこの間に、彼はダバインディアのコックたちから料理を学んだのだそうです。そして2010年に北村氏はダバインディアを去ると、2011年木場にカマルプールをオープンしたのです。
ここでなぜ南インド料理専門店で働いていた北村氏が、北インド料理の特徴であるタンドールを売りにしたバルを開いたのか、疑問が浮かびますよね。実は、ダバインディアは「グルガオン」「カイバル」(どちらも銀座にあります)という北インド料理の名店の姉妹店。経営しているオーナー会社が同じなんです。そしてこの2店ではタンドール料理がとてもおいしいと評判が高かったので、南インド料理専門のダバインディアでもタンドール料理を出すようになったんだそうですよ。それで北村氏はダバインディアでタンドール料理のノウハウも習得したんですね。
現在のカマルプールでは北村氏がお店の全体を統括し、『孤独のグルメ』にも本人役で出演していたラタン氏、ナッティ氏がキッチンを切り盛りしています。
カマルプールでチーズクルチャにハマったら、ダバインディア、グルガオン、カイバルでもぜひチーズクルチャを食べてみてください。4店の関係性が舌で理解できるはずですよ。
グルガオンの詳細情報
グルガオン
銀座一丁目、京橋、有楽町 / インド料理、インドカレー
- 住所
- 東京都中央区銀座1-6-13 銀座106ビル B1F
- 営業時間
- [月] 11:30 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [火] 11:30 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [水] 11:30 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [木] 11:30 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [金] 11:30 - 15:00(L.O. 14:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [土] 11:30 - 16:00(L.O. 15:15) 17:00 - 21:30(L.O. 20:30) [日] 11:30 - 16:00(L.O. 15:15) 17:00 - 21:30(L.O. 20:30) [祝日] 11:30 - 16:00(L.O. 15:15) 17:00 - 21:30(L.O. 20:30) ■ 営業時間 2023/10/01~ ■ 定休日 無休(年末年始を除く)
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥2,000~¥2,999
カイバル
閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。
カマルプールの店内はカウンター6席、テーブル14席の合計20席。夜の部は17時に開店になりますが、すぐに席が埋まってしまうので、予約することをおすすめします。
お店の壁やカウンターの上には、インド料理店らしからぬ半紙に筆で書かれたメニューの数々。この手作り感が、外国の街角にあるバルのようなふらっと立ち寄れる居心地の良さを演出しています。
せっかくですので、チーズクルチャ以外のおすすめメニューもいくつかご紹介しましょう。
カマルプールはお酒のレベルも総じて高いと評判です。そのなかでもおすすめなのは、インドワインとスパイスを用いたオリジナルカクテルの数々です。
今回はバルメニュー中心のご紹介になりましたが、カマルプールはランチも営業しています。
「カマルランチ」は本日のカレーのなかから1種類を選んで、ナン・ライス・サラダが付いて750円(2016年2月現在)。プラス100円でカレーを追加することもできます。プラス200円でナンをチーズクルチャにできるサービスもあって、ランチのカマルプールも大賑わいです(ただし、ニンニクをたくさん使っているのでご注意!)。
本日のランチは、「孤独のグルメ」に登場した「カマルプール@木場」へ。
— 天に星、地に花、俺にメシ (@yutairoad) 2016年2月10日
カレーは2種、ナンはチーズクルチャに変更、ライスは大盛。ここの良さは美味しさはもちろん、有名店になってもあまり値上げしない事。これで¥1,050と大満足でした。 pic.twitter.com/dKdXKo9zDq
カマルプールのチーズクルチャ、いかがでしたでしょうか。筆者はチーズクルチャのあまりの美味しさに家族へのおみやげ用を頼んだのですが、快く応じてくれました。料理もお酒もサービスも満点のタンドールバル、ぜひともあなたのごひいきにしてくださいね。