2022年09月19日
わざわざ行きたい!瀬戸内・四国のユニークな美術館6選
3年に1度、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」が開催される瀬戸内エリア。アートが盛んなこの地域には、島を丸ごと使った美術館、水滴が床を滑っている美術館、ヨーロッパ旅行をしているような気分になれる美術館……などなど、他では見られないような珍しい美術館がたくさんあります。今回はその中でも、直感的に楽しめるユニークなスポットを厳選してご紹介します。
目次
瀬戸内・四国エリアには、美しい自然とともにアートを楽しめる美術館がたくさんあります。心を豊かにしてくれる様々な作品に触れてみましょう!
広島県・生口島(いくちしま)では、島全体を美術館に見立てた野外展示を行っています。その名も「島ごと美術館」。自然と調和する17点の彫刻作品を、島のあちこちで鑑賞することができます。
瀬戸田サンセットビーチにたたずむ彫刻《千里眼》。砂浜に不思議な影を落としています。
作品はそれぞれ、アーティストが展示場所からインスピレーションを得て製作したものです。こちらは島の名産・瀬戸田レモンをイメージさせるカラーの《ベルベデールせとだ》。「せとだ観月会」というイベントでは、《ベルベゼールせとだ》を舞台として郷土芸能やライブパフォーマンスが行われます。時間帯や季節によって様々な表情を楽しめるのも、野外彫刻の魅力です。
島ごと美術館の詳細情報
「豊島美術館(てしまびじゅつかん)」の魅力は、“訪れた人にしかわからない”といいます。ここには絵画や彫刻などは展示されていません。巨大な水滴を思わせる美術館自体が、アーティスト・内藤礼氏と建築家・西沢立衛氏による作品です。
ドーム型、コンクリート製の建物内部は広々としており、無機質な洞窟のようです。天井にぽっかりとあいた大きな穴から、外の光や風、におい、音、空気が流れ込んできます。
※画像はイメージです
座ってみると、水滴がゆったりと床の上を滑っているのがわかります。床にはごく小さな穴があり、そこから出た水が水滴となって、床の傾斜を滑るしくみになっているのです。造形美を鑑賞するというよりも、五感を使ってその場の空気を感じ取るような作品です。
美術館には、作品と似たつくりのカフェ&ショップスペースが隣接しています。
天窓から光が差し込む落ち着いた空間で、軽食を楽しんだり、オリジナルグッズを購入したりすることができます。
豊島美術館の詳細情報
豊島美術館
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
- 営業時間
- 10:00〜17:00(最終入館16:30)/3月1日〜9月30日 10:30〜16:00(最終入館15:30)/10月1日〜2月末日
- 定休日
- 火曜日(3月1日〜11月30日まで) 火曜日から木曜日(12月1日〜2月末日)
豊島美術館カフェの詳細情報
豊島美術館カフェ
土庄町その他 / カフェ
- 住所
- 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
- 営業時間
- [月] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [火] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [水] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [木] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [金] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [土] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) [日] 10:00 - 17:00(L.O. 16:30) ■ 営業時間 10:00~17:00(カフェのラストオーダー16:30)/3月1日~9月30日 10:30~16:00(カフェのラストオーダー15:30)/10月1日~2月末日 ■ 定休日 美術館の定休日
- 平均予算
- ~¥999
見晴らしのよい崖の上にある「ところミュージアム」。坂道を下っていくような感覚で、約30点の現代彫刻を楽しむことができます。入り口は《キッシング・ドア》という作品。インパクト大で、ちょっとユーモラスですね。
斜面に沿って建てられたスロープ状の建物は、細かい部分まで近代的でおしゃれな雰囲気が漂います。彫刻だけでなく、美術館自体も見応えがあります。
スロープを下った先には瀬戸内海の絶景が広がっています。 鑑賞の余韻に浸れる素敵なオープンテラスです。テラスから後ろを振り返ると、作品を違った角度で楽しむことができますよ。
ところミュージアム大三島の詳細情報
ところミュージアム大三島
- 住所
- 愛媛県今治市大三島町浦戸2362-3
- アクセス
- しまなみ海道・大三島IC 車 30分
- 料金
- 【料金】 大人: 310円 65歳以上、心身障害者、20人以上の団体は2割引 大学生: 160円 備考: 高校生以下または18歳未満 無料
“瀬戸内の景観を損なわないように”と、地下に建てられた「地中美術館」。建物は世界的に有名な建築家・安藤忠雄氏によるもので、展示作品が自然光で照らされるようにデザインされています。館内では、印象派を代表する画家、クロード・モネが晩年に描いた《睡蓮》シリーズを、やわらかな自然の光の中で鑑賞することができますよ。
地下でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して作品や空間の表情が刻々と変わります。
アートを楽しんだ後は、館内にある「地中カフェ」へ。瀬戸内の美しい景色が一望できるカフェで、スイーツやドリンクなどいただけます。
敷地内の「地中の庭」では、モネが造園した「ジヴェルニーの庭」に植えられていたとされる植物を楽しむことができます。
モネが描こうとした「自然」という主題そのものを立体的に感じていただける空間となっています。
地中美術館の詳細情報
地中カフェの詳細情報
地中カフェ
直島町その他 / カフェ、サンドイッチ
- 住所
- 香川県香川郡直島町3449-1 地中美術館内
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 10:00 - 18:00 [水] 10:00 - 18:00 [木] 10:00 - 18:00 [金] 10:00 - 18:00 [土] 10:00 - 18:00 [日] 10:00 - 18:00 ■ 営業時間 [3月~9月] 10:00~18:00 [10月~2月] 10:00~17:00 ■ 定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
「大塚国際美術館」は、約1000点の西洋名画の“レプリカ”を鑑賞できる珍しい美術館。作品はオリジナルと同じスケールで複製されていて、本物さながらの臨場感を味わうことができます。
中でも、システィーナ礼拝堂やポンペイ遺跡などの空間を丸ごと再現した「環境展示」は圧巻です。ヨーロッパを旅行しているような気分で展示を楽しめます。
「系統展示」では、古代ギリシャの壷絵から20世紀の絵画まで、順を追って西洋美術を鑑賞できます。教科書で見たあの絵、こんなに大きかったの? なんて、意外な発見があるかもしれません。
館内はとても広く、全て見て回ると4kmほど歩くことになります。休憩には地下2階の「カフェ・ド・ジヴェルニー」がおすすめ。画家クロード・モネの絵画を模した池を眺めて、ゆったりとくつろいではいかがでしょうか?
大塚国際美術館の詳細情報
私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。出典:考え方 | 砂浜美術館
最後にご紹介するのは、砂浜を展示スペース、砂浜にあるもの全てを美術品としてとらえた、自然を新しい視点で楽しむ美術館です。
沖を泳ぐニタリクジラ、波が砂浜に描いた砂紋、遠い外国から浜辺に流れ着いた「漂流物」など、鑑賞するタイミングによって作品は変わっていきます。
砂浜美術館の作品は、自然の事象だけではありません。砂浜美術館の考え方で町を見てみれば、自然と上手につきあいながら暮らす人びとの日々の営み、古くから地域に伝わる先人たちの生活の知恵、そして、そこから生まれるモノもまた、かけがえのない「作品」たちです。
例年ゴールデンウィークの季節に開催される「Tシャツアート展」では、「砂浜美術館」の考え方をより身近に感じることができます。展示品のTシャツは公募しているので、ぜひ応募してアート展に参加してみてはいかがでしょうか?
夕方にはうっとりするような景色が広がります。夏には、産卵に訪れるアカウミガメの足跡が見られることも。
砂浜美術館の詳細情報
砂浜美術館
- 住所
- 高知県幡多郡黒潮町入野
- アクセス
- 車:【高知市方面】高知自動車道 黒潮拳ノ川IC 車 30分 車:【四万十市方面】四万十市 車 20分 鉄道:土佐くろしお鉄道 土佐入野駅 徒歩 10分
- 定休日
- 年末年始
直感的にアートを楽しめる、ユニークな美術館をご紹介しました。ちょっと気分転換したいなと思ったら、瀬戸内・四国へアートめぐりの旅に出かけてみてはいかがでしょうか?