2017年04月22日
京都の初秋・9月はどんな風に楽しむ?おすすめスポット8選
9月に入っても残暑が厳しい京都ですが、街路樹なども徐々に緑から秋の色へと変化していく様子がみられます。大きな祭りも終わり、ひと時の静寂が訪れる季節。秋への準備もあちらこちらで見ることができますので、季節の移り変わりを楽しめる月といえるでしょう。
9月には大きな祭りではなく、伝統文化に触れることができる貴重な季節。昼間の日差しは、まだ厳しい京都ですが夕方から一気に気温が下がってしまうので羽織物は必ず用意しましょう。夕食の時間には、過ごしやすくなるので秋の味覚も楽しんで帰りたいですね。
旧暦8月1日(朔日)にちなんだ祭りで、台風による被害が非常に多かった事から秋の豊穣を願って明治に行われるようになったお祭りです。9月の第1日曜日に行われるんですが、その前日には前夜祭も行われ多くの人が集まります。松尾大社でおこなわれる八朔祭では奉納相撲が行われます。真剣な姿に、応援する声も高く未来の横綱が中にいるかもしれませんよ。
お月見は、今では誰でも楽しむことができますが平安時代は貴族の遊びでもありました。江戸時代には、庶民も思い思いに楽しめるようになり、十五夜には里芋を備えた『芋名月』と呼ばれていました。京都の各所で、観月祭が行われ美しい月を楽しむだけでなく茶会や演奏会なども楽しむことができます。
奉納演奏では琴古流尺八や和太鼓の音色を楽しむことができます。輝くような名月を眺めながら素晴らしい演奏にひと時癒されましょう。こちらではバラエティ番組『プレバト!!』でも人気の俳句大会も行われますので、自信のある人は参加してみてはいかがでしょうか。
出典:www.instagram.com(@akoatcmm)
神泉苑は源義経と巴御前が出会った場所としても有名なスポット。龍神伝説もあり、パワースポットとしても多くの人が訪れるようになっています。御茶会乗船が人気で、貴族になった気分で名月を楽しめるともあり毎年たくさんの申し込みがあるそうです。ほんのりと色づいた木々を皆型の観月祭をじっくり楽しんでください。
『祇園さん』で親しまれる八坂神社では、通年さまざまな祭りが行われています。祇園社観月祭が行われ、なかでも、舞殿では音楽演奏や舞踊などが披露される、名月管絃祭が必見。こちらは無料で拝観できることや、気軽に遊びに出かけられることから混雑していますので、はぐれないように気をつけましょう。
嵯峨天皇が嵯峨野に離宮を造営したのが、現在の大覚寺。中国の洞庭湖をモデルとした『庭湖』をとりまくように配置された木々や石の配置は、この観月の夕べにその素晴らしさを存分に発揮します。「観月の夕べ」では、龍頭舟と鷁首舟の2つの舟が漕ぎだされ、大沢池を一周します。平安時代には、この舟から名月を眺め和歌を詠んだ風流なイベント。
当日は特別舞台で満月法会が行われたり、音楽コンサートなども行われます。紅葉シーズン前ですが、素晴らしい庭と名月を目で楽しみながえら音楽で心を満たし、法会で心を穏やかにしてみてはいかがでしょうか。
※中秋の名月の日は毎年異なり、だいたい9月上旬から10月上旬の間になります。
染井の名水で有名な梨木神社は、京都御苑の東にひっそりある小さな神社。この神社の境内には、白く可愛い萩の花が初秋を飾ります。それに合わせて行われるのが萩まつりです。参道から、社殿前までに広がる萩の花は、風に揺れると枝をしならせはらはらと花をこぼします。
その愛らしい姿は、古来から歌人も歌に詠むなどされているのも季節を感じさせると共に庶民の生活に密着した花であったからでしょう。拝殿では神事が厳かに行われますので、そちらもゆっくりとご覧ください。
初夏から鴨川、貴船や高雄、鷹峯で行われる納涼床では、京都の懐石料理を気軽な価格で楽しむことができます。京都の日本料亭では一見さんお断りのイメージがつきものですが、最近では気軽に食事を楽しむことができる店も増えてきました。川のせせらぎを聞きながらはんなりした雰囲気を楽しんだ季節も9月からは紅葉の準備に入ります。まだ日差しの厳しい時期だからこそ、最後の納涼気分を楽しんでください。
稀代の陰陽師『安倍晴明』の住居跡に建立された晴明神社は、スピリチュアルなスポットとして毎日のようにたくさんの人が参拝に訪れます。そんな晴明神社も西陣の住人にとっては、スピリチュアルな神社ではなく普通にありがたい神様なのです。
『晴明』と『姓名』をかけて、昔から名付けの神様として氏子に親しまれてきました。秋分の日の行われるおごそかな祭りで、このときは五芒星ステッカーを買い求める観光客よりも地元の人の姿が目立ちます。
安倍晴明の神社だから、なにか陰陽師らしいイベントがあるわけではありませんが、晴明神社が多くの氏子に支えられているのが良く感じられる祭りなので、新発見のために訪れてみてはいかがでしょう。
晴明神社 〜陰陽師 安倍晴明公をお祀りする晴明神社〜
京都・一條戻橋。平安時代の陰陽師「安倍晴明公」をお祀りする神社。魔除け、厄除けにご利益がある。境内に社紋である五芒星がいたるところに施されている。
JR 京都駅 9番「一条戻橋・晴明神社前」下車 徒歩約2分
地主神社(じしゅじんじゃ)は『じぬし』と間違えて読んでしまうこともあるようですが、京都が都として栄えるまえから何かしらの信仰があったとされる由緒正しい神社。清水寺のすぐ近くにあり、縁結びにご利益があると有名な神社です。
狭い境内には、恋占いの石・良縁大黒があり、良縁祈願お守りもあるので、いつも若い女性でいっぱい。毎月第一日曜日に行われる地主祭りでは、恋占いの石や恋の願掛け絵馬のお祓いが行われています。祭典に参加すると『開運こづち』がいただけますので、このチャンスを逃さず縁結び祈願をしてみましょう。
宇治川と嵐山で行われる鵜飼も9月でおわり。宇治川には、全国に3人しかいない女性の鵜飼がいらっしゃいます。宇治川は9月下旬まで鵜飼が行われていますので、ぎりぎりまで鵜飼を楽しむことができます。嵐山では浴衣がレンタルできるお店があるので、浴衣姿の観光客が多く華やかな印象に。宇治川では舟に乗って鵜飼を鑑賞しますが、嵐山では川べりでも最後の鵜飼を見ることができます。嵐山の方が早くしまうので、中旬までに鵜飼鑑賞に訪れてください。
髪は女の命!と言いますが、その髪をとかす櫛は使っていると歯が折れてしまい使えなくなってしまいます。そんな櫛に感謝をして供養するのが「安井金比羅宮」の櫛祭り。舞妓さんだけでなく、着物文化が根付く京都ならではのお祭りでもあり、女性の髪形の変貌を見ることができることもあり人気の祭りなのです。
境内の『櫛塚』で壊れた櫛を奉納した後には、供養が行われその後には古代から現代までの髪型をした女性が列になって東大路、花見小路などを練り歩いていきます。中には驚くような髪形もあり、当時に女性の美意識を感じる事ができるなど個性的。着物もすべて、当時を再現していますので『女性だけの時代まつり』といってもいいくらいですね。
昼間はまだまだ暑いのですが、夕刻になると肌寒く感じることが多く『秋が近づいてきたな』としみじみできるのが9月の京都です。観光スポットも比較的人が少ないですし、地元の人が楽しむ祭りが多いので『ゆっくり回りたい』人にはおすすめの時期。まだ知らない京都を探しに、ちょっと足を延ばしてみませんか?