2017年09月10日
世界に負けていない日本のチーズ!今食べたい国産チーズ10選
「日本のチーズは本場には遠く及ばない」というのは過去の話。国産チーズを作る工房はいまや200軒を超え、国内外でどんどん賞を獲り、高評価を得る逸品も出てきています。日本の風土に根差したハイレベルかつ個性的なチーズを作る工房を、全国からご紹介していきます。お取り寄せで、専門店で、ぜひその味を体験してみてください。
日本におけるナチュラルチーズの消費量は年々増加しています。同時に、大小さまざまな規模の本格的なチーズ作りを志す工房も数を増やしています。うち100軒以上が酪農王国・北海道に集中しているものの、中国地方、九州地方などそのほかの地域にも広がっています。
また、ALL JAPANナチュラルチーズコンテストや、Japan Cheese Awardといった国産チーズを応援する賞も創設されています。加速度的におもしろくなってきている国産チーズの世界を、ご紹介していきましょう!
共働学舎新得農場は、さまざまな理由で社会に居場所を見つけられない人、心身に妨げのある人が共に働く場として作られました。自然の中で、その人が持つ本来のリズムを取り戻しつつ作り上げていくチーズは、質が高く、自然のエネルギーが感じられるチーズとして評判です。工房にはカフェ「ミンタル」も併設されています。
国内外の賞を数多く受賞している季節限定品「さくら」(90g・702円/1~5月頃販売)は、白カビタイプのチーズの上に桜の塩漬けをあしらったもの。桜の繊細な香りが意外にもチーズに合うのです。
もうひとつおすすめなのが「ラクレット」(150g・729円)。アルプスの伝統料理の名でもあり、このチーズの切り口を暖炉で溶かし、じゃがいもやパンと一緒に食べます。新得農場を訪れたフランスチーズの第一人者ジャン・ユベール氏が、この地の風土や気候にもっともふさわしいとすすめたチーズです。
共働学舎新得農場・チーズ工房・ミンタル
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日本人にもっともなじみのあるセミハードチーズをメインに作っている工房です。代表的なのがナチュラルチーズの「鶴居」シリーズ。中でも、最低12カ月以上熟成させた「プレミアムゴールドラベル」は「鶴居」最高峰の限定生産品です。6カ月以上の熟成期間を経た「ゴールドラベル」(約100g・800円)はそのままでも、料理に使っても力を発揮するオールマイティなチーズ。ほかにも、熟成期間がさらに短めのもの、乳脂肪を調整していないものなど、それぞれに個性があります。食べ比べてみるとおもしろいでしょう。
鶴居村はタンチョウヅルが飛来する北海道は釧路地方に位置し、もともと酪農がさかんな土地でした。ここのしぼりたての生乳を使った、まさにテロワール(土地)を感じるチーズです。
鶴居村のオリジナルチーズ|ナチュラルチーズ「鶴居」
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小さな工房ながら、ハード、青カビ、白カビ、酵母、フレッシュ、ウォッシュとさまざまなチーズを意欲的に作っています。中でも12カ月以上熟成させたミモレットチーズ「二世古 糀【momiji】」(100g・1004円)は、2014年秋のJAL国際線ファーストクラス機内食にも採用された逸品。大向こうを唸らせるような本格的なチーズ以外にも、ダイス状のドライフルーツをまとわせた「二世古 雪花【sekka】パパイヤ&パイナップル」(150g・1296円)や、「二世古 さけるチーズ」(100g・562円)といった、とっつきやすいチーズも販売しています。
宝石みたいに見た目にも楽しい「二世古 雪花【sekka】パパイヤ&パイナップル」は贈り物にもぴったり。
ニセコチーズ工房 | ニセコチーズ工房は、親子2人で作る小さなチーズ工房です。
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どっしりした存在感のある山のチーズを作る清水牧場。1つ約8kgもある大型のハードチーズ「バッカス」(1カット200g・1650円)は、10カ月以上熟成させた、非常に風格のあるチーズです。清水牧場では5~11月は牛たちを広いまきばに放牧します。思い思いに草を食み、湧き水を飲んで過ごした牛からとれる乳で作ったバッカスは「バッカス・ダルパージュ」と呼び、とりわけ薫り高く、旨みも凝縮していると評判です。
清水牧場
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信州初のチーズ工房であり、日本で初めて生チーズの製造をはじめた工房でもあります。約20種もの多種多様なチーズを作っています。青カビの「ブルーチーズ」(100g・1512円)は、国際的なナチュラルチーズのコンテスト「モンディアル・デュ・フロマージュ」で2015年に最高賞を受賞し、国内でも「Japan Cheese Award 2014」でグランプリに輝いています。自社牧場も持ち、原乳はすべて地元のものを使っています。長野県東御市と軽井沢、東京・南青山、名古屋などに直営店があります。
アトリエ・ド・フロマージュ
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長年日本でイタリア料理店を経営してきたイタリア人エリオさんが着想し、仲間とともに開いたチーズ工房。南イタリアから招いたチーズ職人ジョバンニさんらが、伝統的なイタリアン・チーズの製法を守り、惚れこんだ北海道の高品質な牛乳で作っています。焼いて焦げ目をつけて食べたい「カチョカヴァロ」(500g・2970円)や、日本ではなかなかお目にかかれないフレッシュチーズ「ブッラータ」(125g・1620円/限定販売品)などが楽しめます。珍しいイタリアのサラミも作っています。
ファットリアビオ北海道 Fattoria Bio Hokkaido
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日本ではあまり見かけない、ヤギの乳を使ったシェーブルタイプのチーズ、フレッシュチーズを作っています(ネットショップでは現在品切れ。2018年4月販売再開予定)。牛乳を使ったウォッシュチーズにも定評があります。「しののめ」(100g・740円)は2日に1回、表面を塩水で洗って熟成させます。クセが強いとされるウォッシュチーズですが、今牧場のものは穏やかで食べやすいと評判です。牛乳のフレッシュチーズ「ゆきやなぎ(塩入り)」(150g以上・770円)はまるでお豆腐のよう。冷奴のように食べることができ、焼酎や日本酒にも合うので、日本の食卓でのチーズの可能性を広げてくれそうです。
㈲那須高原今牧場 チーズ工房 - ㈲那須高原今牧場チーズ工房オフィシャルサイト
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海外でも高い評価を得た、三良坂フロマージュのフラッグシップともいえる「フロマージュ・ド・みらさか」(90g・1080円)は、柏の葉で包んだ熟成チーズ。賞味期限内に、ほのかな酸味から濃厚な風味にまで変化していきます。ヤギ乳を使ったチーズや、フレッシュチーズにも力を入れています。地元産のラベンダーや柿の葉をまとわせたチーズは、季節限定のお楽しみ。
三良坂フロマージュでは、通常は乳牛のエサとする濃厚飼料(トウモロコシ、大豆などの穀物飼料)を与えず、放牧した山に生えた自然の草を食べて育つ牛のお乳を使っています。搾乳量こそ少ないものの、牛の健康を守りながら限りなく自然に近いミルクがとれます。チーズを入れる木の箱や、チーズを包む葉っぱ、原料となる果物やハーブも地元のものを使うこだわりが。コンセプトやチーズの形状も日本を思わせるものが多く、和の美しさを追求しています。
三良坂フロマージュ
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ここでぜひ食べてほしいのは、水牛のモッツァレラチーズ「湖水の真珠」(100g・1500円)。本場イタリアでは、水牛の乳から作られるのが本来のモッツァレラチーズとされています。水牛は飼育が難しく、搾乳量も少ないため希少価値があり、牛から作られるものより値段も高くなります。日本国内で水牛のモッツァレラチーズを作っている工房はほとんどありません。「湖水の真珠」は、11~4月はほぼ水牛のミルクだけで作られます。しかし、5~10月は水牛の乳質が安定しないことから、ブラウンスイス種の牛のミルクを混ぜて作られています。それぞれの味の違いを楽しむのも一興ですね。
ここ幕別町は湖水地方と呼ばれています。産業といえば酪農で、ほとんどが牛舎で育てる方法ながら、この湖水地方牧場は自然環境を生かした方法を選んでいます。海のそばに位置するこの地は、春から夏にかけて海霧に覆われます。この霧で育つ牧草は海のミネラルをたっぷり含み、その草を食んだ牛の乳にも独特の滋味が備わります。また、湿原に囲まれている地の利を生かし、湿原を棲みかとする水牛の酪農にも力を入れているのです。
北海道湖水地方
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移住者が数多く住む、福岡県は糸島市。ここは有機農業などで作られた健康的な野菜で有名ですが、畜産も盛んなところです。その糸島の乳牛からしぼった乳でチーズを作る工房があります。フレッシュチーズ、モッツァレラ系のチーズ、さけるチーズなどのほかに、熟成チーズ「コハク」(600円)も作っています。「コハク」はオーソドックスなチーズながら、熟成期間をいくつか設定したり、低脂肪のものも作ったり、味の違いを楽しめます。オイル漬けのチーズもあります。オーナーは北海道とデンマークで修業したそうで、フランスやイタリア由来のチーズとはまた違ったチーズを楽しめます。
糸島ナチュラルチーズ製造所~TAK【タック】~ - ホーム | Facebook
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国産チーズの実物をイロイロ見てみたい!という方は、ぜひ専門店に足を運んでみてください。これまでご紹介したチーズも一部扱っています。ご紹介するお店はすべて東京都内になりますが、ネット通販をしているお店もあります。遠くて行けないという方は、お取り寄せでお試しくださいね。
1986年に開業した、日本におけるナチュラルチーズ専門店の草分け的存在です。作り手の顔が見える、農家の手作りチーズを扱っています。チーズ用のカーヴも備え、日々状態の変わるチーズを丁寧にお世話し、最良の状態で販売しているのです。もちろん国産ナチュラルチーズも多数扱っています。あらゆるチーズを目利きしてきた「フェルミエ」のフィルターを通して厳選された国産チーズなら、はじめての方も納得のお買い物ができるはず。直営店が都内に4つ、ネット販売もあります。
ナチュラルチーズ専門店のフェルミエ。チーズ通販、販売を種類豊富にご用意。
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フェルミエの詳細情報
フェルミエ
虎ノ門ヒルズ、神谷町、御成門 / その他
- 住所
- 東京都港区愛宕1-5-3 愛宕ASビル 1F
- 営業時間
- [月] 12:00 - 19:00 [火] 12:00 - 19:00 [水] 12:00 - 19:00 [木] 12:00 - 19:00 [金] 12:00 - 19:00 [土] 12:00 - 19:00 [日] 定休日 [祝日] 定休日 ■ 定休日 年末年始・夏季休業
- 定休日
- 日曜日、祝日
東京は神楽坂の路地裏にあるチーズ専門店。オーナーの森節子さんは、会社員生活を経て、チーズ好きが高じてお店を開きました。ホームページも控えめな印象ですが、ずらりラインナップされているチーズは相当なもの。もちろん、国産チーズも扱っています。ホームページではタイプ別、生産国別、風味別だけでなく、価格帯、よく合う飲み物・食べ物でも検索ができ、きめ細かく対応しています。
チーズ専門店アルパージュ
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Fromagerie Alpageの詳細情報
Fromagerie Alpage
神楽坂、牛込神楽坂、飯田橋 / その他
- 住所
- 東京都新宿区神楽坂6-22
- 営業時間
- [月] 11:00 - 18:00 [火] 11:00 - 18:00 [水] 11:00 - 18:00 [木] 11:00 - 19:00 [金] 11:00 - 19:00 [土] 11:00 - 19:00 [日] 11:00 - 18:00 ■ 定休日 年末年始
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
東京・吉祥寺にある国産チーズの専門店です。テーマを選んで紹介し、週ごとにメインのラインナップが変わります。また、ひとり暮らしでも買いやすいように包装を小さくしている親切仕様。チーズだけでなく、子どもにも安心して食べさせられるパン、美しい日常の道具、調味料なども販売しています。また、イベントも盛んに企画されています。母体がチーズスクール協会で、チーズ作りの学校を運営するなどチーズに関するさまざまな活動をやっています。ネット通販はやっていないので、吉祥寺に立ち寄った際にぜひのぞいてみてください。
WELCOME! チーズスクール
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北海道産のチーズに特化したショップです。東京の東部、清澄白河にお店があります。清澄白河は、サードウエーブコーヒーで有名な「ブルーボトル」が出店するなど、フレッシュなお店がちらほらできているおもしろいエリアです。「チーズのこえ」は北海道内の30を超える工房が参加し、200種類以上のチーズを扱っています。また、自然な牛乳の味わいが評判のソフトクリームも買えます。オンラインショップもあります。
北海道ナチュラルチーズ・コンシェルジュ|チーズのこえ
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チーズのこえの詳細情報
チーズのこえ
清澄白河、門前仲町 / その他、ジェラート・アイスクリーム、ソフトクリーム
- 住所
- 東京都江東区平野1-7-7 第一近藤ビル 1F
- 営業時間
- [月] 11:00 - 19:00 [火] 11:00 - 19:00 [水] 11:00 - 19:00 [木] 11:00 - 19:00 [金] 11:00 - 19:00 [土] 11:00 - 19:00 [日] 11:00 - 19:00 ■ 定休日 不定休
- 平均予算
- ~¥999
- ¥2,000~¥2,999
数ある国産チーズ工房の中から、断腸の思いで10工房を選びました。まだまだご紹介したい工房はたくさんあります。たとえば同じ白カビタイプでも、風土や素材で驚くほど変わるのがチーズのおもしろいところです。職人の個性、チーズの個性を楽しみながら、あなたの直感にビビッとくるものからぜひ食べてみてください。世界一バラエティに富んでいるといっても過言ではない日本の食卓を、国産チーズがさらに豊かにしてくれるでしょう!