体も心も喜ぶ、深呼吸のすすめ。一人旅におすすめ「森林浴スポット」10選【西日本編】

仕事があまりにも忙しい時は、会社とお家の往復だけで精いっぱい。とてもリラックス＆リフレッシュなんてできないと思ったら、自然の中でのんびり過ごしてみませんか。まったく違う環境に行けば、煮詰まった頭の中がリラックスして、すうっと楽になることがあります。

とはいえ、山登りやキャンプなどのアウトドア活動は1人で始めるのはむずかしいでしょう。そんなときにおすすめなのが「森林浴」。森林浴やハイキングのコースは全国にあり、難易度レベルもそれぞれ違います。自分ペースで無理せず楽しめます。

森林浴のいやし効果は昔からいろいろ言われてきましたが、最近では科学的な研究が始まりました。森の中で過ごすことが、ストレスの緩和につながると言われ、アメリカなどでも「Shinrin-yoku」と呼ばれて注目されています。森の緑を眺め、風の音を聞き、森の香りをかぐことで心の底からリラックスしてみませんか。

それでは、西日本で女性が1人でも行きやすいおすすめの森林浴スポット10か所をご紹介しましょう。西日本には個性的な森林が多く、森林浴初心者から中級者までが楽しめるスポットがあります。1人旅なら、自分のレベルに合わせて自由にコースを組み合わせてみましょう。

「昭和の森（しょうわのもり）」は、愛知県豊田市にある緑化センターです。昭和天皇御在位50周年を記念して森林浴コースや健康のための施設を整備したもので、1986年に「全国森林浴100選の森」に選ばれたこともあります。遊歩道コースは2～4キロの3つがあり、体力に応じて選べるのがメリット。豊田市駅から、おいでんバス乗車で行けると言うアクセスの良さも1人旅の森林浴初心者におすすめです。

初心者におすすめのコースは、2.1キロの「ファミリーコース」。敷地内の「友好の森」「学習の森」「湿地保存地区」をぐるっとまわるコースで、松やツツジの緑を眺めたり「湿地保存地区」の湿地植物の写真を撮ったりして楽しめます。「ファミリーコース」から「野鳥の森」まで歩く「一般コース」は4.3キロ。山の尾根を歩くので難易度はちょっと上がりますが、ヤマザクラやホオノキなどの落葉広葉樹林があり、木々の色合いが変わるのを楽しみましょう。

こちらは、森林浴にくわえて、季節の花が眺められるのも大きなメリットです。春は桜＆ユキノシタが咲き、8～10月初めまでは山野草である、黄色いオミナエシの花が咲きます。木々の緑と一緒に、かわいい花々でより癒されます。

「大台ヶ原（おおだいがはら）」は、奈良県吉野郡にある原生林です。年間の降雨量が5000ミリもあり、日本有数の多雨地帯で、日本を代表する原生林のひとつです。湿潤で冷涼な気候のため多数の植物が生えていて、コケ類を含めて、1310種が見つかっています。

原生林の中は「西大台」と「東大台」の別れており、1人旅の森林浴に向いているのは約9キロの東大台ハイキングコースです。コース内に清流や原生林に覆われた谷、吊り橋などの見どころが満載されていて、1人で歩いていても決して飽きません。アップダウンもありますが、木道が整備されていますのでそれほどハードなコースではありません。森林浴初心者でも雄大な自然を味わえるコースです。

大台ヶ原を歩いていると、しばしば目にすることがある鹿。こちらには、通常の森林よりも多い密度でシカが生息していますので遭遇する確率は非常に高いです。1人旅なら、同行者を気にせずに絶好のシャッターチャンスが来るまで待ちましょう。

「糺の森（ただすのもり）」は、京都府京都市にある「下鴨神社（しもがもじんじゃ）」の境内の中にある森です。森の木々は、ケヤキやムクノキ、エノキなどの広葉樹。樹齢200～600年にもなる巨木が自生しており、環境学などの学術分野からみても高く評価されています。京都の都心部にある森としては異例の広さがあり、面積は３万６千坪と言われます。1994年にユネスコの世界遺産に登録された、世界的に見ても貴重な森です。

糺の森には、いわゆる遊歩道はありません。下賀茂神社の南側入り口から入り、下賀茂神社の本殿（ほんでん）までの約1キロの表参道が森林浴コースです。といってもアップダウンはありませんし特別な装備も必要ない、通常の京都観光の姿で森林浴を楽しめるのがメリットです。初めての森林浴を1人で始めるのなら、糺の森からスタートするのがおすすめです。

糺の森は、観光客のみならず京都市民にとっても、散歩やウォーキングに利用する森です。季節や時間帯によってさまざまに変化する森の緑を眺め、清々しい空気を体験するためには早朝の森林浴がおすすめ。1人旅なら思い切って早起きして、糺の森で森林浴→朝6時から参拝できる下賀茂神社へお参りしてはいかがですか。

「神鍋高原（かんなべこうげん）」は、兵庫県豊岡市にある高原です。美しい噴火口が残る神鍋山（かんなべやま）を中心にひろがり、清流が美しい渓谷や滝をめぐる散策路での森林浴が楽しめます。

「神鍋溶岩流（かんなべようがんりゅう）」は、溶岩に作られた渓谷。清流ぞいの約7キロの距離に、約30カ所の大小さまざまな滝や淵が続きます。俵滝（たわらだき）や八反の滝（はったんのたき）など見どころが多いので、1人旅なら時間をゆっくりとってインスタ映え抜群の滝を撮影しましょう。

もう少し森林浴ビギナー向けのコースを探しているなら、神鍋山のふもとにある「道の駅 神鍋高原」から山頂噴火口まで歩くコースがおすすめです。神鍋山は標高469.5メートルで、ふもとから歩いても約30分ほどです。ゆるい坂道ですので、足元はふつうのスニーカーでOK。装備にも体力にもやや自信のない森林浴ビギナーが、1人で歩くにはちょうどいい距離＆難易度です。

「福知渓谷（ふくちけいこく）」は、兵庫県宍粟市（しそうし）にある渓谷です。雪彦峰山（せっぴこみねやま）にある雪彦峰山県立自然公園の敷地に含まれ、関西でも有数の絶景森林スポットです。「関西の風景100選」「ひょうご風景100選」に選ばれたこともあり、とくに春の新緑や夏の緑、秋の紅葉が森林浴ファンから高く評価されています。

福知渓谷の森林を眺めつつ、渓谷沿いの道を徒歩で2時間ほど行くとススキで有名な「砥峰高原（とのみねこうげん）」に続いています。福知渓谷と砥峰高原は、ぜひともセットで歩いて森林浴をするのがおすすめのスポット。

福知渓谷から砥峰高原までのコースはアスファルトの道が多いので、1人旅でも気軽に歩いて行けます。ちなみに、砥峰高原は映画『ノルウェイの森』のロケ地としても有名な絶景撮影スポットです。

「八東ふる里の森（はっとうふるさとのもり）」は、鳥取県八頭郡にあるレクリエーション施設です。全国でも珍しい西洋風ブナの群生林に囲まれており、渓流のなかで木々の緑を体感することできる場所です。遊歩道が整備されていて、1人で歩いていても迷う心配もありません。

おすすめの森林浴コースは、「扇ノ山（おうぎのせん）」の山頂をめざす「八東ふる里の森コース」です。コース上では緑ゆたかなブナ林やサンカヨウ、イワカガミなどの山野草などを見ることが出来ます。傾斜のある階段があるなど、やや中級者向けのコースですが、1人旅なら時間をしっかりとってゆとりの森林浴をたのしみましょう。

こちらはバードウオッチングでも有名なスポット。午前中はアカショウビンが、夜間はコノハズクを間近で見られることが多いんです。バンガローは1棟ごとの借り上げなので、1人でも宿泊可。コノハズクと早朝の森林浴が楽しみたい方は、宿泊するのもおすすめです。

「匹見峡（ひきみきょう）」は、島根県益田市にある渓谷です。西中国山地国定公園内にあり、大きく「前匹見峡（まえひきみきょう）」「表匹見峡（おもてひきみきょう）」「裏匹見峡（うらひきみきょう）」「奥匹見峡（おくひきみきょう）」に分かれます。森林浴におすすめなのは「表匹見峡」や「裏匹見峡」を歩くコースです。表匹見峡のコースは全長4キロ。深い淵や大きな岩石のある風景を眺めつつ歩けるコースです。

「表匹見」では森林浴とともに、サイクリングを楽しむこともできます。主要な見どころスポットには標識が立っていますので、初めての1人旅でも見逃すことがありません。のんびりゆったりと、森の緑と絶景を楽しみましょう。

「裏匹見峡」のおすすめは、一番奥にある「鈴ヶ獄（すずがたけ）」までが約4キロの森林浴コースです。途中には数々の滝があり、見ごたえのある絶景が続きます。時には時間が止まったように感じられる場所もあり、1人旅なら立ち止まって、ゆっくりと景色を堪能しましょう。

「奥祖谷（おくいや）」は徳島県三好市にある渓谷です。水量の多い祖谷川（いやがわ）が作る深い渓谷は、両側が樹木でおおわれた絶好の森林浴スポット。切り立ったＶ字型の地形から「四国の屋根」とか「阿波のチベット」と呼ばれ、「とくしま88景」にも選定された絶景の地です。1年を通じて観光客が多い場所ですから、1人旅でも安心して森林浴を楽しめます。

深い木々と祖谷川（いやがわ）の隙間に木道が敷かれていて、そこが遊歩道になっています。主なコースは、「奥祖谷二重かずら橋（おくいやにじゅうかずらばし）」の「男橋（おばし）」と「女橋（めばし）」の周辺です。森の深い緑と、透き通った清流を眺めて癒されましょう。

奥祖谷（おくいや）の見どころは、祖谷川（いやがわ）の上流にかかる「奥祖谷二重かずら橋」。植物の「かずら」で編まれた橋は独特の雰囲気があり、ぜひとも写真を撮影したりポイントです。祖谷には一重のかずら橋もあり、そちらも観光客に人気ですが、森林浴にはより森が深く感じられる、二重かずら橋がおすすめです。

「白谷雲水峡（しらたにうんすいきょう）」は、鹿児島県の屋久島（やくしま）にある自然休養林です。白谷川（しらたにがわ）の上流に423.73ヘクタールの広さの森林が広がっていて、樹齢3,000年を越える「弥生杉（やよいすぎ）」などを見られます。意外にも1人旅でやってくる人が多い人気の森林浴スポットです。

深い森の中には、江戸時代に作られたと言う楠川歩道(くすがわほどう）があります。屋久島の花こう岩で作られた道は、滑りにくくて安心。白谷雲水峡は観光客も多く、歩きやすいように遊歩道が整備されているので、1人の森林浴でも心強い場所です。

白谷雲水峡の中には、スタジオジブリの人気アニメ映画『もののけ姫』の森のモデルになったと言われるエリアがあり、実に神秘的な緑の苔が見られます。同行者に気を使わなくてもいい1人旅なら、じっくりと時間をかけて景色を眺め、心身をリラックスさせましょう。

「比地大滝遊歩道（(ひじおおたきゆうほどう）」は、沖縄県国頭郡にある遊歩道です。沖縄本島では最大の滝である比地大滝（ひじおおたき）は、落差25.7メートルの雄大な滝。その滝をめぐるようにして、遊歩道が作られています。沖縄県内・県外からの観光客が多く訪れる人気の森林浴スポットです。

遊歩道の長さは往復で約3キロ。高低差は30メートルあります。多少のアップダウンはありますが、コースの途中には吊り橋もあり、せせらぎの音が絶え間なく聞こえてリラックスムード満点。目と耳にやさしい森林浴スポットです。

両側にはいかにも沖縄の森林浴らしく、亜熱帯の植物がまるでジャングルのように茂っています。シダ類、ヒカゲヘゴ、イルカンダなどの植物群は、本州ではあまり見られないものです。亜熱帯の木々がこんもりと茂り、本州の森林浴とは一味違う清涼感が味わえます

1人で行く森林浴のメリットは、自分のペースで無理なくのんびり歩けること。厳しく自分を律してチャレンジし続けるというより、自分の体力に合ったコースをのんびり歩き、好きなところで休憩するのが理想です。森の中で深呼吸すれば、清々しい香りで気分もリセット。また元気にお仕事に立ち向かえます♪