【西日本編】秋冬の贅沢・カニを味わい尽くす旅へ。おすすめ旅先と温泉旅館8選

観光スポットに行ったりステキなホテルに泊まったり、旅行の楽しみ方はたくさんあります。なかでもぜひ行ってみたいのが、グルメ旅♡秋冬のグルメ旅の王様と言えば、なんといってもカニ！うまみがギュッと詰まった海の味覚で、日本には約1000種以上のカニがいると言われています。カニは鮮度が命ですから、旬の時期に、水揚げされる土地でいただきましょう。

カニと聞くとまず北陸や北海道が思い浮かびますが、西日本、とくに日本海側は昔からおいしいカニで有名です。ブランドガニも多数存在し、京都府の「間人ガニ（たいざガニ）」や山陰の「松葉ガニ」など目白押し。ちょっとかわったところでは、九州・佐賀県のワタリガニ「竹崎カニ」もおすすめです。秋冬の関西・九州はしっとりした風景が多く、大人の旅先にふさわしい旅情があります。

今回は、西日本で秋冬に旬を迎えるカニをエリアごとにまとめました。意外なカニの名産地・京都府をはじめ、兵庫県・鳥取県・島根県・佐賀県の、美味しいカニ料理が食べられるお宿をご紹介します。旬の甘くておいしいカニをたっぷりと食べるカニグルメ旅に出かけましょう♪

※すべてのホテル・旅館情報は2023年9月現在のものです。

東京から、新幹線を使えば最短2時間10分ほどで到着する京都。京都府の日本海側はカニの漁場でもあります。ブランドカニの「間人ガニ（たいざガニ）」は、活きたまま近隣の旅館に運ばれて調理されます。ズワイガニの最高級品と言われる日本海のカニを味わいたいなら、秋冬の京都府がおすすめです。

「間人ガニ（たいざガニ）」は、京都の間人港（たいざこう）に水揚げされる日本海のズワイガニです。漁場が20～30㎞と近く、とったズワイガニをその日のうちに港に持ち帰り出荷するので鮮度抜群。わずか4～5隻の小型船で漁をするので水揚げ量が少なく「まぼろしのカニ」と呼ばれています。更に、その中から厳しい基準の選別を通り抜けたカニだけが間人ガニとして緑のタグを付けることができます。生食できる唯一のズワイガニとして珍重され、とても希少価値の高い高級カニです。

「炭平（すみへい）」は、京都丹後鉄道の網野駅から車で約20分の間人温泉（たいざおんせん）にある料理旅館です。明治元年創業の老舗で、丹波町でも歴史の古い旅館のひとつ。全客室から日本海が眺められる絶景と貴重な間人カニを楽しみましょう。

秋冬のおすすめは、さまざまな料理法でいただく日本海の「間人カニ（たいざカニ）」。鮮度のいい「活きガニ（いきガニ）」をカニ刺にしたり、カニしゃぶ、茹でガニ、焼きガニにしたりと、調理法ごとに間人カニの旨みを実感できます。

天然温泉が楽しめる6つの貸切風呂（一つは有料）が用意されているこちらのお宿。岩風呂と枯山水でデザインされた「月見の湯」や、湯船に浅くはった温泉をごろ寝しながら楽しむ「すみの湯」、青い海と空を一望する「海の湯」など、どれも魅力的！湯めぐりをして、それぞれの個性を楽しんでくださいね。

「夕日ヶ浦温泉　佳松苑　別邸ふうか（かしょうえん　べっていふうか）」は、京都丹後鉄道の夕日ヶ浦木津温泉駅（ゆうひがうらきつおんせんえき）から送迎バスで約3分のところにある温泉ホテルです。日本の夕陽100選にも選ばれた「夕日ヶ浦海岸」の近くで、高台から日本海を望む眺望の良いホテル。近隣の漁港で獲れた新鮮な松葉ガニとオーシャンビューを楽しむホテルステイをどうぞ。

冬のおすすめ、活き松葉ガニだけを使ったカニ会席。前菜から雑炊までたっぷりとカニが使われているので、上品なカニの旨みを味わいましょう。お食事処「風水」は、食べるスピードに合わせて作ってくれます。近隣の漁港から仕入れた鮮魚とともに、のんびりと日本海の絶品カニを満喫しましょう。

温泉は、美人の湯として有名な「夕日ヶ浦温泉」のお湯です。全客室が専用露天風呂付きで、部屋ごとに雰囲気の違う展望風呂があり、源泉かけ流し。夕暮れの日本海と美肌の湯をたっぷりと体感しましょう。

新幹線に乗れば、東京から最短3時間30分ほどで到着できる兵庫県。秋冬の兵庫県はカニの聖地といってもいいでしょう。兵庫県はブランドガニの多い土地で「柴山ガニ」「津居山ガニ」「香住カニ」など盛りだくさん♪どれを食べても、甘くておいしいブランドガニです。

「柴山ガニ（しばやまがに）」は、柴山漁港で水揚げされるズワイガニのことです。このカニは110もの細かいランクに選別されるのが特徴で、上位ランクの柴山かには、ピンク色のタグが付けられます。なかには「柴山GOLD（しばやまゴールド）」と呼ばれる完璧なカニが見つかることも。サイズ、身のつまり具合、色つやなどが完璧な、1000匹に1匹と言われる貴重なカニです。その身は、味の濃さや甘さ、香り、ぷりぷり感、どれもピカイチ。

柴山港でその日に水揚げされた「柴山ガニ」をリーズナブルにフルコースで楽しめるのがこちら。山の中腹から柴山湾を一望する料理旅館で、JR柴山駅の目の前なのでアクセスが便利です。館内は和の趣と洋の機能美を合わせたモダンなデザインで、いたるところにアートが飾られています。宝探しのような気分が味わえてワクワクしますね♪18室あるお部屋の鍵にもそれぞれ違った木彫りのオブジェが付いているので、どれにあたるかは当日のお楽しみに！ユーモア溢れる木彫りのアートに、きっとクスっと笑ってしまうことでしょう。

柴山ガニのフルコースは、刺し身に始まり、カニしゃぶ、カニちり、蒸しガニ、焼きガニ、カニみそ、そして雑炊で締めるという、まさにカニ尽くし。なかでも、有田の宝楽（素焼きの鍋）で焼き上げる焼きガニはお宿の名物です。特別な強火で一気に焼き上げ、ドシンと重い蓋で圧力をかけることで、旨味を閉じ込めるのだそう。柴山ガニの漁が解禁される前は、香住ガニがいただけるので、カニ好きの人は２度泊まって、食べ比べてみるのはいかがでしょうか？

全18室あるお部屋は、和室（ベッドタイプと布団で寝るタイプがあり）と洋室が用意されています。半露天風呂や露天風呂が付いたお部屋もあり、「つきあんこうの間」では、陶器のお風呂に入りながら海の風景を楽しむ贅沢な時間が過ごせます。窓を開放して風を感じながらの入浴も気持ちがいいですね。ローテーブルがあるお部屋には冬場は炬燵が用意されるので、炬燵でヌクヌク温まって心がほっこりする時間を過ごしてくださいね。

東京からみると、山陰は遠いイメージがありますが、羽田から飛行機に乗れば約1時間20分で鳥取県に着きます。鳥取県はカニの水揚げ量が日本トップレベルのカニ王国。秋冬にとれる日本海の「松葉ガニ」は味もサイズも最高級です。山陰地方では、ズワイガニの雄を松葉ガニと呼び、「とっとり松葉がに」のブランド名が赤字で入った白いタグが付けられています。

「五輝星（いつきぼし）」は、鳥取県産の松葉ガニのなかでも大きさや重さ、形がいいものを厳選したブランドガニです。味は淡白ながら甘味が強く、上品。甲羅サイズが13.5センチ以上、重さ1.2キロ以上、形がよく身がぎっしり詰まっている、足がすべてそろっている、鮮やかな色合いをしている、この5つが条件です。松葉ガニの平均的な重さは600グラム程なので、五輝星は通常の倍以上！その価値は高く、数百万単位で競り落とされるほどの高級ガニです。

「旅館 大橋」は、JR倉吉駅から車で約30分の三朝温泉（みささおんせん）にある温泉旅館です。昭和7年の創業以来、三徳川ぞいに約120メートルにわたって建つ旅館は、まさに日本建築の神髄。「本館、離れ、西離れ、大広間、太鼓橋」は国の有形文化財です。重厚な宿で、日本海の最高級　松葉ガニを楽しみましょう。

秋冬のおすすめは、もちろん松葉ガニ！カニ刺しにカニしゃぶ、焼きガニなど、松葉ガニをありとあらゆるお料理でいただけます。カニ味噌も甘くてたっぷり。カニの王様・松葉ガニを味わいつくせます。ほかにも、鳥取県産和牛の炙り焼きや近海で獲れた地魚などが並び、山陰の味を堪能できます。

こちらの温泉は、自家源泉。自家源泉5本のうち、3本は自然噴出しているという貴重な温泉です。名物の「巌窟の湯（がんくつのゆ）」は、トリウム泉（ラドン220を含有）とラジウム泉（ラドン222を含有）の湯。もともと三徳川に湧き出していた源泉をそのまま露天風呂にしたという豪快なお風呂にひたりましょう。

「湯喜望 白扇（ゆきぼう　はくせん）」は、JR米子駅から車で約15分の皆生温泉（かいけおんせん）にある創業60年以上の老舗旅館です。全室オーシャンビューで、展望ジャグジー風呂や露天風呂付き客室もあります。日本海の絶景を眺めつつ、美肌の湯と松葉ガニを満喫しましょう！

秋冬のおすすめ松葉ガニは、タグ付きの水揚げ漁港が分かるブランドカニ。活きのいい日本海の松葉ガニを焼きガニや茹でガニ、カニすきで思う存分いただきましょう。追加料金を払うと、お部屋食（個室食事処）確約も可能なので、時間をかけてじっくりと食べつくせます。事前に宿に相談してみてくださいね。

皆生温泉は日本海の海中から湧き出している温泉です。塩分とミネラル分を多く含み、天然のタラソテラピー効果があるという美肌の湯。女性用大浴場にはアロマスチームサウナもあり、身体の中からすっかりくつろげます。

東京からアクセスは飛行機が最短約1時間30分という島根県。通常は底引き網漁が主流ですが、島根県には独自のカニ漁法「カニかご漁」があり、カニに傷をつけずにきれいなまま水揚げすることができます。秋冬の「松葉ガニ」は品質の高さで有名です。

「隠岐松葉ガニ（おきまつばガニ）」は、隠岐諸島の近海でとれた松葉ガニのことです。島根県独特の漁法である「かにかご漁」でとるためカニにストレスがなくて味良し、鮮度や形もすばらしいのが特徴。重さが500gを超える「隠岐松葉ガニ」には青色のタグが付き、島根の高級ブランドガニです。その身は、甘さ弾力共に極上。

「白石家（しらいしや）」は、JR玉造温泉駅（たまつくりおんせんえき）より車で約10分の「玉造温泉」にある温泉宿です。創業300年以上という老舗旅館。館内には四季折々の花が飾られていて、とても華やかです。女性には色浴衣の無料貸出もあるので、温泉街の散策にいかが？

秋冬のおすすめは松葉力二を豪快に使ったカニコース。甘い身とカニ味噌をじっくりと味わえます。オープンキッチンのお食事どころで、できたてのカニ料理をお腹いっぱいいただきましょう。

こちらの温泉は、弱アルカリ性の美肌の天然温泉。大浴場は2か所あり、大浴場「織姫」は、湯船の底まで全てヒノキという総ヒノキ造り。「彦星」には黒みかげ石のお風呂があり。男女入れ替えで両方に入れます。湯あがり後はお肌のしっとり感を楽しめそうです。

「旅館ぬしや」は、JR江津駅（ごうつえき）から車で約20分の有福温泉（ありふくおんせん）にある温泉旅館です。創業250年ほどの老舗旅館で、3,000坪の敷地内に古民家を移した離れや和・洋室の全9室がゆったりと並びます。しずかな風情から「山陰の伊香保（いかほ）」と呼ばれる温泉で松葉ガニを堪能しましょう。

秋冬のおすすめは、日本海の特選松葉ガニ。ほっくりしたカニ身を焼いて、濃厚なカニ味噌をつけて食べれば、口の中はカニ尽くし♡茹でガニ、カニすきのほか、地魚「のどぐろ」など地元の魚介類もふんだんにいただけます。

玉造温泉は美人の湯として有名。無色無臭の単純アルカリ泉は国内屈指の良質なお湯です。大浴場と露天風呂、ふたつの貸切露天風呂があり、1300年わきつづけている天然温泉で満たされています。ゆっくりのんびりと、全身の疲れをいやしましょう。

東京・羽田から飛行機に乗って、最短2時間ほどで到着する佐賀県。「九州でカニ」とはイメージしにくいかもしれませんが、ワタリガニの一種「竹崎カニ」があります。通年とれる「竹崎カニ」ですが、おいしくなるのはやはり秋冬。九州でも、カニを堪能しましょう♪

「竹崎カニ」は佐賀県太良町竹崎沖を中心に水揚げされるカニです。有明海の栄養豊富なエサを食べて育つ竹崎カニ。大きなものは25センチ以上あり、身が甘くて、カニ味噌が濃厚なのが特徴。「竹崎カニ」の旬はオスメスで違い、夏は濃厚なカニミソを持つオスの甘味が強くなり、冬は産卵を前に栄養を蓄えたメスが甘いと言われます。

「海上館（かいじょうかん）」は、JR肥前大浦駅（ひぜんおおうらえき）から車で約5分。有明海を望む眺望抜群の宿です。海を眺める絶景の露天風呂付き客室や、オーシャンビューの一般客室があり、有明海と多良岳（たらだけ）に囲まれた自然豊かな環境。思う存分、有明海の竹崎カニを楽しみましょう。

「竹崎カニ」を中心とした旬の魚介会席コースです。茹でカニ、焼きカニ、カニ刺し、カニ天ぷらのほかヤワカニの唐揚などがメニューに並びます。宿のオーナーはもともと海産物の仲買商だったため、ほんとうにおいしい竹崎カニが厳選されているのです。

温泉は内風呂、露天風呂ともオーシャンビュー。目の前にある有明海をゆったりと眺められます。プライベート重視なら、2階に6室ある露天風呂付き客室がおすすめ。テラスにある露天風呂からは、海と空しかない絶景を体験できます。

カニと一言で言っても、種類や産地、とれた時期によって味わいがまったく違います。日本海のカニは冷たい海水に身をあらわれ、ずっしり詰まっていてジューシーです。秋冬の西日本のほんわりした旅情とともに、絶品カニグルメを満喫してはいかがですか。