【長野県】初心者登山におすすめの山＋周辺宿9選｜山岳スポットで気分爽快！

長野県は、3,000ｍ級の山々に囲まれた山岳県。飛騨山脈（ひださんみゃく）、木曽山脈、赤石山脈（あかいしさんみゃく）の3つの山脈、そして33座の高山から低山までさまざまな山が聳えています。そのため、長野県は、”日本の屋根”と呼ばれているんです。特筆すべきは、随筆家で登山家でもあった深田久弥（ふかだきゅうや）氏が、著書『日本百名山』の中で長野県の山を29座取り上げていること。これはダントツ全国一の多さです。それほど、長野県には素晴らしい山があるのです。

出典：瓢徳屋さんの投稿

北アルプス、中央アルプス、南アルプスを擁する長野県。ベテランが挑むハイレベルな山から、ファミリーや初心者が楽しめる山までいろんなレベルの山があるのも特徴なんです。ハイキング気分で気軽に楽しみつつ、少し足をのばせば登山者でなくとも、アルプスの絶景を望むことだってできるんですよ。

この記事では、アルプスの絶景を見てみたいけど登山は初めてという方のために、＜超初心者向けの山＞と、＜少しは登山経験がある方向けの山＞の2つに分けて比較的チャレンジしやすい長野の山を紹介していきます。周辺のおすすめのお宿もあわせてご紹介するので、宿泊して無理なく山登りにチャレンジしてみてくださいね。

出典：Kazmountain7さんの投稿

本州のほぼ中央、八ヶ岳中心高原国定公園の最北部に位置する台地です。最高峰の「王ヶ頭（おうがとう）」は、『日本百名山』のひとつに数えられる標高2,034ｍの山。山頂付近が台地になっていて、危険箇所が少ないため、初心者でも安心して山登りを楽しめます。整備されたハイキングコースがあるので、登山靴ではなくスニーカーでも歩きやすいです。山頂からは、雄大な北アルプスを眺められます。朝焼けの頃や夕暮れ時の北アルプスの姿はとても神秘的で、心が打たれます。

出典：信州煙火行業さんの投稿

自家用車で、山登りのスタート地点となる標高2,000ｍの『山本小屋・ふる里館』の無料駐車場まで行きます。駐車場からは、美ヶ原の牧場の砂利を進み「美しの塔」を見ながら歩きます。ここまでなら、観光客でも楽しめます。歩を進め最高峰の王ヶ頭を目指します。さらに、20分ほど歩いて「王ヶ鼻（おうがはな）」まで行ってみましょう。”御嶽信仰（おんたけしんこう）”に由来する石仏群を見ることができます。往復約8.1km。コースタイムの目安は、約2時間50分です。

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美ヶ原の頂上、標高2,034ｍに建つホテル。360度の絶景を望む雲上のリゾートホテルです。このホテルからは、東に富士山、八ヶ岳、西に乗鞍岳（のりくらだけ）、北アルプス、南に中央アルプス・南アルプス、北に妙高山など『日本百名山』に名前を連ねる41座を見ることができます。360度隙間なく聳える山並みは、まるで異次元のよう。

出典：マックさんさんの投稿

霧ヶ峰は、その名の通り”霧”が多く発生する場所。そのため、夏でもとても涼しいです。これからインスピレーションを受け、大手電器メーカーがエアコンに”霧ヶ峰”という名を付けて販売しています。「霧ヶ峰」は、特定の山の名前ではなく、「車山（くるまやま）」からの溶岩でできた高原一帯の名所。最高峰は、車山となります。『車山高原スキー場』のリフトを使って山頂まで行けるので、気軽にハイキングを楽しみたい方におすすめ。

出典：電気屋の社長さんの投稿

リフトを乗り継ぎ、広大な空を目にしながら一気に車山山頂まで行きます。山頂からは、北アルプス、南アルプス、晴れていれば富士山を望むことができます。山頂からは、「沢渡（さわたり）」というところまで下り、『八島ヶ原湿原』まで足を伸ばします。そして、車山頂上へと戻ってくるコース。トータル距離は、約10.5km。コースタイムは、およそ4時間半です。『八島ヶ原湿原』は、天然記念物に指定されている湿地帯。見る価値あり！

出典：NoMusic NoLifeさんの投稿

『八島ヶ原湿原』を見下ろす丘の上に建つホテルのような山小屋。内装、外装、食事と全てに手作りを心がけているホスピタリティ溢れる全5室の宿です。ランプの灯る食堂で、フランス流の小さなコース料理がいただけます。お風呂の窓からは、乗鞍岳や穂高連峰を眺めることができますよ。

出典：nikonerさんの投稿

茅野市と佐久穂町（さくほまち）にまたがる”北八ヶ岳エリア”に聳える、標高約2,480mの山。標高差が少ないのでハイキングにおすすめなんです。標高約2,230mの地点まで、ロープウェイが運んでくれるので山登り初心者さんでも大丈夫。気軽に高山地帯にアクセスでき、大パノラマの絶景を楽しめちゃいますよ。山頂からは、北アルプスの乗鞍岳、中央アルプスの木曽駒ケ岳（きそこまがたけ）、南アルプスの北岳とアルプス三昧！訪れるなら秋の紅葉シーズンがおすすめ。

出典：リストリンさんの投稿

ロープウェイの山頂駅を降りたら、まずは溶岩台地独特の景観を見ることのできる『坪庭』を巡りましょう。ゴツゴツとした溶岩のお庭散策をし終わったら、いよいよ登山。『坪庭』から少し歩き始めると、シラビソの静かな林をジグザグに登る登山道へと変わっていきます。山頂駅から北横岳の頂上まで約1時間20分、下りは約1時間。往復約3.6kmです。

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北横岳は、南峰と北峰の2つの山頂を持つ山。『北横岳ヒュッテ』は、南峰直下にある登山者のための宿泊施設です。山頂まで約10分の距離に位置するので、食後に日の入り、食前に日の出を見に行くという楽しみ方をできる山小屋。食事が美味しいことでも知られていますよ。

出典：k5aさんの投稿

長野県のほぼ中央に位置する山。その名の通り、鉢を伏せたような山容をもつ山です。周囲をぐるりと名山に囲まれ、日本の高山のほとんどが、等距離で迫ってくるようなダイナミックな絶景を楽しめる山。”レンゲツツジ”の群生地として知られてもいます。毎年6月頃になると山肌が一面レンゲツツジに。山々とのコントラストがとっても美しいですよ。駐車場で車を降りてから、約15分で360度の眺望と高山植物を楽しめるので、山登り初心者にはかなりおすすめです。

出典：Tsuru23さんの投稿

『鉢伏山荘駐車場』に車を停めて、山頂を目指すコースは徒歩約15分という山登り。これでは、さすがに物足りないという方は、鉢伏登山口から往復するコースが良いでしょう。扉温泉にある宿「明神館」の先200m程のところに登山口の標識があるので、そこから鉢伏山の頂上を目指します。しっかりと整備された登山道のため、道がわかりやすく初心者でも安心。登山口から山頂までは、約3時間の道のりとなります。

「明神館」は、神話に登場する伝説の”扉温泉”にある一軒宿。明神館の先が登山口になっているので鉢伏山に登る際には、とても便利な宿ですよ。天の岩戸をかついだ神様もここを訪れてゆっくりとしたとか。頂上の大パノラマ絶景を楽しんだあとは、扉温泉のお湯に浸かって、神様と同じようにゆっくりしていきましょう。

出典：めろことんさんの投稿

大町市（おおまちし）と安曇野市とのあいだに聳える山。標高は、約2,763ｍです。槍ヶ岳（やりがたけ）までの表銀座を縦走するルートの玄関口となっています。山登りを始めた人がいつか登りたい！と思う山のひとつ。美しい姿の山容から”アルプスの女王”とも呼ばれているんです。アクセスも良く、危険な箇所も少ない山。ただ、北アルプス三大急登と呼ばれる尾根を登るので、全くの初心者というより中級者寄りの初心者に向いている山です。

出典：FIGNONさんの投稿

燕岳の登山を安全に楽しむには、体力を温存しつつ登るのがコツ。1泊2日の予定で計画するのが良いでしょう。燕岳の登山口は、標高約1,500mの場所にある山奥の秘湯”中房温泉”。1日目は、この中房温泉からスタートし、北アルプス三大急登と名高い”合戦尾根”を歩き、山小屋『燕山荘（えんざんそう）』を目指します。2日目は、『燕山荘』から山頂をピストンし、中房温泉へと下山します。往復の距離は、約9.2km。初日のコースタイムは、約5時間30分です。

出典：k-tomoさんの投稿

燕岳の頂上稜線にある山小屋。創設は1921年、アルプスでも有数の歴史を誇る山小屋です。収容人数は、600人以上というキャパシティー。北アルプス登山入門の代表的コース上にある山小屋のため、登山者からの人気は絶大。ハイシーズンはかなり混雑します。喫茶サンルームで食べられるケーキが有名で、女性の登山者にも人気の宿なんです♪予約をとってから登山計画をしましょう。

出典：ryo3830さんの投稿

「乗鞍岳」は、北アルプスの南端、松本市と岐阜県の高山市にまたがる23の峰の総称。最高峰は、剣ヶ峰（けんがみね）で標高約3,026ｍです。3,000m級の山にもかかわらず、標高約2,702mの地点まで自動車道路があるので、登山の難易度が低いのが特徴。日帰りも可能です。初心者におすすめの山として度々雑誌などにも紹介されているんです。山頂一帯は、火口湖、ハイマツ帯*があり、残雪が残っていることも。初心者でも、3,000m級の山の大自然に触れることができるんです。

*ハイマツ…高山帯の代表的な樹木

出典：ちょいちょいさんの投稿

『乗鞍観光センター』からは、”マイカー規制”。観光バスに乗り換えて、登山口である『畳平駐車場』まで向かいます。畳平に到着したら、いよいよ乗鞍登山です！見晴らしの良い平坦な道を『肩ノ小屋』まで歩いていきます。岩がゴロゴロ。急坂が続きます。休憩を適度に入れ、無理せず登って山頂を目指しましょう。『畳平駐車場』から剣ヶ峰の山頂までの所要時間は、約1時間30分。下りは、約1時間20分が目安です。距離は、往復約6.1km。余裕を持って行動をしてくださいね。

乗鞍岳の中腹、標高約2,350mに位置する山小屋。四季折々の美しい山岳風景を見渡せる”天空のオアシス”のような宿です。山の静寂を感じるには、充分すぎる環境。”鹿鍋”は、宿の名物料理となっています。山小屋独特の雰囲気が、なんともいえません。

出典：todoさんの投稿

「蝶ヶ岳」は、北アルプスに位置する常念山脈の主峰です。5月末から6月にかけて、山頂の南側の稜線に、蝶の形をした残雪が現れることから「蝶ヶ岳」という名が付けられた山なんです。起伏が少ない山なので、北アルプス入門の山として人気があります。登山初心者の方が、中級レベルにステップアップする際にチャレンジしてみると良いでしょう。山頂からは、燕岳方面の表銀座コースの稜線、槍ヶ岳や穂高岳の素晴らしい風景を眺められます。

出典：FIGNONさんの投稿

蝶ヶ岳登山は、1日の行動距離がとても長くなります。初心者は、1泊2日の登山計画で行うのがおすすめ。三股登山口という場所からスタートするコースは、*鎖場（くさりば）や梯子で登るような難所はないですが、登山装備は必要です。登山口にある管理小屋で、登山届を出して1日目の登山がスタート。登山道の途中に突如現れる”ゴジラの木”に感動したりしながら、山頂を目指します。山頂付近は、強風の名所。体温調整に充分注意してください。2日目は、1日目と同じルートを下っていきます。行きの所要時間は、およそ5時間。途中の『まめうち平』には、ベンチがあるので休憩しながらゆっくり登って高山病にかからない注意しましょう。

*鎖場…登山道や岩場に、登山者の安全確保のために捕まって登れるように鎖を固定した場所

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蝶ヶ岳の山頂直下にある山小屋。周囲は、南北にのびる二重山稜やお花畑、湿地など高山の自然に囲まれています。赤い屋根が、山岳風景にとっても映えて、まるでリアル”アルプスの少女ハイジ”の世界観です。安曇野産のお米や大豆を使用した手作りの食事が美味しいと評判。ご飯を目当てに登山しちゃう人もいるみたい。

出典：Oki327さんの投稿

木曽谷と伊那谷にまたがる山脈の最高峰。標高は、約2,956mです。”日本アルプス”デビューをしたいという観光目的で登る人が数多く押し寄せる山。標高約2,612mの地点まで、ロープウェイで一気に運んでくれます。日本一の高低差のあるロープウェイに乗車するだけでも良い体験。所要時間は、約7分30秒。終着駅は、氷河で浸食された反映形の窪地”カール”の地形を見ることのできる景勝地『千畳敷（せんじょうじき）』です。ここまでなら、登山初心者ばかりでなく、観光目的の人でも安心して高山の絶景を楽しめます。

出典：nikonerさんの投稿

木曽駒ケ岳の登山らしい登山は、『千畳敷』からはじまります。『千畳敷』から山頂までは、上りが約2時間。下りが約1時間20分です。距離は、往復で約3.5km。稜線に出るまでは、急な坂が続くので、落石や転倒に注意して歩きましょう。しばらく歩けば、あとは緩やかな登山道。中岳へと進んでいきます。中岳からいったん下り、岩のゴロゴロした登山道を登れば山頂。ハイマツの緑と花崗岩砂の白のコントラストが美しい景色を眺められます。

出典：

国内最高所で営業するホテル。標高2,612ｍの『千畳敷』に佇むホテルです。美しいアルプスの山並み、下界では見ることのできない”雲海”、真っ青な空、雄大な星空などを見ることができます。山小屋ではなく、ホテルなので全て個室。相部屋となるプランがないので、知らない人と雑魚寝することもないから女性には安心の宿ですね。

出典：giwaさんの投稿

伊那市と山梨県北杜市にまたがる山。赤石山脈の北端に位置する標高約2,967mの山です。全国には、”駒ケ岳”と名の付く山が、20座以上あります。その中で一番の高さを誇るのが「甲斐駒ヶ岳」なんです。山容は、ピラミッド型でとてもかっこよい山です。標高2,000mまでバスで登って山頂を目指すので、初心者もチャレンジしやすい山。山頂付近は、大きな岩を登らなければならない箇所もありますが、南アルプス入門の山としておすすすめです。広々とした山頂からはパノラマの絶景を楽しむことができます。

出典：FIGNONさんの投稿

登山口は、北沢峠がおすすめ。長野県側の『伊那市長谷戸台バス乗り場』からバスに乘って、約1時間かけて北沢峠へと向かいます。車窓からは、甲斐駒ヶ岳の雄姿も眺められ、ワクワクしますよ。北沢峠の登山口から、いよいよ登山スタート。ハイマツの斜面を登ったり、白い花崗岩と砂礫の斜面を登ったりして、山頂を目指します。距離は、往復約6.7km。コースタイムは、往復約7時間10分です。

長野県南部の伊那盆地で最大の高原といわれる『駒ヶ根高原（こまがねこうげん）』にあるリゾートホテル。『にっぽん温泉100選』に選ばれた「早太郎温泉（はやたろうおんせん）」のお湯を引き湯した露天風呂があります。名湯で、汗と疲れをしっかりと流しましょう。欧風料理に和のテイストを取り入れた、ビュッフェスタイルの食事も人気。モリモリ食べて、登山で消耗した体にたっぷり栄養をゆきわたらせるのも忘れずに。

出典：梵天丸さんの投稿

長野県には、初心者でも日帰りハイキングを楽しめる山から1泊～2泊して本格的な登山を経験できる山までたくさんあります。どの山も、下界とは異なる絶景に出会うことができます。山登りは、自然を感じながら全身を動かすとっても爽快なアクティビティ！山頂に辿り着けば、さらなる名峰を登りたくなるはず。気が付いたときには、あなたも立派な山ガールになっているかも。