定番名古屋めし・味噌煮込みうどんの始まり？ “たまり煮込みうどん" が食べられるお店はここ！

名古屋で「煮込みうどん」と言えば、思い浮かぶのは「味噌煮込みうどん」ですよね。でも、実は、味噌煮込みうどんよりも先に「たまり煮込みうどん」というものがあったのだそうです。「すまし煮込みうどん」「しょうゆ煮込みうどん」とも呼ばれているこの煮込みうどんについて、今回はご紹介していきましょう。

たまりというと、お刺身に使う「たまり醤油」を想像する方が多いかもしれません。しかし、うどんやきしめんのだし汁に使う「たまり」は、たまり醤油とは異なるものです。しょうゆが大豆と麦から作られるのに対し、たまりは大豆のみから作られます。見た目はしょうゆとあまり変わりませんが、味噌のような独特の香りが特徴で、うま味成分も多いのだとか。たまりでだし汁を作ると、しょうゆで作るよりも濃厚な仕上がりになるそうです。

以前は、名古屋のうどん屋さんへ行くと、「煮込みうどん」「味噌煮込みうどん」というようにメニューが分かれていたのだそうです。時代を経て、味も見た目もインパクトのある「味噌煮込みうどん」が主流となり、"すまし" の煮込みうどんはメニューから姿を消してしまったのだとか。それでも、すまし煮込みうどんは今でもちゃんといただけるんですよ。名古屋で食べられるお店をピックアップしてみましたので、気になる方はぜひ行ってみてくださいね。

昔ながらのうどん屋さん、といった雰囲気です。お昼時ともなれば、近隣でお勤めの方々であっという間にいっぱいになってしまう程の人気店。寒い時期だけでなく、1年通して味噌煮込みうどんを食べている方がたくさん。暖簾を見ても分かる通り、味噌煮込みうどんがイチオシのお店ではありますが、カレー煮込みうどんや、醤油煮込みうどんも美味しいのだとか。

まろやかな出汁と優しい風味が特徴の「醤油煮込うどん」。うどんは味噌煮込み同様の歯ごたえのあるうどんを使っており、いわゆる「鍋焼きうどん」とは一線を画す独特な煮込みうどんなのだそう。うどんの風味やコシを純粋に味わいたいなら、だんぜん味噌より醤油！という方もいるのだとか。ぜひ一度お試しください。

味噌煮込みうどんと違って、具が味噌の味に染まっていないところが美味しい！という人もたくさんいるようです。

昭和49年創業、老舗のうどん屋さんです。名古屋の中心街からは少し離れますが、知る人ぞ知る味噌煮込みうどんで有名なお店。煮込みうどん系は、すべて注文が入ってから麺を切るのだとか。もちもちした麺は「まことや」ならではです。

見た目はふつうの鍋焼きうどん風ですが、麺はしっかりと「味噌煮込み風」のしっかりしたタイプ。そのギャップが新鮮で、味噌煮込みうどんの名店でありながら、「すましにこみ」にも根強いファンがいるのだそう。

名古屋には「山本屋」と名のつく味噌煮込みうどん店がたくさんありますが、こちらは「山本屋総本家」や「山本屋本店」とは全く別物の「山本屋 大久手店」。老舗ですが、リニューアルされているのでお店は新しく、内装もきれいです。メニューも豊富で、お子さんからお年寄りまで食事を楽しめるお店です。

山本屋 大久手店の煮込みうどんは、細めの麺が特徴です。「おすまし煮込みうどん」ももちろん同様。うどん出汁は丸みのある優しい味わいで、風邪をひいたときなどに食べたらあっという間に元気が出そうな、滋味あふれる一品です。

ひそかにファンの多いすまし煮込みです。

たまりの煮込みうどんは、実は名古屋でも知らない人が多いんです。どうしても、味噌煮込みうどんのインパクトが強いので、なんとなく影の薄い存在になってしまっているようですね。でもこうやって見るとなんだかとっても美味しそうではありませんか？たまりのコクとうま味を味わってみたくなります。次回は、味噌煮込みうどんの代わりに、たまり煮込みうどんにチャレンジしてみませんか？