2016年09月05日

絶景揃いの世界遺産を見に行こう!世界が認める日本の「自然遺産」

絶景揃いの世界遺産を見に行こう!世界が認める日本の「自然遺産」

2016年7月、トルコで開催された世界遺産委員会によって上野の「国立西洋美術館」が登録され日本に世界遺産がまた1つ増えました!全部で20件の登録がある日本の「世界遺産」。実はそのほとんどが「文化遺産」としての登録で、「自然遺産」は4件しかないことご存知ですか?今回はそんな世界が認める「自然遺産」の屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島をご紹介します。

日本の世界遺産を見に行こう!

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出典:ラ・カンパネラさんの投稿

世界遺産とは、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて「顕著な普遍的価値」を持つと認められUNESCOに登録された、遺跡などの文化財や自然のこと。日本には、富士山や原爆ドーム、白川郷・五箇山の合掌造り集落など、現在20件の世界遺産が存在します。

日本が有する世界遺産は16の文化遺産と4つの自然遺産

日本が有する世界遺産は16の文化遺産と4つの自然遺産713402

出典:R‐manさんの投稿

世界遺産の種類は「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の全部で3つあります。現在登録されている日本の世界遺産の内訳は、「文化遺産」16件・「自然遺産」4件となっています。四季折々に日本ならではの美しい表情を見せてくれる世界遺産の数々。たまには日常生活を離れて、そんな絶景を見に行く旅に出かけてみませんか?


日本が有する世界遺産は16の文化遺産と4つの自然遺産713524

出典:Her0さんの投稿

今回は、そんな日本の世界遺産の中でも神秘的な美しさを誇る、日本に現在4つしかない自然遺産「屋久島」、「白神山地」、「知床」、「小笠原諸島」。一生に一度は足を運んで自分の目で確かめて頂きたいその絶景スポット4ヶ所をご紹介していきます。

【屋久島(やくしま)】―鹿児島県

【屋久島(やくしま)】―鹿児島県719359

出典:おと♪さんの投稿

1993年に、「白神山地」と共に日本で初めて世界自然遺産として登録された「屋久島」は、九州本土南端の鹿児島県佐多岬から60㎞程南に位置します。原始から受け継いできた美しい自然が残っている神秘的な島です。「もののけ姫」の精霊“こだま”が宿る森の舞台にもなりました。

【屋久島(やくしま)】―鹿児島県732103

出典:oochamaさんの投稿

屋久島には、日本で確認できる植物の7割以上もが存在し、自生する固有種は約40種類とも言われています。代表的なのが、ヤクシマリンドウ、ヒメコイワカガミです。「ひと月に35日雨が降る」とも言われ降水量の多さでも有名な島内ですが、あたり一面が苔に覆われた美しい森や透き通った清流、霧に囲まれた幻想的な景色など、心地よい湿度を感じながら森林をめぐるツアーは屋久島でしか体験できません。

ベストシーズンは?

ベストシーズンは?719278

出典:麻*さんの投稿

季節ごとに楽しめるポイントが違うのがまた大きな魅力の屋久島。春は山桜や、新緑の照葉樹林が広がる西部林道が美しく、秋は山の中の紅葉が見どころ。1年の中でも特に、シーカヤックやダイビングなどを通して山、海、川が楽しめ、沿岸ではウミガメの産卵や孵化も観察できる5月~9月が観光客に人気のベストシーズンとなっています。

樹齢数千年の“世界の宝”「屋久杉」に会いに行こう

樹齢数千年の“世界の宝”「屋久杉」に会いに行こう720920

出典:雲くじらさんの投稿

杉の寿命は一般的に500年ほどとされていますが、屋久島には1000年以上前の巨木が多く残っており、それらの杉が「屋久杉」と呼ばれています。標高1000mの辺りに位置する「ヤクスギランド」の自然散策コースは、樹齢数千年の立派な屋久杉が多数自生する森を気軽に鑑賞できると登山初心者にも経験者にも人気です。

樹齢数千年の“世界の宝”「屋久杉」に会いに行こう719709

出典:yuuki0606さんの投稿

屋久杉の中でも最古であり最大と言われる巨木「縄文杉」は、屋久島のシンボル的存在です。縄文杉に会いに行くためには往復22kmを10時間以上かけて登る本格的な登山が必要になってくるため、事前準備が必須ですが、この風貌を一目見たいと世界中から登山客が集います。古代から風雪に耐え抜き、目の前に厳然とそびえ立つその生命力は圧巻です。

緑の苔に覆われた幻想的な森

緑の苔に覆われた幻想的な森721049

出典:加奈多 *ฅ•ω•ฅ*さんの投稿

屋久島の森の随所で深緑の苔に囲まれた幻想的な絶景が見られます。「白谷雲水峡」は「もののけ姫」の舞台にもなったとされ、森の精霊“こだま”が今にも現れそうな、この上なく美しい景観に心底癒されます。

▼屋久島についてもっと詳しく知りたい方は、この記事をチェック

【白神山地(しらかみさんち)】―秋田県・青森県

【白神山地(しらかみさんち)】―秋田県・青森県721143

出典:Tomaさんの投稿

青森県と秋田県にまたがる「白神山地」は、「人為的な影響をほとんど受けていない原生的なブナ林が世界最大級の規模で分布していること」が評価され、1993年に世界自然遺産に登録されました。その手つかずの広大な自然の中では、天然記念物に指定された動物や多種多様な植物などが息づいており、貴重な生態系が保たれています。

【白神山地(しらかみさんち)】―秋田県・青森県732254

出典:takuuumiさんの投稿

雄大に連なった山地には、いくつもの神秘的な湖や川、さらに、深い谷が入り組んでいるため、落差が大きく迫力満点の滝も数か所に点在。屋久島と同じく、白神山地もまた「もののけ姫」の舞台になっており、その幻想的な大自然の絶景に心が洗われます。ちなみに白神山地の世界遺産指定地域は、核心地域(コアエリア)と緩衝地域(バッファエリア)に分けられていて核心地域は人間が立ち入ることで自然環境へ影響が出ないようにするため入山禁止となんです。

手つかずの貴重なブナ林と多種多様な動植物

手つかずの貴重なブナ林と多種多様な動植物721160

出典:RAW-RIDERさんの投稿

氷河期が終わったおよそ8000年前から存在すると推定される白神山地のブナ林は、保水能力が優れており、「天然のダム」とも言われるほど。動物の餌となる植物も多く、生き物が住みやすい豊かな環境となっています。空に向かってまっすぐそびえ立ち、生命力みなぎるブナの木は新緑の季節も紅葉の季節もそれぞれの良さがあり、美しいです。

ベストシーズンは?

ベストシーズンは?721140

出典:鳥猫日和さんの投稿

白神山地のベストシーズンは、新緑に囲まれて散策できる6月から、美しい紅葉が見ごろの10月。豊かな景観を背景に多種多様な動植物に出会えるのも見どころ。初心者でも楽しめるようなさまざまなツアーコースも充実しています。

未だ解明されていない神秘的なコバルトブルー!十二湖の「青池」

未だ解明されていない神秘的なコバルトブルー!十二湖の「青池」721147

出典:Rocherさんの投稿

広大なブナの森には大小33の湖沼があります。それらが「大崩(標高694m)から見ると湖沼数が12に見えた」事が由来となり「十二湖」と呼ばれています。中でも、まるで青いインクを垂らしたかのように神秘的な「青池」は、池に沈んだ枯れ木まで見える透明度の高さ。葉っぱが浮かんだ光景は、星が輝く夜空のようにも見えます。この美しいコバルトブルーは完全に自然が作り出した色だそうで、原因は解明されておらず、十二湖の中で最も有名な奇跡の池です。

「暗門の滝」でたっぷり浴びるマイナスイオン

「暗門の滝」でたっぷり浴びるマイナスイオン722561

出典:川崎@さつきさんの投稿

白神山地に点在する滝の中でも人気なのが、第一から第三までの3段からなる「暗門の滝」。散策ルートも比較的整備されており、ブナや松などが生い茂る渓流沿いの遊歩道で森林浴を楽しみながらたどり着くことができます。

▼白神山地についてもっと詳しく知りたい方は、この記事をチェック

【知床(しれとこ)】―北海道

【知床(しれとこ)】―北海道722655

出典:鷹山さんの投稿

オホーツク海に面した北海道の“ツノ”部分に位置する「知床」。2005年に、「海と陸の生態系が関係しあう豊かなつながりがあること」「絶滅危惧種などの貴重で多様な動植物が生息し、それらを保護管理する体制が整っていること」などが評価され、世界自然遺産に登録されました。

【知床(しれとこ)】―北海道734927

出典:ぱんだやさんの投稿

知床とはアイヌ語で「シリエトク」=「地の果て」。その名のように、人を寄せ付けない厳しい気候と地形によって豊かな手つかずの大自然が残されてきたと言われています。また、標高0mの海岸から標高1600mの高山まで、複雑な地形が動物たちにとって子育てしやすい環境を与えています。

【知床(しれとこ)】―北海道734937

出典:Ippukuchoさんの投稿

知床の代表的な景勝地は「知床八景」として、「オシンコシンの滝」「オロンコ岩」「夕日台」「プユニ岬」「フレペの滝」「知床峠」「知床五湖」「カムイワッカ湯の滝」の8ヶ所があり、観光に外せない有名なスポットです。

ベストシーズンは?

ベストシーズンは?722719

出典:いぬすけさんの投稿

流氷がオホーツク海にやってくるのは寒さが厳しくなる1月~3月頃。この時期は、流氷の上を歩ける流氷ウォーク、海中から流氷を見上げることができる流氷ダイビング、あたり一面流氷に覆われた広大な海をクルーズできる流氷クルーズなどオホーツク海の流氷を存分に楽しめるおすすめシーズン。その他にも、新緑が芽吹き、エゾシカや野鳥など知床の動物たちの子育てでにぎやかになる6月~8月、紅葉が美しくサケやマスたちが遡上してくる9月~10月頃など、四季折々の良さがあり1年中楽しむことができます。

海・山・川をつなぐ命の循環

海・山・川をつなぐ命の循環739476

出典:MikaHさんの投稿

豊富なプランクトンから始まり、海・山・川をつなぐダイナミックな食物連鎖によって豊かな生態系が作り出されているのが知床の特徴。天然記念物のオオワシ、オジロワシ、シマフクロウなど、国際的な希少種とされる多くの生き物の生息に不可欠な環境なんです。

知床連山の大パノラマを映しこむ「知床五湖」

知床連山の大パノラマを映しこむ「知床五湖」722665

出典:鈴蘭☆さんの投稿

知床半島を空から見ると、原生林に囲まれた中に大小五つの湖が見えます。それが、一湖から五湖の名前がつけられた、知床八景の一つ「知床五湖」です。知床五湖を観光するには、「高架木道」と「地上遊歩道」の大きく分けて2種類のルートがあり、往復1.6km~3kmで歩きやすく整備されていますが、ヒグマの出没状況によってはルートが閉鎖される場合もあります。

迫力のある癒しの滝「オシンコシンの滝」

迫力のある癒しの滝「オシンコシンの滝」723121

出典:雪男13さんの投稿

途中から水流が2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれ、「日本の滝100選」にも選ばれました。滝の上のほうには展望台があり、オホーツク海や知床連山を一望できます。特に冬は、流氷におおわれ見渡す限り真っ白な、知床ならではの大海原の絶景が見られるのでおすすめ。また、滝の勢いが迫力満点なのは雪解け後の6月頃です。

▼知床についてもっと詳しく知りたい方は、この記事をチェック

【小笠原諸島(おがさわらしょとう)】―東京

【小笠原諸島(おがさわらしょとう)】―東京724218

出典:snow dolfhinさんの投稿

東京から南に約1000km離れた広大な太平洋に浮かぶ「小笠原諸島」は、南北約400kmに渡って散在する孤島群です。父島、母島、硫黄島など大小30余りの島々が含まれますが、その中で一般の人が生活しているのは父島・母島だけで、その他の島は無人島。

【小笠原諸島(おがさわらしょとう)】―東京734950

出典:

これまで一度も大陸と陸続きになったことがないため、島にたどり着いた生物はここで独自の進化を遂げてきました。その結果、小笠原諸島でしか見られない固有種の割合が高く、進化は現在も進行中であることなどが評価され、2011年に自然遺産に登録されました。

【小笠原諸島(おがさわらしょとう)】―東京734948

出典:DoWarさんの投稿

交通手段はフェリー・船のみで飛行機はありません。定期便は約6日に1便、繁忙期でも約3日に1便ほどしかない船「おがさわら丸」のみ。東京竹芝桟橋から父島まで片道24時間かかりますが、それ以上の価値のある、まさに“楽園”。また、亜熱帯に属するため1年を通して気温差があまり大きくなく雨天も比較的少ないので、いつ行っても過ごしやすい気候なんです。

美しすぎる紺碧の海と大自然の緑のコントラスト

美しすぎる紺碧の海と大自然の緑のコントラスト724747

出典:Auroraさんの投稿

小笠原諸島の主島である「父島」は、島全体が国立公園に指定されています。山には貴重な固有種が存在し、紺碧の海にはサンゴ礁や熱帯魚、イルカも1年中泳いでおり、クジラも子育てにやってきます。ビーチもたくさんあり、シュノーケリングやダイビングなど、美しい海の中の景色を存分に楽しむことができます。

ベストシーズンは?

ベストシーズンは?724761

出典:

メインイベントを何にするかで変わってくるベストシーズン。迫力のホエールウォッチングをメインにするならベストシーズンは2月~4月。展望台などの陸上からと、クルージングやダイビングなどで見られる洋上と、どちらでも楽しむことができます。イルカはほぼ通年観察することができます。ダイビングがメインなら海の透明度がグンと上がる9月以降がおすすめです。

1日に入島できるのは100人まで!国の天然記念物「南島」

1日に入島できるのは100人まで!国の天然記念物「南島」724764

出典:Auroraさんの投稿

父島から船で数十分の位置にある「南島」は、多種多様な植物が存在し、ウミガメや海鳥が立ち寄る産卵地。ミズナギドリやカツオドリを始め、珍しい動植物が生息するそのありのままの自然を保護するため、1日に上陸できる観光客は、認定ツアーガイド同行の上100人まで。他にも、滞在時間は2時間など、いくつかのルールが定められていますが、それだけ価値のある、一度は立ち寄りたい島。また、真っ白な砂浜に、宝石のようなコバルトブルーの池とのコントラストが映える「扇池」は、シュノーケリングも楽しめる有名なスポットです。

夜の小笠原も見どころがたくさん!

夜の小笠原も見どころがたくさん!724780

出典:Auroraさんの投稿

小笠原で見上げる美しい星空は有名ですが、星空の下で巡る“ナイトツアー”も多く催行されています。緑に光る夜光茸と呼ばれるキノコや、固有種の天然記念物“オガサワラコウモリ”、その他小笠原でしか見られない夜行性の生き物などが夜の森や海辺で観察できます。

小笠原諸島にしかいない動植物に会いに行こう!

小笠原諸島にしかいない動植物に会いに行こう!724800

出典:ぱるさんの投稿

世界で母島にしか生息しておらず、特別天然記念物に指定されている「ハハジマメグロ」など、小笠原諸島は「野鳥の宝庫」でもあります。ここでしか出会えない生き物や珍しい植物を見つけるのも大きな楽しみです。

島の人が総出でお見送り!感動の出港パフォーマンス

島の人が総出でお見送り!感動の出港パフォーマンス725068

出典:DoWarさんの投稿

小笠原諸島観光のラストを飾ってくれるのが、島にいる人たちからの感動的なパフォーマンス。港での“南洋踊り”や“小笠原太鼓”から始まり、出港時には他の船で並走しておがさわら丸をお見送りしてくれます。見送る側も見送られる側も最高の思い出になりますね!

▼小笠原諸島についてもっと詳しく知りたい方は、この記事をチェック

いかがでしたか?まるで映画か異次元の世界に飛び込んだかのように幻想的で貴重な大自然が、現在だけで日本に4ヶ所も存在するなんて素晴らしいことですよね。一生に一度は行ってみたい日本の自然遺産。世界が認めるその感動の光景があなたの人生をも変えてくれるかもしれません。

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