2022年10月05日

禅を通して自由におおらかに。京都観光で行きたい、おすすめ禅寺12選

禅を通して自由におおらかに。京都観光で行きたい、おすすめ禅寺12選

仕事のこと、人間関係のこと…。ストレスとなって、日々心に蓄積されていくそんなもやもや。好きなものを気にせず食べたり、パーッとお買い物をしたりといった発散方法もいいですが、ありのままのしなやかな心の柱を取り戻すことで、なるべくストレスを感じずに過ごすことができるなら、それが一番ですよね。それが叶えられるのが、仏教の教えのひとつ「禅」を学ぶこと。今も変わらず多くの社寺が残る古都・京都には、臨済宗や曹洞宗をはじめ、禅宗の寺院がたくさんあります。そこで今回は、京都旅行におすすめの禅寺をご紹介します。

いまこのときに集中し、幸せを手に入れましょう

仕事のことにプライベートのこと…。いろんなストレスが心の中に溜まっていくと、心身ともに疲れますよね。お買い物や食事などストレスの発散方法は色々ありますが、そんなふうに発散していると、際限がなくなってしまい、あまり気分よくは感じられないもの。ストレスになることもなるべく受け流せるような「心の柱」を築くことで、満ち足りた気持ちで毎日を過ごせたら、それが一番幸せですよね。

仏教の教えのひとつである「禅」。いまこのときに集中し、足るを知ることを学べる禅は、ストレスフルな日々を過ごすわたしたちが取り入れたい、先人たちによって築かれた教えです。現代人は「あれもほしい、これもほしい」と欲に支配されてしまいがちですが、本来、人生を幸せに生きる上で必要なものはそう多くはありません。欲から解放され、しなやかで自由な生来の姿を取り戻すことによって、自分自身も含めた万物への感謝の気持ちが自然に生まれる…、禅はそんな幸せな心の在り方を教えてくれます。

京都観光でも禅のお寺を参拝しよう

黄梅院

1000年の都・京都にはいまも数多の歴史ある社寺が残り、街を歩いているだけでいくつもの神社仏閣と出合うことができます。そんな京都だから、禅に触れられるお寺もたくさん。そこで今回は、京都にある格式の高い12の禅寺をピックアップして、その見どころをご紹介していきます。坐禅や写経、茶道を体験したり、見事な天井画や枯山水庭園に見惚れたりと、境内に流れる禅の精神に触れてみましょう。

1.京都五山の別格で、臨済宗南禅寺派の大本山

南禅寺

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出典:

京都にある「京都五山」とは、臨済宗の寺院の寺格のこと。そんな5つのお寺の最上位・別格とされているのが「南禅寺」です。境内に入る前から、圧倒的な「三門」の美しさに引き込まれるはず。この三門は「日本三大門」に数えられている重要文化財。二重門構造の2階建てで、上層の「五鳳楼」では22mの高さから京都市街や境内を見渡すことができ、美しい景色に癒されますよ。

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出典:

南禅寺の中心となる建物「法堂」は、大きな欅の円柱に支えられた美しい建造物。特に、今尾景年が描いた天井画「幡龍図」は必見です。また、境内全体が国の史跡に指定されている空間で、早朝6時からの「暁天坐禅」や、般若心経の唱和と法話を体験できる「写経会」に参加するなど貴重な機会を得ることも。さらに宿坊「南禅会館」に宿泊すれば、朝のお勤めに参加して間近で禅僧たちの所作を学べて、より禅の精神に触れることができますよ。

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出典:izzuo119さんの投稿

国指定の名勝「方丈」では、江戸時代の初期に造られた枯山水庭園に感動。方丈は住職の住居で、南禅寺の方丈は国宝に指定されています。「大方丈」と「小方丈」の2つの建物で構成されていて、狩野派の絵師による障壁画で飾られた居室、解脱した心を表現した「如心庭」など、見るものすべてが本来の自分の心の在り様を教えてくれますよ。

煉瓦アーチ

赤レンガ造りのアーチが連なる「水路閣」もマスト。全長は約93.2m、高さは最大13mもの大きさで、琵琶湖の水を京都へ運ぶ「琵琶湖疏水事業」に伴って明治21(1888)年に造られたものです。境内に馴染む西洋風の近代建築はフォトスポットでもあり、アーチの中で写真を撮るのが人気ですよ。ちなみに琵琶湖疏水は現在も流れているので、水路閣の上まで上って水流に沿った道をゆっくり散策しても◎。

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出典:蒼ねこさんの投稿

水路閣を堪能したら、アーチをくぐって階段を上り、南禅寺発祥の地「南禅院」も見学しましょう。「京都三名勝史跡庭園」に指定されている池泉回遊式庭園が魅力です。心という字を模した「心字島」のある「下池」、龍の形に造られた「上池」の2つの池があり、その美しさにうっとり…。じっくりと眺めて、自然の美しさを改めて感じてみませんか。

南禅寺の詳細情報

南禅寺

住所
京都府京都市左京区南禅寺福地町
アクセス
1) JR京都駅から市バスで30分 2) 地下鉄東西線蹴上駅から徒歩で10分
営業時間
8:40〜17:00 [12月〜2月] 8:40〜16:30
定休日
[12月28日〜12月31日]
料金
方丈庭園/大人 600円、高校生 500円、小中学生 400円 三門/大人 600円、高校生 500円、小中学生 400円 南禅院/ 大人 400円、高校生 350円、小中学生 250円
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2.法堂の天井画は必見!臨済宗建仁寺派の大本山

建仁寺

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出典:

京都で最古の禅寺である「建仁寺」は、臨済宗の開祖・栄西によって開かれたお寺。京都五山の中では第三位にあり、明和2(1765)年に建造された「法堂」にはご本尊の釈迦如来座像などが安置されています。坐禅会や写経体験のほかに、屏風や天井画などの質の高い日本の美術作品を堪能できますよ。

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出典:izzuo119さんの投稿

これを見るためだけに全国各地から多くの人が訪れる、法堂の「双龍図」。建仁寺の創建800年を記念して日本画家の小泉淳作が製作したもので、なんと畳108枚もの大きさなんです。2頭の龍は万物の始まりと終わりを意味する「阿吽(あうん)」で対になっていて、完成まで約2年の歳月をかけて丹念に描き込まれています。

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出典:

建仁寺の「方丈」では、複数の面が大胆に使われた美しい襖絵を鑑賞できます。国宝である俵屋宗達の「風神雷神図屏風」、海北友松による「山水図」や「雲龍図」など、精巧に復元された安土桃山時代の作品に圧倒されますよ。また、現代の作家によって近年製作されたモダンな襖絵もあり、一面に広がるブルーが果てしなく美しい鳥羽美花氏の「舟出」は、絹織物を染め上げて描かれたもの。その繊細な美しさに心満たされます。

京都 建仁寺 潮音庭(ちょうおんてい)の新緑   

方丈で襖絵を鑑賞しつつ、ひと休みは素晴らしい庭園の前で。本坊の「潮音庭(ちょうおんてい)」は回廊に囲まれた四角い庭園で、縁側で石や苔の美しさに癒されるひとときを過ごせます。ほかにも、丸・三角・四角の記号で作られた「〇△ロ乃庭」や、洗練された枯山水庭園「大雄苑」など、心が洗われるような美しい庭園を堪能できますよ。

建仁寺の詳細情報

建仁寺

住所
京都府京都市東山区大和大路四条下ル小松町584
アクセス
JR京都駅から市バスで20分
営業時間
10:00〜16:30 (閉門17時)
料金
拝観料一般 600円 中高生 300円 小学生 200円

3.境内に広がるのは別世界。臨済宗東福寺派の大本山

東福寺

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出典:

京都五山の第四位に位置する「東福寺」の特徴は、巨大な伽藍を多く有しているところ。鎌倉時代の公卿・九条道家が造営し、着工から19年もかけて完成させました。なかでも国宝の「三門」は禅宗寺院の三門の中では最古にして最大の大きさで、迫力のある建造物だらけの境内はまるで別世界。お寺の主要な設備・七堂伽藍(しちどうがらん)も、禅寺として日本最大級の伽藍が集まっています。

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出典:京子たんさんの投稿

境内に「洗玉澗(せんぎょくかん)」という渓谷が流れているのも、東福寺の魅力のひとつ。3つの木造の橋が架かっていて、なかでも写真の「通天橋(つうてんきょう)」は一番眺めのいい橋です。この橋は本堂と開山堂をつなぐ修行僧のためのもので、静かに渓谷を見ながら歩くだけで自然と心が整っていくのを感じられそう。青紅葉の頃や冬季は人が少なくなるので、3つの橋廊をゆっくり巡って景色や建築を見比べてみては?

東福寺 通天橋の紅葉

東福寺は紅葉の名所でもあり、時期になると境内も渓谷も色とりどりに染まります。その多さは、渓谷に架かる3つの橋のうち、ひとつの橋の上から別の橋を眺めてみると、色鮮やかな葉っぱの勢いで橋が埋もれて見えなくなってしまうほど。境内にも赤や黄色の葉が降り積もり、紅葉の絨毯の中を歩く情感あふれるひとときを過ごせます。

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出典:

東福寺は庭園も一風変わっていて、「方丈」を取り囲むように東西南北に4つの庭園が設えられています。なかでも、苔土と石で市松模様がデザインされている「北庭」は必見。奥にいくほど模様が消滅していく様子は、釈尊の入滅を表現しています。心静かに見つめていると次々と違う表情が立ち上がってくる北庭を含め、重森三玲の作庭した意匠の異なる4つの庭を堪能しましょう。

東福寺の詳細情報

東福寺

住所
京都府京都市東山区本町十五丁目778
アクセス
1) JR京都駅から市バスで15分 2) JR奈良線・京阪本線東福寺駅から徒歩で10分
営業時間
[4月〜10月] 9:00〜16:00 (拝観受付終了は16:00、16:30に閉門) [11月〜12月上旬] 8:30〜16:00 (拝観受付終了は16:00、16:30に閉門) [12月上旬〜3月] 9:00〜15:30 (拝観受付終了は15:30、16:00に閉門)
料金
【通常期拝観料 (下記の秋季期間以外)】 通天橋・開山堂 大人:600円,小人:300円 東福寺本坊庭園(方丈)大人:500円,小人:300円 東福寺本坊庭園(方丈)、通天橋・開山堂 (共通拝観券) 大人:1,000円,小中学生:500円 【秋季拝観料:11月10日〜11月30日】 東福寺本坊庭園 (方丈) 大人:500円,小人:300円 通天橋・開山堂 大人:1,000円,小人:300円 東福寺本坊庭園(方丈)、 通天橋・開山堂(共通拝観券) 設定なし

4.世界遺産の明媚な禅寺。臨済宗天龍寺派の大本山

天龍寺

京都 天龍寺の紅葉 

京都五山で第一位にある「天龍寺」は、約700年前に夢窓国師が作庭した「曹源池庭園」の息を飲むような美しさを堪能できるお寺。嵐山や小倉山を借景として造られたこの庭園は、日本で最初に史跡・特別名勝となったことでも有名で、現在は世界遺産にも登録されています。境内にある天龍寺直営の「篩月(しげつ)」では、「ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022」掲載の精進料理もいただけますよ。

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出典:FreeWolfさんの投稿

曹源池庭園は池の周りを歩きながら庭園を鑑賞できる池泉回遊式庭園で、それに面した「大方丈」や「小方丈」からは額縁に入った絵画のような景色を眺められます。なかでも、大方丈の縁側に座って眺める景色は天龍寺の真骨頂とも言われているほど。一帯が豊かな緑に囲まれているので、京都市内を見渡す「望京の丘」など自然の中を巡る散策コースもぜひ歩いてみてくださいね。

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出典:

天龍寺のシンボル「達磨図」は、お寺の厨房や倉庫を指す「庫裏(くり)」で迎えてくれます。こちらは、インドから中国へ禅を広めた中国禅宗の開祖・達磨大師の絵。厳しく睨むような顔つきは壁に向かっての坐禅・面壁の最中の表情で、自分自身の内面を見据えている姿が描かれたものと言われています。達磨大師のグッズや達磨モチーフのお守りもあるので、達磨大師の高い精神性を身に着けるのもいいですね。

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出典:

天龍寺の「雲龍図」は、襖絵では大方丈にある大広間の大襖と、時期によって特別公開される復元品の2種類。どちらもかなり見応えのある絵で、精密に描かれた雲龍の気迫にたじろいでしまうほど。また、「法堂」では加山又造が描いた巨大な天井画も鑑賞できますよ。どの角度から見ても必ず龍と目が合うことから、「八方睨みの龍」とも呼ばれています。

天龍寺の詳細情報

天龍寺

住所
京都府京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町68
アクセス
1) JR京都駅から市バスで40分 2) JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅から徒歩で13分
営業時間
8時30分〜17時 (受付終了16時50分) (庭園受付,北門受付)
料金
大人 500円 庭園参拝料(諸堂参拝は300円追加)

5.不変の美を堪能して。臨済宗妙心寺派の大本山

妙心寺

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出典:

約10万坪もの広大な敷地に、46の塔頭寺院を擁する「妙心寺」。境内で唯一の朱色の建造物「三門」は、柱や梁に鳳凰や龍、飛天などが鮮やかに描かれた重要文化財です。多くの寺院が集まる街のような造りなので、公式サイトの「1時間・2時間・半日コース」を参考にすると拝観しやすくなりますよ。塔頭寺院は時期によって公開される寺院が変わるので、リピートしても新しい魅力を発見できます。

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出典:

妙心寺の見どころのひとつ「法堂」は、外観も美しい造り。江戸時代の絵師・狩野探幽が8年かけて製作した天井画は天龍寺と同じ八方睨みの龍で、尻尾側から見ると空へ昇るように、頭から見ると空から降りてくるように見える不思議な龍です。また、法堂には国宝でもある日本最古の鐘「梵鐘」が保管され、再現された美しい音色をCDで聴くこともできますよ。

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出典:ginkosanさんの投稿

塔頭寺院の中でも通年公開されることの多い「桂春院」は、季節の移り変わりをひっそりと堪能できるおすすめの寺院です。敷地の奥に控えめに佇むこの寺院の見どころは、「侘」「清浄」「思惟」「真如」と4つの名前が付いた庭園。見事な苔庭は国の史跡・名勝にも指定されていて、特に紅葉の時期はため息が出るような幽玄の美を堪能できます。

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出典:ginkosanさんの投稿

また、桂春院の書院は京都指定の有形文化財。お庭だけでなく、「金碧松三日月図」など狩野山雪の描いた障壁画が飾られた優美な室内も必見ですよ。ほかにも妙心寺には、明智光秀を弔うために造られた「浴室」や、磨き上げられた台所「庫裏」など貴重な文化財が多く、しだれ桜で有名な「退蔵院」など各寺院の魅力もたっぷり満喫できます。

妙心寺の詳細情報

妙心寺

住所
京都府京都市右京区花園妙心寺町1
アクセス
1) JR京都駅から市(バスで40分 2) JR嵯峨野線花園駅から徒歩で10分
営業時間
[3月〜10月] 9:10〜16:40 20分間隔で拝観案内 12時〜13時は12時30分のみ [11月〜2月] 9:10〜15:40 20分間隔で拝観案内 12時〜13時は12時30分のみ
料金
大人 500円

6.桜と紅葉も見物。座禅や茶道体験で心静かに

高台寺

京都 高台寺の紅葉

臨済宗建仁寺派の「高台寺」は、豊臣秀吉の正室・北政所(ねね)が秀吉の供養のために建立したお寺です。境内に広がる庭園は国指定の史跡・名勝で、なだらかで優美なデザイン。創建当初から残る貴重な建物「開山堂」を中心にして2つの池がある池泉回遊式庭園で、小堀遠州が安土桃山時代に作庭したものです。こぢんまりとしていますが見どころが多く、やわらかな空気に心満たされるお寺ですよ。

高台寺の紅葉

こちらは開山堂から「霊屋(おたまや)」をつなぐ渡り廊下、「臥龍廊(がりょうろう)」。ねねが雨に濡れずに行き来できるように屋根が付いていて、その名の通り龍の背中がうねっているような見事なしつらえです。反対側の廊下には、ねねが秀吉を想って月を見ていた「観月台」があり、特に紅葉の季節は美しい木々をうっとり眺められますよ。

京都 高台寺 祇園しだれ桜

方丈前庭にある「波心庭」は、白砂や砂紋の立体感と、大きな1本のしだれ桜で構成されているシンプルな枯山水庭園。きっちり描かれた白砂の繊細さが際立つ庭園で、無駄を排した禅の心が感じられる造りです。こちらも国指定の名勝で、時期によっては色とりどりの砂を使ったカラフルで独創的なお庭を見ることもできますよ。

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出典:優々写楽さんの投稿

高台寺では座禅や茶道体験が定期的に開催され、茅葺き屋根の「遺芳庵」も席数限定のお茶席として使われています。また、気楽にお抹茶をオーダーできる「雲居庵」もあるので、ひと休みして味わいを試しても◎。さらに境内の高台には重要文化財の「傘亭」と「時雨亭」の2つの茶室があり、貴重な造りをじっくり鑑賞できますよ。

高台寺の詳細情報

高台寺

住所
京都府京都市東山区高台寺下河原町526
アクセス
バス停「東山安井」から徒歩7分
営業時間
9:00〜17:30 (17:00受付終了) ライトアップ ※特別期間のみ 日没後点灯〜22:00 (21:30受付終了)

7.忍苦・不倒の教えのシンボル、達磨がたくさん

法輪寺

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出典:symriozさんの投稿

臨済宗妙心寺派の「法輪寺」は、約8,000体もの達磨が奉納されているお寺。この達磨たちは心願成就のために各地から寄せられたもので、「達磨堂」には有難い「七転八起」の言葉が掲げられています。達磨を縁起物とする起源は、インドから中国へ禅を伝えた達磨大師の忍苦・不倒の教えによるものです。

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出典:ginkosanさんの投稿

達磨堂の中には、さまざまな達磨が所狭しと並んでいます。色も形も表情も異なる達磨をひとつずつ見つめて、岩壁と対峙する厳しい坐禅修行を9年も続けた達磨大師の精神力に思いを馳せてみましょう。厳しい顔つきのもの、おだやかな笑みを浮かべたもの、悟りを開いたような澄んだ瞳のものなど、たくさんの達磨たちから得られるものがきっとあるはずです。

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出典:ginkosanさんの投稿

「衆聖堂」の1階には、大きな達磨の天井画が…!まるですべてを見透かしているような表情の天井画の下には、「十六羅漢木像」が祀られています。この羅漢は、完全に悟りを開いて功徳も兼ね備えた最高の仏教修行者のことを指し、禅寺における崇拝の対象。2階では、横になっている仏様「仏涅槃木像」も鑑賞できますよ。

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出典:

本堂の南には、中国の禅の入門書の内容をもとに造られた枯山水庭園「無尽庭(むじんてい)」があり、たくさんの達磨たちが迎えてくれることも。法輪寺は、瓦や扉などいろんなところに達磨モチーフが隠れているので、見つける楽しみもありますよ。ゆったりお庭を眺めてリフレッシュしたら、お守りやおみくじなど好みの可愛い達磨グッズもさがしてみましょ。

法輪寺 (だるま寺)の詳細情報

法輪寺 (だるま寺)

住所
京都府京都市上京区下立売通西大路通東入ル行衛町

8.禅を表したとされる謎多き石庭は必見

龍安寺

京都 龍安寺の石庭と新緑

臨済宗妙心寺派の「龍安寺」と言えば、世界遺産の「石庭」。白砂に15の石が配された美しい庭で、心のざわつきが収まるような静謐さを湛えています。奥行きを出す傾斜や縦横の黄金比など計算された造りでありながら、作者も作庭時期も作成意図も不明。さらには、土塀の用意周到な造りや謎の氏名が刻印された石、どの角度から見ても14個しか石が見えない…など、さまざまな謎を抱いた高い神秘性も魅力です。

龍安寺 知足のつくばい

石庭と並んで有名なのが、「方丈」の裏手にある「蹲踞(つくばい)」。真ん中の四角を口に見立てて、四方に刻まれた文字を合わせると「吾唯足知」と読めるようになっています。これは「今あるものに満足して、不平不満を持たず現状に感謝する」という意味で、人間の欲深さを戒める禅の思想のひとつ。美しい竹筒から水が流れ続ける姿からも、万物の流転がもたらす自由な精神を感じられます。

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出典:*kayo*さんの投稿

石庭のほかに、境内のおよそ半分を占めるほど巨大な「鏡容池(きょうようち)」の美しさも必見です。平安時代には貴族が舟遊びを楽しんだとも言われるこの池では、桜や新緑、紅葉と季節に合わせて風雅な景色が眺められますよ。お花や葉っぱが水面に浮かぶ様子も美しく、一面に睡蓮が咲く時期はモネの絵画のような趣も楽しめます。

龍安寺の詳細情報

龍安寺

住所
京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
アクセス
JR京都駅からバスで約40分
営業時間
8:00〜17:00 [12月〜2月] 8:30〜16:30
料金
大人 500円

9.塔頭寺院は金閣寺と銀閣寺。臨済宗相国寺派の大本山

相国寺

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出典:hikohさんの投稿

臨済宗相国寺派の大本山「相国寺」は、金閣寺や銀閣寺を塔頭寺院とする総本山でもあります。京都五山では第二位にあり、重要文化財の「法堂」は法堂建築として日本で最古の建造物です。定期的な座禅会のほかに、社会問題を取り上げる研修会が行われているのも特徴のひとつ。日々忙しなく過ごしているとなかなか諸問題へも考えが及びづらいですが、それぞれの問題に関する講師の方のお話を聞いて、この機会に社会について思いを巡らせてみるのもいいものですよ。

相国寺

春と秋の特別公開時には、法堂で狩野光信が描いた天井画「蟠龍図(ばんりゅうず)」を鑑賞できます。相国寺の法堂は天井がドーム型になっていて、天井画は遠近法で描かれているのだそう。法堂の中央辺りで手を叩くと、龍の鳴き声のような反響音が返ってくることから、「鳴き龍」とも呼ばれています。龍の真下でパン!と手を叩いて、龍の鳴き声を聞いてみましょう。

京都 相国寺

相国寺の「方丈」の庭園は、表と裏でガラッと趣が変わります。禅の「無」の表現とも言われている表側は、白砂のみの潔い美しさ。真っ白な砂に太陽光が反射して、建物をキレイに見せる効果もあるそうですよ。対して、裏側の「裏方丈庭園」は京都市指定の名勝で、風情ある苔庭を堪能できます。相国寺の方丈・法堂・開山堂は春と秋の特別公開のときだけ拝観できるので、タイミングを合わせて訪れてみてくださいね。

相国寺の詳細情報

相国寺

住所
京都府京都市上京区相国寺門前町701
アクセス
地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩で8分
営業時間
10:00〜16:00
料金
大人 800円 春・秋期特別拝観期間中のみ拝観可(春:法堂・方丈・浴室、秋:法堂・方丈・開山堂)一般800円

10.秋には本坊の特別公開も。臨済宗大徳寺派の大本山

大徳寺

京都、大徳寺の勅使門

臨済宗大徳寺派の大本山「大徳寺」は、20以上の塔頭寺院を擁するお寺。禅宗の建築様式に従って、主要の大きな伽藍がほぼ一直線に並んでいるところが特徴です。写真の「勅使門」の真後ろに朱色の「三門」があり、「仏殿」「法堂」と4つの重要文化財が並ぶ姿は見物ですよ。春や秋の特別公開では、いくつかの塔頭寺院、国宝の方丈や唐門を含む「本坊」、狩野派の障壁画など貴重な史料が一般公開されます。

大徳寺2995426

出典:tuvain73さんの投稿

塔頭寺院の中でも、ほぼ通年で公開されているのが「瑞峯院(ずいほういん)」。客殿・唐門・表門が重要文化財で、2つの枯山水庭園を鑑賞できます。写真の「独坐庭」は、波のような立体感のある砂目が美しいお庭。荒波が襲っても、悠々と座して動じない蓬莱山が表現されています。もうひとつの「閑眠庭」は石組に十字架が隠されていて、創建者であるキリシタン大名・大友宗麟の思想に基づいた意匠を堪能できますよ。

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出典:samtanさんの投稿

「興臨院(こうりんいん)」は人気の高い塔頭寺院のひとつ。「方丈」の裏庭は美しい苔庭で、紅葉の時期は特に多くの人が訪れます。前庭は白砂の枯山水庭園で、仙人が住む海中の仙境である「蓬莱世界」が松や石組で表現されています。さらに、特別公開時には茶室「涵虚亭(かんきょてい)」の内部まで見学できますよ。

高桐院 大徳寺派

立ち並ぶ塔頭寺院への参道や門庭の美しさも、大徳寺の大きな魅力のひとつ。写真は「高桐院」の参道で、秋には赤や黄色の紅葉が舞い散る道を歩けます。大徳寺は茶の湯文化とも結びつきが強いので、各寺院でお抹茶を振る舞っていたり、特別公開時にお茶会がいっしょに開催されたりすることもあるのでチェックしてみてくださいね。

大徳寺の詳細情報

大徳寺

住所
京都府京都市北区紫野大徳寺町53
アクセス
市バス「大徳寺寺」前下車、徒歩5分

11.琴坂の絶景に心洗われる。京都で数少ない曹洞宗の名刹

興聖寺

興聖寺 山門

宇治川のほとりに佇む「興聖寺」は道元が開いた日本で最古の曹洞宗の寺院で、のちに淀藩主・永井尚政が再興したものです。中国建築を思わせる「山門」が印象的で、門の入口を額縁として紅葉や新緑の美しい写真を撮ることもできますよ。境内やお庭は、茶人でもあった永井尚政による「枯淡閑寂」を感じられる造り。落ち着いた雰囲気でゆっくり巡ることができて、静かに禅の精神に触れられますよ。

宇治市 興聖寺 琴坂 参道

山門までは、およそ200mの「琴坂」を歩いて向かいます。谷川の水音が琴の音色に聴こえる、通り全体が琴の形のように見えるなど、名前の由来まで風情たっぷり。山門まで真っ直ぐ続いている坂は、新緑や紅葉など季節によって心が洗われるような美しさが広がり、境内に行くまでの間も癒しの瞬間が待っています。

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出典:

山門を通って正面にあるのは、伏見桃山城の遺構から造られた「法堂」。歩くとキュッと音が鳴る「鴬張りの廊下」や、戦乱時に自害した人々の供養を込めた「血天井」をじっくり鑑賞できます。また、興聖寺は全国でも数少ない「曹洞宗専門僧堂」があるお寺なので、由緒正しい僧堂で坐禅や写経体験をしたり、1泊2日で禅僧たちといっしょに禅寺の生活を経験できる「宿泊参禅」を利用したりするのもおすすめです。

興聖寺1970

広々とした「大書院」では、禅僧が点ててくれるお抹茶とお菓子でひと休みできます。ノイズの多い日常から離れて、石塔と池のある庭園を前に静かにお茶をいただくひととき…。腰を落ち着けてリフレッシュしたら、大黒天・毘沙門天・弁才天の3つの顔をもつ「三面大黒天」や「聖観音菩薩立像」が保管されている「宝物殿」も巡ってみましょう。

興聖寺の詳細情報

興聖寺

住所
京都府宇治市宇治山田27-1
アクセス
JR奈良線宇治駅 徒歩 20分 京阪宇治線宇治駅 徒歩 15分
料金
【料金】 建物内部は志納金(一口300円)が必要

12.中国的様式を肌身で感じて。黄檗宗の大本山

萬福寺

萬福寺 総門

黄檗宗の大本山「萬福寺」は、中国明朝様式で建てられたもの。日本の寺院では見られない珍しい建築様式や意匠だらけで、異世界に迷い込んだような体験ができますよ。開創は木魚を日本に伝えた中国の高僧・隠元禅師で、入口となる重要文化財の「総門」は威厳の感じられる美しい造り。屋根には、インド神話に出てくる怪魚・摩伽羅(まから)が飾られています。

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出典:

回廊に浮かぶ「開梆(かいぱん)」という名の木魚がくわえているのは、煩悩の玉。大きさは約2mもあり、おなかの辺りを打つことで煩悩の玉を外へ出す意味があるそうです。タイミングがよければ、食事やお勤めのときに禅僧が打ち鳴らす姿を見られますよ。また、後ろに吊るされた青銅製の「雲版(うんばん)」も、時を知らせるチャイムとして現在も使われています。

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出典:izzuo119さんの投稿

本堂にあたる「大雄寶殿(だいおうほうでん)」は、敷地内の建造物の中でも最大の大きさ。お堂の両サイドに「十八羅漢像」が安置され、ご本尊の「釈迦牟尼佛」は鮮やかなカラーの仏殿に祀られています。お堂の入口では龍のおなかのように見える「蛇腹天井(じゃばらてんじょう)」もあり、中国の本堂ならではのしつらえを隅々まで堪能できますよ。

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出典:horetattyさんの投稿

萬福寺では4人以上の団体のための研修会があり、日帰り~2泊3日の日程で、坐禅や写経のほかに、法話、食事作法、作務、看経など体験したい内容を相談できます。また、隠元禅師が伝えた中国の精進料理「普茶料理」も事前予約できるので、300年以上の歴史ある食を境内で味わうこともできますよ。

黄檗山萬福寺の詳細情報

黄檗山萬福寺

住所
京都府宇治市五ケ庄三番割34
アクセス
その他 ◆JR奈良線「黄檗」駅、または京阪宇治線「黄檗」駅下車、徒歩5分◆京滋バイパスの滋賀方面からは「宇治東」ICから5分、大阪方面からは「宇治西」ICから10分
料金
【料金】 大人: 500円 大学生・高校生500円、 中学生・小学生300円

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南禅寺 京都

禅寺で感じられる美しさは、日本独自の美意識「侘び寂び」によるもの。その落ち着いた静かな佇まいは、傷つきながら生き続けるわたしたちの不安定な心に、そっと気づきを与えてくれます。「何かが足りない…」と常に掻き立てられる日常から離れて、禅の教えをふわりと身に付けて帰りましょう。

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